Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    おいしいごはん

    @CljtvmQGvbKziRA

    @CljtvmQGvbKziRA

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 1

    おいしいごはん

    ☆quiet follow

    pixivにあげたやつ。
    リカが気になる五が乙にリカを出させるために色々する話。戦闘シーンが本当に語彙力皆無なので注意。本誌と単行本を追えていないので設定がおかしなところがあると思いますが、そこは見逃してやってください。

    #五乙
    fiveB
    #先輩後輩五乙

    先輩後輩五乙 いつものように授業をサボっていたときだ。五条は校舎から一年生が体術の授業をやっているのを、口の中の飴を転がしながらぼーっと見つめていた。
     「ふーん、あれが乙骨憂太?」
     下から上までじとりと見渡してみるが、前まで特級だった奴とはとても思えないほど痩せこけていて、まるで枝のようだった。でも、確かに動きはまあまあ。真希程ではないが、防御のタイミングや、攻撃のレパートリーの豊富さ、それと何より、センスが良いのが大きい。流石とも言うべきか、特級クラスになっただけではある。これで更にあの「リカ」もついていたのだから、そりゃそうなるかと納得した。
    「ま、良いや」
    くるりとつま先を教室の扉の方へ向けて歩き出す。
    それに、本当に俺が見たいのはーーー

    「リカ」とやらだからね。
     

    □ □ □


    「おつかれー憂太」
     授業が終わり、校庭のグラウンドの階段に腰を掛けて汗を拭っていると、上から友人の声が降ってきた。
    「パンダくん?どうかしたの?」
    「いや、授業終わったけど戻らないのか?」
    「う〜ん…もうちょっと休んでから戻るから、先行ってて良いよ」
    「わかった。授業遅れるなよ〜」
     段々と遠のいていく背中を見送りながら思い出す。
     里香ちゃんの解呪から結構経ったなぁ。最初に高専に来たときはどうなるかと思ったけど、みんなのお陰でなんとかやっとここまで落ち着くことができた。
     ふぅっと一息ついて上を見上げる。いつもと変わらない青空…と、そこには白い頭が。




    「や、ゆうたくん」




    「…え?」



     一瞬、雲かとも思ったが特徴的な白髪と真っ黒なグラサンの隙間から覗く青の瞳から、五条先輩だと分かるのに時間は掛からなかった。なぜなら、先輩は有名だからだ。五条家の次期当主であり、数百年に一度しか生まれないという六眼、そして相伝の術式まで持ち合わせていると聞いた。呪術界では、いずれ特級にまで上り詰めるであろう、とまで言われている。まあそんな有名な人が来たら気づかないはずがなく…
     慌てて下がろうとして下に足をやると、ズルッという音とともに視界が暗転した。階段から落ちたことに気づいた時にはもう、あっという間に階段から転げ落ちてグラウンドの地面に叩きつけられていた。
    「いったた……ぁあ、えと、何か用ですか…?」
    「んふっ…いや、そんなに後ろに下がらなくてもいいでしょw」
     吹き出して背中を震わせる先輩の姿に、少しだけこっちも気が緩むのを感じた。
    (よ、よかった…噂では性格が捻じ曲がってるだとか、女遊びが激しいとかで怖い人かと思ってたけど、意外と悪い人じゃないのかも)
    ほう、と胸を撫で下ろして居たところに、先輩が突然切り出した。

