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    キビ○

    @kibimaru029

    ネタの吐き出し口を探して三千里。急浮上の低浮上。晴道中心に呟いてみます。

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    キビ○

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    ツイで呟いた「遠距離晴道で遠距離中に全然会ってなくても恋しくならないので(これ別に好きではないのでは?)と思う道がいざ久々に晴に会うとめちゃくちゃキスしたいしエッチチしたいと猛アピールするけど無碍にされる話」
    前に書いていた現パロの続きになるのか?R18描写が入り始めたらタグ追加します。
    今回も道の性はルーレットでふたなりになったのでふたなりです。

    #晴道
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    現パロ遠距離晴道で別れを告げようとする道が悶々とする話ふと、道満は手にしたスマホのメッセージアプリを起動させた。随分と下の方に追いやられた彼のトーク画面を探し出す。メッセージをやり取りした最終日付を確認すると、三ヶ月前の日付で止まっていた。最後のメッセージは「着きました」という晴明のメッセージに対して「お疲れ様でした」と道満が返信した何とも事務連絡的な内容で、これが一応恋人という関係にある二人のものとは到底思えないものだ。
    そうか、もう三ヶ月になるのか…。
    道満はトーク画面を見ながらしみじみ思う。最後のメッセージから晴明とは特にやり取りもしていなければ電話もしていない。相手が生きているかどうかさえ不明な状態だ。…もしかしたら死んでいるのかもしれない。
    晴明の生死について本気で考え始めたところで手元のスマホがスポンと甲高い音を立てて、開けっ放しにしていたトーク画面にピコンとメッセージがひとつついた。
    『月末帰ります』
    見紛うこともない晴明からの三ヶ月ぶりの生存報告であった。
    道満は急いでトーク画面を閉じる。しかし晴明のメッセージには既読の文字がついてしまっていることだろう。まるで初恋の少女のように恋人のメッセージが待ち遠しく、トーク画面を開けては閉じてを繰り返していたと思われては堪らない。そう思い道満はすぐには返信を返さないことを決めた。既読無視ということになるだろうが、まぁ、大丈夫だろう。
    それにしても、晴明の奴は生きていたらしい。
    ここで本来なら、三ヶ月も連絡を寄越さないで何なんだ!と憤るか、よかった生きていたのか…と安堵するか、帰ってくることへの喜びを噛み締めるか、何らかの感情が湧くはずだ。はずなのだが、今の道満の裡には何の感情も湧いていない。

