「ユウ!!」
「っ!はい!!」
この人に背後から声を掛けられるとびっくりする。さすがに「人間」呼びは止めてくれたものの、彼からのこの呼び方には未だ慣れないでいた。
その人はカツカツと靴を鳴らして此方まであっという間に近づいてきた。接近すると彼の背の高さが際立って見える。彼と話すとき、私はいつだって見上げる体勢になった。
「貴様、次のホリデーはどうするんだ?」
「もうちょっとだけ声、落としてくれるかな……グリムと、あとはゴーストたちと過ごす予定だよ」
彼の大きな声に若干萎縮しつつ、私はホリデーの計画を話した。
皆が心待ちにしているホリデーは、私にとってはちょっとだけ淋しいものだ。だって、みんな故郷に帰ってしまうから。けれどグリムはいるし、ゴーストのおじさんたちもいてくれるという。もはや彼らとご馳走を囲むことになるのが恒例になっていた。
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