降り積もる雪のように 十二月も近くなると、ぐっと気温も下がり、日も落ちるのもめっきり早くなった。
クリスマスや年末年始に向けて仕事も増えている。
学院の生徒だった頃は年齢の関係もあり、夜の仕事はなかったが、今はしっかりと夜も働いている。
仕事が終わり、寮へ帰ろうとする頃には、すでに日は落ち、真っ暗になってしまっていた。だが、十月が終わり、ハロウィンが終わると、街はクリスマス一色に染まり、大通りには華やかなイルミネーションで彩られ、賑やかな空気に包まれていた。
普段であれば、寄り道もせずにまっすぐに寮に帰る北斗だったが、周りの華やいだ雰囲気に少しだけ足を止めた。
(衣更は……今日の予定はどうだろうな)
色とりどりの人工的な光を見て思ったのはそんなこと。
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