    先日の会社の飲み会の席での会話を思い出す。総務部の女性社員と同じ席に着くと話は自然と恋の内容になっていた。最初は総務課の香子の元に企画課の公任(ゆきのり)という男が事あるごとに「香子はいますか?」と声をかけてくるので参っているという話であったはずだが、いつの間にか道満のお相手の話になっていた。
    「えぇ~どまぴ遠距離なの!?」
    そう声を上げたのは香子と同じ総務課の諾子であった。見た目通り、華やかな声を上げて何が面白いのか「きゃ~!それは大変だ!」等と口元に手を当てて言っている。
    「それで、どの程度の頻度でお会いするのでしょう…?」
    こんな男の面白みもない話なんて興味があるのは諾子だけだと思っていたが、どうやらそうではないらしい。問いかけられた先を見ると香子が「はわわわ…すみません…突っ込んだお話を…」と慌てた様子で謝ってきたが、その目は爛々と輝いたままこちらを見ている。
    「ンン…まぁ、三か月に一回くらいでしょうか」
    そう答えると「えぇ~~~!」と歓声だか、落胆だかよく分からない声が上がった。
    「え、え、その間、毎日連絡してるとか…?」
    「しませんね」
    「えぇ~~~!!何で!!」
    諾子がだん!とテーブルを叩く。少々酒が入りすぎているようなので、水の入ったグラスをチェイサーとして渡すと、彼女はぐびりと飲み乾した。
    女子の高い声が上がるたび、花が舞い散っているようにそこだけが華やいでいる。話に夢中になった彼女らは身体をこちらにどんどん近づけてきており、人の群れの間から見える向こうの席の男性社員の恨みがましい目線が痛い。自分だって好きで囲まれているわけではないし、全然楽しい話ではない。
    「ンン、まぁ、あちらも多忙を極める方ですので、そうなってしまうのは仕方がないでしょう」
    ちびりとグラスに入った酒を呑みつつそう答えると目の前の諾子はうんうんと頷いていた。
    「なるほどねぇ~遠距離中だとすんごい寂しくなるよね」
    「おや、諾子殿にもそういったお方が?」
    「ん~まぁね。昔の話さ…会ってない間は、何で連絡してこないんだ!とか、今頃何してるのかなぁとか、いろいろ考えてね、一緒にランチしたお店の前を通った時とか、ふとした瞬間に彼を思い出して寂しくなるわけよ!」
    あぁ、いとエモし、と諾子は感極まったように呟いて、新しく道満が用意したチェイサーのグラスを一息で飲み乾す。
    「そうですね。遠い距離が二人を近づけていくとは良く言ったもので、離れているからこそ愛おしく思う瞬間も多いと思います」
    そう言う香子の言葉に周りの女子は深く頷いている。
    「遠距離だからこそ相手の大切さを実感するものね!!次会うのが楽しみだね、どまぴ!!」
    テーブル越しに諾子に肩をばしばし叩かれて、はははと乾いた笑い声を返したところで別の席から声がかかりその場を退いた。
    ふうと、女性陣の喧しさからようやく落ち着いた道満は息を大きく吐く。彼女らの話を思い返してみるがしかし、道満は彼女らの言う遠距離の良さについて何一つ共感できずにいた。

    これが先日の会社の飲み会での出来事だ。
    改めて道満は手に持つスマホのメッセージアプリを開く。すぐさま目に入るのは晴明とのトーク画面だ。連絡の少なさに憤りを覚えたこともなければ、晴明と行った店の前を通っても特に何の感慨もない。あの男を愛おしく思う瞬間なんてものもなかったということに気が付く。
    そこで道満は思った。
    これは、もしや、自分は晴明のことをさほど好いてはいないのでは?
    元々が無し崩れ的なセフレのようなものから始まった関係だ。情だと思っていたものは、性的交渉から生じる一時的な興奮が及ぼした幻覚のようなものだったのかもしれない。それに、晴明のどこが好きだったかと言われれば靄がかかったように思い出すことはできなかった。脱いだものをほったらかしにする癖や、どんな食事にもやたらとテーブル調味料をぶっ掛けようとするところや、デリカシーのなさが目立つ発言など、嫌なところならいくらでも思いつくのだが、と道満は思う。
    晴明についても同じなのかもしれない。特に色気のないトーク画面を見る。載っているのは「わかりました」「月末に帰ります」「20時着です」という業務連絡ばかりだ。三か月に一度会う時も退廃的に身体を交えて、時間になればそのまま別れるということがほとんどだ。これではセフレの延長のようなものだと、道満は思う。
    …よし、決めた。
    道満はスマホの画面の上にするりと指を走らせて、送信ボタンをタップする。
    『わかりました』
    晴明とのトーク画面の一番最後に道満の送ったメッセージが表示される。すぐさま既読の表示がされるため、無事晴明はこのメッセージを確認したらしい。
    次に会う時、別れを告げよう。お互い多忙な身であるのだから、こんな無価値な関係は早々に切るべきだ。
    こう思い立っても特に波も立たない己の心に、判断は間違っていないと道満は確信する。そうと決まれば月末の己の予定を確認しなければ。
    道満は晴明の帰宅に合わせてスケジュールを調整するためにスケジュールアプリを開くのだった。

