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    ぽへ猫

    @pohe96neko

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    ぽへ猫

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    ・よへ誕生日のSS
    ・素人妄想ネタ
    ・駄作&設定は捏造です、話長くなりました
    (なんでも許せる人向け)
    #ナワーブ・サベダー生誕祭2023

    #ナワーブ・サベダー誕生祭2023

    今の居場所、昔の想い『ナワーブさん、当日は試合は禁止なの!』

    庭師、エマにそう言われたのが7月20日。
    その当日、本日7月23日は俺の誕生日。

    エマに言われた通り、今日の予定に試合はない。
    エマを本気で怒らせると後が怖いからな、色々と


    試合の予定は入れていない
    入れていないのに、何故か俺は
    占い師、イライ・クラーク
    骨董商、戚十一(チー・シーイー)
    「囚人」ルカ・バルサー
    「少女」
    夜の番人、イタカ
    オペラ歌手、サングリア
    以上6名と共に月の河公園でマップ探索と軽いチェイス練習をさせられていた。


    なんでこんな事になってんだ?

    「そう言いながらも案内やコツとか教えてるあたり、やっぱりナワーブは優しい人だよね」

    「……勝手に人の思考を覗くな、イライ」


    優しいも何も、お願いされたら断る理由はないだろ

    それに、新人ハンター2人の事は
    もっと知りたいと思っていたので
    ちょうど良かったところだ。

    ただ何故このメンバーなのか、、、

    「私は自主的に着いて来たんだよ
    チェイスがそんなに得意では無いからね」

    額に汗を滲ませなが
    軽いチェイス練習を終えたルカが話に入ってきた

    「ワタシも、もっと、強くなりたいから」
    息ひとつ乱れてない戚。
    さすが粘着職。

    「…君はそれ以上厄介な存在になるつもりなの?
    ハンター側としては最悪なんだけど」

    仮面越しからでも伝わる嫌そうな声で
    骨董商に問いかけるイタカ。
    心なしか、フードの耳が下がって見える。


    「イタカお兄ちゃん、どこか痛いの?
    なでなでしてあげようか?」

    荘園で1番幼い「少女」が
    夜の番人のマントの端をひっぱりながら
    問いかけている

    「どこも痛くないから、いらないよ」


    気だるげに少女に相槌をうつイタカ
    それに対して頬を膨らませ拗ねる少女。

    「やれやれ、ほら抱っこしてやるから機嫌直せよ」

    慣れた口調と手つきで少女を軽々と抱っこする
    ナワーブ

    「傭兵さんは、子供の扱いがお上手なのですね」

    マップ探索を終えたオペラ歌手、サングリアが
    合流してきた。

    荘園に来たばかりの彼女は
    全員の名前を覚えきれておらず
    皆のことを役職名で呼んでいる。

    「まぁな、兄弟がいたから
    子供の世話は割と得意なんだ」

    母親を、少しでも楽させたくて
    率先してチビ達の面倒を見てきたナワーブ

    いつの間にか世話スキルが身につき
    それはこの荘園生活でも発揮させていた。
    鋭い目付きが怖い印象を与えるが
    打ち解けてしまえば誰よりも仲間思いなナワーブ。

    試合では身を呈して仲間を守り
    分からない事があれば教えてくれ
    敵であれ、練習や試合での相談をされれば
    真剣に付き合って教えてくれる。

    ナワーブ・サベダーとは、そうゆう男だった。


    「さて、そろそろ帰ろうか」
    「賛成だ、徹夜明けで来たからもぅ走れないよ」
    「わたし、お腹すいたー!」
    「もっと練習、したかったわネ」
    「もぅ君は大人しくしてて、、、」

