キスマーク 乱凪砂 凪砂くんはキスマークを付けたがる。見えるところはダメって言うのに首元につけたがるから、いつも私は困っている。どうやらドラマか何かでキスマークというものを知って調べたらしい。
どうしてそんなに付けたいのと聞いたら「君は私のもの、という印」なんて独占欲を出してきて、満足気に言う彼を見ると何も言えなかった。
せめて見えないところにしてねと言うと承諾してくれたが、見えないところであればいつでもどこでもつけて良いわけではないのに、たくさん付けては嬉しそうに抱きしめてくる。そんな彼が愛おしくて仕方なかった。
「凪砂くん、キスマーク上手になってきたね」
「……うん。慣れかな」
最初はなかなか跡が残らず、頑張っているのを見て可愛いと思っていたのに、今では余裕な表情でキスマークをつける凪砂くんにドキドキする。
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