    「ああ、そうそう、」


    「お前、里香って奴に呪われてたんだろ?どうりで気持ち悪いの感じると思ったんだよねーそれに、お前のオトモダチっつーのも弱っちいし」




     階段を降りて、ニヤニヤとしながらこちらの顔を覗き込んでくる先輩を見ていたら、何かがブチッと切れるような音が聞こえた。












    「………先輩、僕の事はいくら罵っても構わないです。だけど、里香ちゃんの事や友達まで悪く言うようなら、容赦はしません」
     憂太がゆらりと立ち上がり、先程まで青みがかっていた黒の瞳が途端に黒黒とし始めて、こちらをじとりと睨んだ。
    「いいね…そうこなくっちゃ」
    (正直上手くいくかわかんないけど、まあいいや)
     ふ、と息を吐いて手に正のエネルギーを集めると、指先を構えた。
    「術式反転」
    『赫』
     五条が言った瞬間、指先から赫が放たれた。それと同時に、憂太も動き始める。
     ぼそぼそと憂太が何かを言うと、指輪を嵌めた。
    「憂太ぁ”っ?」
    「いくよ、リカ」
    「あ」
     憂太の後ろから黒い靄が出てきたと思ったら、それは恐らく一級以上の…呪霊、いや、違う。何だこれは。もしかしたら、これが術式かそれにリカと呼んでいた。
    (面白いね…傑とはまた違うのか)
     そして俺の赫が当たりそうになった瞬間、その『リカ』とやらが赫を消し飛ばしたのだ。まだ五条の赫は不完全だとはいえ、威力はそこそこあるはずだ。だが、その靄から出てきた腕はいとも簡単に消し飛ばして見せた。もう一体何がどうなってるんだか。
    「は、本当面白いよ君、最高だ!」
    「僕は全然面白くないです」
     そうして話している間にも斬撃が飛んでくるが、五条の術式によってそれは全て塞がれた。
    すると、突然憂太がバックステップをして後ろに下がった。何か飛び道具か、それとも『リカ』を使って何かを仕掛けてくるのか。
    「リカ、あれをやる」
    「はあい」
    「っ、!?」
     特徴的な紋様。一目見たら分かるそれは、狗巻家相伝の術式、呪言だった。まだ完全体ではないが、その威力は相当な物であろう。
     乙骨憂太を舐めていた。想像の遥か斜め上、異常事態の連続。まさに『異能』であった。
    「ははっ、これはまずったなぁ…」
     メガホンがキーンと耳を劈くような音を発した。


    『眠れ』


     その瞬間、五条の意識は暗闇へと落ちていった。








    誰かが俺を呼ぶ声がした。
    「う────」

    「ごじょ────」


    「…何……ぁあ」
     目を開けてみると、そこには先程まで戦っていた場所ではなく、代わりに広がった光景は学校の保健室と、物凄い顔をした夜蛾センと、憂太だった。
    「…憂太から話は大体聞いた。五条、お前はすぐ人をからかうのをやめろ。憂太もだ。手を出す前によく冷静になるんだ。全く…お前らが戦い続けていたら校舎が吹き飛ぶところだったよ」
     怒られた二人はしゅんとして俯いてしまった。それを見た夜蛾は頭をバリバリと掻いてため息をついた後、「次はないからな」とだけ言ってさっさと部屋を出ていった。
     二人の間に沈黙が流れる。
    「「…」」
    「……僕は許したつもりありませんから」
     椅子に座っていた憂太も、そう言ってすぐに立ち上がった。
    「…えおい、ちょ、待てって」
     一瞬だけ振り返った憂太だったが、またすぐに扉の方へと歩み始めてしまった。
    「───あれには理由が」


    ピシャン。


     口から吐き出された言葉は、扉の向こうには届かず、一人残された静寂の中で、遠のいて行く足音だけがやたらと耳についた。





     五条は今世紀最大にいらついていた。
     あの後、当然の事ながら乙骨に嫌われた訳だが、当の本人は全く反省していないようで、俺は悪くない。話を聞こうとしないあいつが悪いんだと無視を決め込む始末だ。
     お互い頑固者なので、関係は悪くなる一方で、乙骨は乙骨で避けているし、五条は五条で無視を決め込んでいるので、校舎内では二人の険悪な雰囲気がダダ漏れであった。
     そうして1週間経った頃だろうか、二人はまだそれを続けていた。そしてそんな時に、まるで仲直りでもしろと言わんばかりに、二人に合同任務が割り当てられてしまったのだ。




    「ゲッ」
    「なんですかゲッって、こっちだって好きで来ているんじゃないんですから…」
    「あお前、あんま舐めた口聞いてるとはっ倒すぞ」

    「え、えっと…」
     補助監督が二人の圧力に耐えかねて、声を漏らした。
     本当に同情しかない。
    「チッ…」
    「あ、すいません。迷惑をおかけしてしまって…えっと、この人は置いておいてとりあえず行きましょうか」
     駐車場へ向かう間も、後ろでその後も言い合いを続ける二人の声が聞こえたが、怖すぎてひたすらアイパッドの画面を見つめていた補助監督であった。
     車の中に入ったらまた言い合いが始まるかと思いきや、意外にも車内は静かだった。だが、少しでも口を開いたらまた始まりそうな雰囲気、まさに一触即発の空気が漂っていた。

