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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第百二十六回 お題:「お節介」「ラブレター」
    類と付き合っている司が女子のお節介に巻き込まれるお話。
    司視点

    #ワンドロ
    #類司
    Ruikasa

    「お前たち以上にお似合いの2人はいないんだから」「ね、天馬くん。これ、受け取ってくれるよね??」



    にっこりと、有無を言わせないといった笑顔で、きっぱりという女性。

    その傍で、手に手紙を持ったまま、オロオロとオレと女性を交互に見る、大人しめの女性。




    そして、そんな2人に逃げ道を塞がれ、2人の圧を一心に受けている、オレ。



    本当に、どうしてこうなってしまったのかと、内心溜息をついてしまった。





    -----------------------------






    「なあ天馬、どう思うー?」


    そのきっかけは、あまりにも単純だった。
    クラスメイトの話題。自然な形で振られたそれに、ただ回答しただけだった。



    「何がだ?」

    「あ、聞いてなかったか。わりいわりい。
    よく告白の手段としてラブレターって使われるけど、天馬はそれどう思うのかなって思ってさ」



    その言葉に、オレはすぐさま答えた。



    「あまり好きではないな」

    「お、天馬は否定派なんだ?」

    「否定、というものなのかはわからんが」



    「告白するのであれば、ちゃんと面と向かってしてほしいだけだ。
    自分の気持ちが纏まらないのであれば手紙を書いてもいいが、目の前で読み上げてほしいと思ってな」



    「うわー、なかなか難易度高いこと要求するなそれ」

    「ん?そうか?」

    「結構恥ずかしいと思うぞ、それ」



    そう苦笑する彼らに、オレはそうなのかと内心思っていた。

    あまりラブレターを書く人の心境は理解できないが、彼らがそういうのであれば
    オレの考えは珍しいということなんだな。



    そんな風に、人の心境をまた1つ学べたと、そう考えていた。


    オレの後ろで、あることが始まっていたことに、気づかずに。





    -----------------------------




    溜息を殺しながら、改めて見据える。

    大人しい彼女がオレのことを好きだと言ってくれたのは、予想外ではあるが、嬉しかった。



    問題は、先ほどから押し付けてくる彼女だ。



    彼女はクラスで世話焼き女なんて言われているそうだが、押しつけがましく、人が不要だと言ってもやってくる。

    世話焼きどころか、お節介女だ。なんて、クラスでは言われていた。



    どうも話を聞いた限り、ラブレターを受け付けないと聞いてショックを受けた彼女に対し、これも世話の一貫と言って焚きつけ、無理やりオレにラブレターを受け取らせようとしたようだ。

    でも一向にオレが受け取らないのを見て、彼女がイライラしているのがわかる。
    先ほどからオレの言葉を遮って、ただ受け取ればいいと繰り返しているのだ。

    それには、ラブレターを持った彼女もドン引きしていた。


    オレ自身、まさかあの時の会話がここに繋がるとは思わなかった。
    だから呼び出された時も、すぐ終わると思って類を先にフェニランに向かわせたというのに。






    「ちょっと!いい加減なんか言いなさいよ!?」

    ドン、と突き飛ばしながらいう彼女に、オレは溜息をつきつつ、口を開いた。





    「オレはずっと受け取らないと言っているぞ。何度も言うが、いかなる理由があっても受け取ることはできない。何故なら」










    「司くんは僕のものだからね」



    突然響いた第三者の声よりも、オレは腕を引っ張られたことにびっくりした。

    うわ、と声を上げながら引っ張られた方向に倒れるオレを、類の広い胸で受け止められる。





    「悪いけど、司くんは君たちのものなんかにならないから。お引き取り願うよ」





    表情は見えないものの、かなり怖い顔だったのだろう。

    顔を上げて2人の様子を見ると、どちらも青ざめた様子だった。



    類は、そんな2人を放っておいて、ズンズンと進んでいく。

    オレは、類に引っ張られながらも、後ろを向いて2人に言いたかったことを言った。








    「そういうことだ!オレは類のものだし、類はオレのものだ!すまんが諦めてくれ!」



    オレのその言葉に、片や青ざめて、片や真っ赤になって怒っていて。

    でも、そんな姿も、類の嬉しそうな笑顔を見たら、何とも思わなかった。








    彼女達を傷つけたのかもしれないが、それも恋だ。

    今は、好きと伝えてくれる彼に、最大限の感謝と愛の言葉を伝えよう。


    そう思いながら、そっと握っていた手の指を複雑に絡めた。









    その後。

    憤慨していたお節介彼女によって、これらの話はクラスの皆に広められることになってしまったが。

    先生含め、皆が自然に受け入れてくれ。

    なんだかんだお似合いの2人と、沢山の祝福を受けて。





    嬉し涙を流すまで、あと。
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