愛されてるのに、気付いてよ「アオガミは絶対に気づいてない」
――こんなに愛してるのに。
何度目か分からない愚痴を受け流しつつ、少年に抱きつかれたジャックフロストは遠くを見つめた。
雪の妖精の視線の先に立つのは他の仲魔達と会話を交わす神造魔人の姿。彼は真面目に今後の予定を話し合っている。けれども、視線は確かに少年とジャックフロストを捉えており、その視線は回数が増す毎に強くなっていた。
「……気づいてないのはどっちホ」
「ジャック、何か言った?」
「何でもないホ」
敢えて少年を抱き返しながら、ジャックフロストは答えるのであった。