    こうして晴明が帰ってくる月末はあっという間に当日となった。
    晴明が元々こちらで住んでいた住居は今回の転勤を機に引き払っているため、晴明は必然的に道満の住む家へ訪れることとなる。昨日のうちに室内の掃除はおおよそ完了し、必要なものも取りそろえた。休日だというのに朝早くから洗濯機を回し、それが終了するまでトイレ掃除を行って、洗濯物を干した。室内を隅々まで綺麗にしたところで飽き足らず、ワックスまでかけてしまった。ベッドシーツは糊の効いた新しいものに取り換えたし、マットレスだって日干しをしたのだからこれで晴明も寝心地が悪いと文句を垂れることもないだろう。完璧に整えられた室内をみて道満は一人頷く。これで帰ってくる晴明を迎え入れて、いつ別れを告げても完璧だ。
    今回の晴明の滞在は五日ほどになるらしい。こちらへ帰ってくる今日の到着時刻は20時頃だと言うし、向こうへ帰る日もほぼ移動になるだろうから、実質3日間しか時間はない。あとはいつ別れを告げるか、だ。まぁそのうちタイミングが来るだろうと、道満は余裕に構え、晴明を迎える時刻まで夕食の準備に精を出すことにした。
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    キビ○

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    前に書いていた現パロの続きになるのか?R18描写が入り始めたらタグ追加します。
    今回も道の性はルーレットでふたなりになったのでふたなりです。
    現パロ遠距離晴道で別れを告げようとする道が悶々とする話ふと、道満は手にしたスマホのメッセージアプリを起動させた。随分と下の方に追いやられた彼のトーク画面を探し出す。メッセージをやり取りした最終日付を確認すると、三ヶ月前の日付で止まっていた。最後のメッセージは「着きました」という晴明のメッセージに対して「お疲れ様でした」と道満が返信した何とも事務連絡的な内容で、これが一応恋人という関係にある二人のものとは到底思えないものだ。
    そうか、もう三ヶ月になるのか…。
    道満はトーク画面を見ながらしみじみ思う。最後のメッセージから晴明とは特にやり取りもしていなければ電話もしていない。相手が生きているかどうかさえ不明な状態だ。…もしかしたら死んでいるのかもしれない。
    晴明の生死について本気で考え始めたところで手元のスマホがスポンと甲高い音を立てて、開けっ放しにしていたトーク画面にピコンとメッセージがひとつついた。
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    DOODLE「罪深き墓前まで」
    思いつきの時代物パロ晴道。多分この後二人で共謀して旦那を始末します。
     晴明の兄が妻を娶ったのは彼が十五の時だった。付き合いのある旧家の長子で、美しいことで評判だった。まだ十八になったばかりだった。晴明の幼馴染だった。
     晴明は義姉になる前まで兄の結婚相手を「道満」と呼んでいた。義姉になるまで兄の結婚相手を抱いていた。去年の盆に宴会があり、その裏で二人は体を繋げた。お互い初めての相手だった。晴明にとっては初恋だった。
     道満は自分の妻になるものだと信じ切っていた彼は、夏の盛りを過ぎた頃に兄から婚姻のことを聞かされて、がらがらと全てが崩れていくような心地になった。美しい上に賢い道満は詩経さえ誦じてみせる。対して夫となる晴明の兄は凡庸で家柄ばかりが取り柄の役人だった。幼少のみぎりから才覚を発揮していた晴明とは大違いだった。
     晴明は兄が何処か勝ち誇ったような顔をして自分を見ていることに気付いた。兄が自分を打ち負かしたいがためだけに、道満を妻に迎えたのだとすぐに理解した。殺してやろうかと思った。
     道満は家庭に入ると頗る良妻で、よく躾けられた奥様になった。夫の父母に気に入られ、夫の床屋政談にも美しい笑みを浮かべたまま付き合った。晴明が「義姉さん」と呼んでも笑み 1027

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