#カカサス版ワンドロワンライ お題「はじめてだったのに」「はいオレってば王様ーー!」
時刻は21時30分。飲み会の席で声高々に右腕を掲げた金髪頭の指先には、いかにも酔っぱらいの筆跡で「おうさま」と書かれた紙がヒラヒラと揺れている。久しぶりに集ったアカデミー同期の元悪ガキ男子たちが、一斉にその声に注目した。その時。
「あっ、カカシ先生じゃん!」
キバの放った一声に、一人俯いていたサスケの顔が持ち上がる。居酒屋の座敷席のど真ん中で、どんちゃん騒ぎをしている元教え子たちの姿にやれやれと頭を掻く姿は8年前のそれと何も変わらない。
「はあ…、サクラに呼ばれて来てみれば…」
最近やっと酒が飲めるようになったからか、調子に乗ってハメを外したのが一目瞭然。テーブルの上には、空のジョッキやらお猪口やらが食い散らかしたつまみと共に散乱している。告げ口しに来た当のサクラは、いのやヒナタたちとの女子会に切り替えるのだとすでに別の店へと向かって行った。
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