含光君は〇〇がお好き?「いや、阿湛の方が可愛い!」
きみこそ、いやお前こそ、と何度か言い合い、二人は顔を見合わせて笑った。その笑顔があまりにも可愛くて、小さな体を抱き締めてやれば、苦しいのか何度か胸を叩かれる。幼子の力はそう強くない、と思いきや、予想より強い力で叩かれて咳き込んだ。藍氏特有?の馬鹿力は健在らしい。
慌てて腕を解くと、阿湛はそれはもう完全に拗ねていた。幼い彼は感情がよく分かるから、つい揶揄ってしまうのだ。
「このからだはふべんだ。きみをだきしめられない」
「藍湛はいつも俺を甘やかしてくれるからな。たまには哥哥に甘えてくれよ、阿湛」
袖からほっそりした腕を出し、魏無羨の背に回そうとするが届かない。三歳の体は大人と勝手が違うからだろうが、そんなところも微笑ましかった。
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