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    pagupagu14

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    pagupagu14

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    幸せに殺される/王獄(V3)
    一応事後。育成計画時空未来IFできてる王獄。
    王馬みたいな性格、立場だと幸せを得ることに怖くなってしまうのもありそうだよな~という御話。ゴン太の純粋さに殺されてしまいそうだと感じる王馬が見たかっただけ

    #新弾丸論破V3【腐】
    #王獄
    wangJue

    幸せに殺される ふぅ、と煙を吐き出す。さっきまで触れていた熱を頭を覚ますように上半身裸のままオレはベランダに出ていた。
    「……王馬くん?」
    扉の開く音がして振り向けば羽織ものを着て、そしてオレ用の羽織ものを持ったゴン太がそこにいた。
    「ゴン太。起きたんだ、寝ててよかったのに」
    「うん、ゴン太も起きるつもりはなかったんだけど…鈴虫さんの声が聞こえて目が覚めちゃって…そしたら王馬くんもいなくって…ベランダへの扉が少し開いてたから王馬くんいるのかなって思って…」
    「ああ、この泣き声…鈴虫のだったんだ」
    「うん、そうなんだ!」
    ぱっとゴン太は笑うとそのままオレに羽織ものを肩にかけた後隣を陣取った。
    「それで王馬くんはどうしたの?こんなところで…風邪引くよ?」
    「大丈夫だって、オレはゴン太に心配されるほどヤワじゃないんだって!」
    「…でも」
    「ほんと、ゴン太ってば心配性だな~」
    「心配するよ!だって、ゴン太は王馬くんのことが大好きだから!」
    「!……ホント、お前って……」
    思わず声が小さくなった。
    本当に困ってしまう。ゴン太はこんな風に真っ直ぐこんなオレに想いをぶつけてくれるからだから、頭を冷やしたくなる。怖くなる。
    ……なんて。
    「…………王馬くん?」
    オレの様子がおかしいと思ったのかゴン太はオレの顔を覗いた。
    「何、どうしたんだよゴン太~」
    けらけらと笑ってみせるオレだったが今のゴン太はもうそんなことでは騙されてはくれなかった。
    「…何か、隠してる?」
    「別に隠してないって」
    「だって…何か、変だよ……」
    じ、とオレを見つめるゴン太にオレは思い切りため息を吐いた。
    「…………ゴン太はさ」
    「?」
    「幸せすぎて怖くなることとかない?」
    幸せすぎて怖い。
    成長してもゴン太の瞳は、心は澄み渡ったままでそんなゴン太に真っ直ぐ愛情を向けられていると怖くなる。こんなオレがそんなものを受け取っていいのか、いつかバチが当たるんじゃないか、ゴン太を騙しているバチが――なんて。
    そんなことを考えてしまうから煙草を吸って体内を穢して、物理的に身体を冷やして頭を冷やす。
    「なーんて、嘘だよ!」
    にしし、と笑って言うけれどゴン太は嬉しそうに笑ってオレの手を握った。
    「ゴン太…?」
    「ゴン太、嬉しいよ!だって、王馬くんはゴン太と一緒で幸せだって思ってくれてるってことなんだよね?」
    「はぁ~?そんなわけないじゃん!オレは嘘吐きだから、だから嘘って言っただろ?」
    「それも嘘かもしれないよね?だったらゴン太は信じたい方を信じるよ。王馬くんが言ったことが嘘でゴン太といることで幸せだって思ってくれてるって方を信じる」
    「……はー、勝手にしろよ」
    「うん!」
    ぱっとゴン太はそう言って頷いて笑った。
    「ねえ、王馬くん。そろそろ寒くない?中に戻ろうよ」
    「何?ゴン太がオレのことあっためてくれるって?」
    「い、言ってないよそんなこと!」
    顔を真っ赤にして反論するゴン太に笑みがこぼれる。
    「え~…ゴン太はオレが風邪引いて寝込んでもいいっていうの~?」
    かわいこぶって言って見せると慌てだすゴン太。そんなゴン太の顔を引き寄せると煙草の苦味を分け与えるように深く、深く、口づけをする。
    「お、王馬くん!」
    唇を離すとそうやって顔を真っ赤にしてゴン太は怒ってしまう。オレは煙草の火を消して吸い殻に捨てると逃げるように中へと入っていく。
    いつかこの幸せに殺されてしまいそうだと思うオレだったがそれもそれで悪くないと思えたのもきっと純粋すぎるこいつにオレが心底惚れてしまっているからなのだろう。
    -Fin-
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    pagupagu14

    DONEカラマリアンリミ白石√のあるエピソードから着想を得て書いたお話。靴を履かないゴン太に靴を贈る王馬って夢があるよな…って。王馬、なんやかんや好きな子に対して律儀というかそういう感じを出してくれたらいいなぁという願望です
    君にもらった靴で君の元へと歩き出す 希望ヶ峰学園を卒業したゴン太は素足の生活からちょっとずつ靴を履く生活へと日常を変化させていた。確かに冬は寒いから靴はあったかい。けれど窮屈で仕方がなく、でもこれも紳士になるためと頑張って靴に履き慣れ始めたかな?と思いはじめたある日の卒業して初めてのゴン太の誕生日のことだった。
    宅配物が届けられる。一枚のメッセージカードと共に。それはもう会うことはないと言っていた友人からのものだった。
    『お誕生日おめでとう。卒業式ぶりかな?悪の総統としては手下の一人くらい労ってやらなきゃだからプレゼントを贈ります。じゃあまた、次のお前の誕生日に。 悪の総統 王馬小吉』
    そう綴られたメッセージには【嘘】という言葉は何一つ書かれておらず、けれど来年も祝ってくれる。そう書かれたことがとても嬉しかった。そしてそれから毎年、毎年、王馬くんはゴン太と直接会うことはなくそれでもプレゼントを送ってくれた。律儀にメッセージカードと共に革靴を。驚くくらいゴン太の足のサイズにぴったりで、それでいて王馬くんの愛情を感じるのにも十分なもので、いつしか真正面から王馬くんと会えるようになってもそれでもこれは続いていく。それがくすぐったいようなよく分からない思いだったけどゴン太は好きだった。
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    pagupagu14

    DONE煙草の意味/王獄(V3)
    育成計画後のくっついてる王獄。大人設定です。
    王馬煙草吸いそう~~というイメージから。王馬はかっこいいのが似合うなあ。
    まあ私が王馬のことをかっこいいと思ってるからなんですが。
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    「別にオレは平気だって。悪の総統として死ぬことはあっても病気とかで死ぬつもりは毛頭ないからさ!」
    にしし、と冗談めかして言ったつもりだったがそんな言葉にゴン太の表情は明るくなんてなってくれやしない。
    「…死ぬ、なんて言って欲しくない。それにゴン太は王馬くんに長生きしてほしいよ…それに、苦いんだよね?」
    「まあ、美味しくはないよね。」
    「じゃあ、なんでするの?」
    「なんでって…」
    ブラックコーヒーもそうだがたまにそうやって苦味のあるものを取りたくなる。そういうのを覚えたのは希望ヶ峰学園を卒業して大人の仲間入りを果たしたくらいの頃だったように感じる。何故かと思えば分からないがストレスが溜まった時、自分を傷つけようとしてしているような…そんな気がした。
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