     その中で、黒髪と白い制服が特徴の青年が一人アイパッドの画面を見つめていた。
    (任務内容は…)
     場所は東京内にある、とある小学校。最近、子供たちが複数人行方不明になっているんだとか。書類にも書いてある通り、恐らく2級か1級相当の呪霊だろう。その場その場で連れ去っているというよりかは、学校自体に入り込んでいるかもしれないとの事であった。
     任務内容は理解したが、問題が一つある。それはこの隣で車窓を見つめている白髪の男である。
     どうしてこうなってしまったのかは、自分のせいでもあると薄々思ってはいるが、五条から謝らない限り、憂太は許さないと決めているので、この状態が続いてしまっている。
    「はぁ…」
     なんとなく自分も外の景色が見たくなって車窓を覗くと、反射した先輩の顔が薄っすらと浮かび上がっていた。
     本当に、黙っていれば綺麗な人なのにな、と思う。宝石のような青の瞳に、髪の毛と同じ色をした長い睫毛を揺らす姿は、誰もが見惚れてしまうだろう。
    「…お前さぁ、さっきから見すぎ」
     無意識の内に随分と長い事見つめてしまっていたのか、五条にもそれがバレてしまっていたらしい。
    「はぇ、み、見…」
    「ブッ…ww」
     状況が上手く飲み込めない憂太を他所にして、大口を開けて笑う五条の姿は大嫌いなはずなのに何故か憎めなくて、この際先週の件の事など心底どうでも良くなってしまったが、残念ながら憂太にそんな柔らかい心は持ち合わせていなかったので、「喧嘩の件なんかどうでもいい」という言葉は発せられる事は無く、胃の中へと飲み込まれた。
     さて、ここまでなんやかんやありまして現場に着いた三人。
     補助監督が任務内容を改めて説明し終わった後、帳が降ろされた。
    「どうかお気をつけて」
     補助監督はそう言うと、ペコリと一礼をして車に乗り込んでいった。
    「んじゃ、いきますかね」
    五条が先頭となって校舎内に入っていく。流石に空気を読んだのか、仕事モードに入っているらしい。口から出るのは任務内容の事だけで、いつものように悪態をつく様な真似はなかった。
     昇降口まで歩いてくると、一気に呪力が溢れてきた。恐らく... 1体だ。呪力感知がザラな僕でもわかる。それくらいの大きな呪力だ。最低でも2級だろうか。
    「待て、何か怪しい」
    すると、突然五条の腕が僕の進路を塞いだ。
    「どうかしたんですか」
    「多分、親玉と弱いのが何体かいる」
    「そうなんですか1体だと思ったんですけど、じゃあ親玉は先輩に任せます。僕は子供の救助と、弱いのを倒します」
    「ん、じゃあ危なくなったら呼べよ」
    「そんなに僕は弱くないですよ」
    そう言って二人は校舎の中で2手に別れた。





     校舎内を歩いて大体5分位経った頃だろうか、五条の背筋に嫌なものが走った。
    (なんだ……まぁ、いいか。多分親玉の気配が強まってきてるんだろ)
     そうして廊下の窓を横目で見ていると、突然、窓を突き破って腕が出てきた。
    「おっと」
    術式のお陰で何とか当たらずに済んだが、何か強烈な違和感を感じる。
     姿を現したのは、恐らく2級相当の呪霊。だが、何かがやはりおかしい。直感がそう言っているのだ。
     試しに腹に一発、呪力を込めた拳を打ち込んでみたが、やはり手応えがまるでない。それどころか、呪霊は砂になって消えてしまったのだ。


     まさか。


    「くっそ!死ぬなよ憂太!!」
     







    「は、はぁ、くっ…」
     視界が霞む。
    「お兄ちゃん」
     そうだ、守らなきゃ。この子達を…
    「お、お兄ちゃんに触るなこの化物」
     駄目だ…そんなことしたら───

    「ばーか。呼べって言っただろ。ほら、そこのガキ、俺の後ろに隠れてろ」

    「ゴホッ、五条先輩…す、いませ、」
    「もう喋るな。いいからお前は黙って見てろ」
     経験ではやっぱり、この人に勝てないなと思い知った。この間戦った時も、僕が手札を明かさなかったから勝てただけで、長期戦になっていたら余裕で負けていた。


    「術式順転」

    『蒼』


     最後、呪霊が消え去って行くのが見えて、そこからは意識が朦朧としていてあまり覚えていなかったが、誰かが車まで運んでくれたのだろう。あの時の優しくて温かい呪力だけは記憶に残っていた。



     それからどれくらい時間が経っていたのだろうか。気がつくと、憂太は高専の保健室のベッドの上だった。
     隣には、俯いたままの五条が居た。
    「五条先輩…」
    「憂太目が覚めたのか…」
     顔を上げた先輩は、相当余裕がないのか、珍しく悲しそうな顔をしていた。そんな顔をした五条が珍しくて、「そんな悲しそうな顔しないでください」と笑えば、「ごめん」と意外にも素直な返事が返ってきた。
    「それで…今言うのもアレなんだけどさ、」
     五条が突然切り出した。
    「この間は、ごめん……」
     憂太は思わずポカンとしてしまった。まだ、そんな事気にしていたのかと。いや、まぁさっきまで実際、気にはしていたのだが。
     それが余りにも可笑しくて、五条の子犬の様な顔も相まって吹き出してしまった。

