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    szrn541

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    裏垢男子シリーズ
    環くんがいる施設は、本編の施設とは違いちょっと放任主義的なイメージです。
    (設定適当すぎるので、深く考えず読んでください)
    次くらいからエロくなります

    #壮環
    grandRing

    元・裏垢男子の事情3環は施設を飛び出し、壮五の所有するマンションに転がり込んでいた。飛び出した、といっても壮五が園長に話をつけ正式な手続きをしての話だが。なんて説明したのか環はわからないが、施設の奴らは厄介払いだとせいせいしているだろう。
    壮五は空き家にしているより維持費がかからないから家賃はいらないと話した。ただし、いつでも好きな時に遊びに来ていいだろうか、と条件を出してきたが、そんなの良いに決まっている。
    だって、環は毎月壮五からお金をもらって生活しているんだから。
    「そーちゃんさ、俺のどこがそんないいの?」
    環がソファに横になってなんとなく見ていたアニメを、遊びに来た壮五の方が興味深そうに見つめていた。その横顔に話しかけると、パッと視線が向けられる。
    「君のいいところなんてたくさんあって並べられないけど、強いて言うなら頑丈そうなところかな」
    「……がんじょうそう……ほー……」
    もっと顔とか体とか色々あるだろと思った環は、なんとも腑に落ちないような顔をしてしまった。壮五はふふっと小さく笑うと、もう一度口を開いた。
    「たくさんあるって言っただろ?顔とか体が魅力的なんてことは言うまでもないと思ったんだ」
    壮五は目を細め笑うと、環の頬をそっと撫でた。
    「ばか、さわんなよ」
    環は妙に落ち着かなくて、壮五の手を払うとカァッと赤くなった顔を王様プリンのぬいぐるみで隠した。
    「照れちゃって、可愛いな」
    ちらりと盗み見た壮五は、頬杖をついて環をじっと見つめていた。もうアニメのことなんて興味なさそうだった。その眼差しにドキリ、と心臓が跳ね上がりうるさいくらいに鼓動が伝わってくる。
    環はもう一度目を伏せて王様プリンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
    自分でレンタル友達、なんて言い出したくせに、この関係は友達なんだろうか、と疑問が湧いてきた。
    壮五が気まぐれで遊びに来るのをこの家で待ち、一緒にご飯を食べたり、他愛もない話をする。やっていることは確かに友達のようだが、今みたいな壮五の眼差しが居心地悪くて、逃げ出してしまいたくなる。
    この気持ちを環は知らないからだ。
    まるで、初めて壮五に触れられた時のように、頭から壮五のことが離れない。
    「何、考えてるの?」
    「うわっ……!ちけーよ!」
    目の前に壮五のドアップがあり、さっきの比じゃないくらいに心臓がうるさく鳴り響いた。思わず体をのけぞらせると、壮五は大人しく体を引いた。
    「君を見ていると、コロコロ表情が変わるから飽きないね」
    壮五はおかしそうに笑ってそう言った。
    「そうだ、今日は泊まっていってもいいかな」
    「……好きにしろよ。あんたんちなんだから」
    環は肩をすくめると、両手をあげるポーズをした。それを見た壮五は小さくため息をついた。
    「確かにここは僕の所有物だけど、今住んでいるのは環くんなんだから。嫌なら断ってくれ。プライバシーの侵害になるだろ」
    「断れるわけねーだろ!だいたいいつでも好きな時間に来ていいっつってんだから、プライバシーもクソもねぇし」
    環はなんで突っかかってくんるだ、と声を荒げながら壮五に指を突きつけた。
    「僕だからいいけど、人に指差すのは不快感を与えるからやめた方がいい。それに、寝室には入らないようにしてるんだからプライバシーに配慮してるつもりだ!」
    壮五が大きな声を出したことに驚いて、環はパチパチと瞬きをした。
    「あっ、ご、ごめん。大きな声を出してしまったね」
    「なに、あんた俺が寝てるところ見たかったん?」
    環があっけらかんとそう言うと、壮五の顔がみるみるうちに赤くなっていった。いつも余裕そうに落ちつている壮五の姿とのギャップに、環は今までなんで怒っていたのか忘れてしまうくらい機嫌が良くなってしまった。
    「ちっ、ちが」
    「なんだよ。言えよ。別に寝てる顔見に来てもいいし、なんなら一緒に寝てもいーぜ。ベッド無駄に馬鹿でかいしな」
    環がペラペラと機嫌良さそうに言うと、今まで頬を赤らめていた壮五の目が、妙にぎらついたのがわかった。
    「そう、一緒に寝ても良いんだね。確かにそう言ったもんね。じゃあ今日からそうさせてもらおうかな」
    さっきまでの真っ赤な顔をした可愛い壮五はもうそこにはおらず、いつもの何考えているかわからない余裕そうな男に早変わりしてしまった。もしかして、全部計算だったんか、と環はポカンと口を開けてしまった。
    環は、自分から、最後の砦を崩してしまったのだ。
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