二人きりの誓い 「じっと見て…どうしたの、悠翔」
「えっ……いや…なんでもない」
言われてて悠翔は慌てた様子で視線を外す。それを怪訝に思った仁菜は台本を閉じて悠翔の隣へと寄り添う。
「悠翔?」
「…………」
隣に座ってきた雛から逃げるように視線を逸らすが逃がすものかというように雛はぐいっと自分の方に向けさせ両頬を手で包み込む。
「…なんでもないよ、本当」
「嘘!悠翔のことなら何だって分かってるつもりだよ、私は」
「…何でも、」
「だから…悠翔が何か悩んでることがあるなら…教えて欲しい」
「…えっと、その…今度の…雛の仕事…」
「仕事?」
ぽつぽつと話しだす悠翔の言葉に耳を傾ける。
「そう…その…ウェディングドレス着るだろ?」
「あぁ…うん、そうだね」
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