    「ンフッ、あはははは」

    「え、は…な、なに笑ってんの」
     憂太が初めて笑った事とこの状況に五条が困惑する。
    「あはは…先輩、まだそんな事気にしてたんですか?」
    「はぁだって、お前めちゃくちゃ怒ってたじゃん」
    「僕はもう気にしてませんよ」
    「はああああぁ?!?!」
     堪らなくなったのか、立ち上がる五条。
    「じゃあ気にしてたの俺だけって事?!」
    「そうなりますね」
    (まぁ…さっきまで気にしてたんですけど。ごめんなさい先輩)
     まじかよと再び椅子にどかりと座って頭を抱える五条に、心の中でそっと謝った。
     ついでに気になった事も聞いてみる。
    「というか、もしかしてあの時運んでくれたのって先輩ですか」
    「そうだけど」
    「やっぱり。なんか先輩の呪力って落ち着くんですよね」
    そう言うと、先輩はふいっと視線を外した。
    「…そうかよ」
     その時、一瞬先輩の耳が赤いような気がしたのは気のせいだったのだろうか。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏☺☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    ne_kotuki

    DONE生まれた時から親戚付き合いがあってはちゃめちゃ可愛いがられていた設定の現パロ。人気俳優×普通のDK。

    以下注意。
    ・捏造しかありません。
    ・乙パパ視点。
    ・ママと妹ちゃんとパパの同僚という名のもぶがめちゃ出歯ります、しゃべります。
    ・五乙と言いながら五さんも乙くんも直接的には出てきません。サトノレおにーさんとちびゆたくんのエピのが多いかも。
    ・意図的に過去作と二重写しにしているところがあります。
    とんとん拍子も困りものもう少し、猶予期間を下さい。


    ◆◆


    「横暴すぎるだろくそ姉貴ぃ……」

    待ちに待った昼休み。
    わくわくと胸を踊らせながら、弁当箱の蓋を開いた。玉子焼きにウインナー、ハンバーグにぴりっとアクセントのあるきんぴらごぼう。そして、彩りにプチトマトとレタス。これぞお弁当!なおかずが、ところ狭しとぎゅうぎゅうに詰められていた。
    配置のバランスの悪さと、焦げてしまっているおかずの多さにくすりと口元を綻ばせる。タコもどきにすらなっていないタコさんウインナーが、堪らなく愛おしい。
    妻の指導の元、おたおたと覚束ない手つきで奮闘していた後ろ姿を思い出し、食べてもいないのに頬が落ちてしまう。

    「ゆーちゃんの『初』手作りお弁当。いただきま……」
    16678

    recommended works

    yuino8na

    MOURNING自分が書きたかっただけの、半獣人(獣族)なごじょさとる。
    適当設定。半獣人な五と人間の乙。
    本当に自分が好きな設定を詰め込んだだけです。気が向けば続きます。
    ・呪術とか呪霊とか一切出てきません
    ・乙は成人してます
    ・里香と同棲していました(里香自身は出てきません)
    ・キャラいろいろ崩壊しています
    ・自分の書きたい設定を自由に詰め込んでいます。やりたい放題です
    空に誓い 今一番不幸なのは自分なのでは。そんな感覚に襲われる日がある。

     乙骨憂太にとってはこの一週間がそんな日々だった。
     幼い頃に両親を亡くし、頼れる身内もなく施設で育った。そこで出会った女の子と恋をして、ずっと一緒に過ごした。幼いおままごとのように思われていた恋も、五年十年と続けば結婚という恋のその先も見えてきた。
     週末には式場の見学に行こう。そんなこれからの話をした翌日、最愛の婚約者であった折本里香を事故で亡くした。
     葬儀や身の回りでしばらく仕事も休んだが、それでも生きている以上仕事には行かなければならない。一週間ほど休みを取って久しぶりに仕事に行くと、上司から「帰って休め」と言われてしまった。
     なんでもいいからなにか食べて寝ろ、と言われてそういえば最後に食事をとったのはいつだろうかとぼんやり考えたが、思い出せない。食べるのも眠るのも生きるために必要な行為だ。それを自分からする気にならなかったことは、なんとなく覚えている。
    5170