【萩景】パイプカット『萩は跡継ぎなんだから、オレなんかと付き合ってちゃダメだよ』
『男の子は萩だけでしょ?』
『だから…別れて、ください…』
今にも泣きそうな顔をして、別れを切り出した俺の恋人。
それは本心じゃなくて、言わされているんだとすぐにわかった。
一目惚れだった。
大学のキャンパスで大輪の花が咲いたように笑う諸伏ちゃんを初めて見たとき、雷に打たれたような衝撃が走った。
嗚呼、この子が俺の運命の人なんだってすぐにわかった。
諸伏ちゃんと出会ってから、世界が色鮮やかに見えて、今までつまらなかった毎日が楽しくて仕方なかった。金目当てに集る下品な女共には目もくれず、何度も諸伏ちゃんにアタックした。最初は相手にされなかったけど、何度も何度も大好きだって伝えて、やっとの思いで付き合えた。
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