お一つ1200コインそれは少しの隙間を突いて買わされたものだった。
「ちょこ、ぷれい?」
「うん」
長い冒険後の休暇中、ベッドの上で向かい合って座っていたルイージは恋仲である兄との熱いキスを交わし、さあこれから長い夜を始めようとした時にその兄によって止められた。
「なんかね、感覚共有魔法が掛けられてるみたいでさ、その人の事を念じながらチョコを触るとその人と感覚がリンクするらしいんだ」
「リンクしてるからパッケージに僕が映ってるの?」
「そうみたい。僕が旅商人から買った時は無地だったからね。さっき念じてみたら変化したんだよ」
「ふ〜ん」
パッケージに描かれている自分自身をまじまじと見つめるルイージ。興味津々の視線を浴びながらマリオが封を切れば、中身の板チョコまでルイージの形へと変化していた。
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