月島さんと尾形がこっそり甘いものを食べる話疲れた。
今日も今日とて、定時とは仲良くできないようだ。
腕の金属も、皆が持つ四角い鉄の塊も見たくない。何時かなんかは考えなくていい。肩にぶら下がるバックパックは前抱きにしても、重力を一身に受け、疲労感を倍掛けしていく。
電車の窓に映る顔は、鉄面皮と呼ばれる顔に拍車がかかり、目は落ちくぼんで、目の下の溝は色濃く深まるばかりだ。
黒い鞄に黒いスーツ、夜の真っ暗な景色に映りこむ白い顔は、心霊写真にも見えるだろうと、我ながら考えてしまう。
しかし、普段と違うのは今日が華の金曜。そう華金だ。一週間の疲れも少し軽くなる気がする。
せっかくだからと、酒を飲みに夜の街に繰り出すのも良いが、いかんせん、疲れが酷い。こんな日は悪酔いしたり、すぐに酔ったり次の日に響くのが目に見えている。
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