ムルシャイ海辺の短編集 ◆◆◆
prologue
1 小瓶の夢
2 Love song
3 月夜にイルカ
4 ウミウシ毒考
5 牡蠣はひかり
epilogue
◆◆◆
prologue
夢を見た。
古い記憶だった。友人と過ごした海辺の記憶だった。
彼女はどうしているだろうか。
一、二、三、こころを巡るアルバムに溢れた砂はきゅいんとないた
1 小瓶の夢
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい
笹井宏之
さらさら、さらさら
「ざばーん!」
「ムル。危ないから降りなさい」
あはは! と菫色が笑う。テトラポットをひとつ、ふたつ、みっつ、ぴょうと飛び越える。
「シャイロックもおいでよー!」
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