    イライの一声で館へと帰ることとなった。

    確かに腹減ったなと
    少女を抱き抱えたまま歩き出すナワーブ

    すると少女は
    たまには肩車がいいとせがんできた

    へいへい、と適当に相槌をうちながら
    腕に抱えていた少女を
    そのまま頭の後ろにもっていき肩車する


    抱っこよりも高ーい!!
    と、キャッキャとはしゃぐ少女。


    和気あいあいと他愛ないはなしをしながら
    居館へと歩く一行。


    門をくぐった所で
    いきなり目の前が暗くなった。

    「えいっ」

    どうやら「少女」が目隠しをしたらしい。

    「こーら、前が見えないだろ?
    危ないからやめるんだ」


    「危なくないもんっ!」

    中々手を離してくれない少女。
    館はすぐそこなのに、これじゃあ歩けない。

    目隠しをされたまま仁王立ちしていると、、、


    「それじゃあ私たちで先導してやろうじゃないか」
    「いい考えだね」
    そう言って左右の手をイライ、ルカに握られる。

    仕方ないか、とゆっくり1歩ずつ進んでいく。


    「そのまま真っ直ぐだよ!
    あっ、小石があるから気をつけてお兄ちゃん!」

    気をつけたいが、見えないんだよなぁ
    そう思っていると
    カツンッ
    と、小石が弾かれる音が聞こえた。


    骨董商が自身の簫(しょう)で小石を排除してくれていた。

    「サンキューな、威」
    「このくらい、問題ないネ」

    いつもなら1分もかからない距離を
    今日だけは倍以上の時間をかけて進む。

    「ナワーブ、次の右足の1歩で段差があるから
    気をつけてね」

    おそらく扉前の段差だろう。

    つま先でどこに段差があるのかを確認し
    慎重に足を運ぶ。

    そうしてやっと、館の扉の前まできた、はずだ。


    「お兄ちゃんすごーい!」

    「そりゃどうも、ほら着いたんだから
    そろそろ手をどけてくれないか?」

    「まだだよ」
    顔は見えないが、おそらくとびきりの笑顔で
    言ったであろ「まだ」の言葉に疑問符が頭を埋め尽くす。


    「クスッ、じゃあ中までエスコートしなくちゃね」
    そう言って扉を開けるイライ。

    「さぁ、進みたまへナワーブ」
    歩みを促すルカ。

    「少女」のわがままに付き合ってるはすだが
    どこか楽しそうな気配がするのは
    気のせいだろうか?

    やれやれといった感じで再び歩き始めるナワーブ。

    館内に入ったあたりで突然後ろから声が響いた。

    「Tanti 〜〜auguri 〜〜a te」

    透き通った、良く響きのびる声
    そしてどこからともなくピアノ、バイオリンの
    伴奏まで聞こえてきた。



    「Tanti auguri a te〜🎶〜Tanti auguri a te〜
    Tanti auguri a naib〜🎶〜Tanti auguri a te〜」


    サングリアの声だ。
    言葉は分からない、が
    曲のメロディだけは分かる。


    誰もが知ってるメロディ

    「ふふ、ナワーブお兄ちゃん、お誕生日っ」

    次のセリフが来る前に、少女の手が目から離れる。
    眩しさに目がくらむが
    同時に沢山の仲間の声が聞こえてきた。

    「「「「おめでとうっ!!」」」」

    パァーン、パァーンッ!!

    誕生日曲に混じり、クラッカーの音が響く。

    眩しさに慣れた視界に飛び込んで来たのは
    色鮮やかな飾りと
    ご馳走と活気に溢れた部屋だった。


    部屋の奥のピアノを作曲家が弾き
    ヴァイオリ二ストとリッパーがヴァイオリンを弾いている。


    クラッカーの飾り紙を頭にのっけたまま
    呆けていると
    「驚いた?お兄ちゃん」

    肩車していた少女が顔を覗き込んで問てきた。

    「動かないまま呆けている所をみると、
    サプライズは成功のようだな」

    「皆、お疲れ様なの!
    サプライズ大成功なの!」

    部屋の中から手を振りながらエマが駆け寄ってきた。

    「……エマ、お前のしわざか」

    えっへん!と、ピースをしながら胸を張るエマ。
    違う、褒めてない。


    「このくらいしないと、、、君は驚いてくれないだろ?ナワーブ」

    少女をおろしながらイライが言う。
    だからって、何もここまでしなくても、、、

    「あのさ、早く中に入ってくんないかな?
    僕もうお腹すいたんだけど」


    扉の外で待ってた(正しくは入らなかった)
    イタカが痺れを切らせて割って入ってくる。


    「あ、あぁすまん」

    「さぁさぁ今日の主役はテーブルに行くなの!」

    エマに背中を押されて
    どデカいケーキの前に座らされる。
    5段ある誕生日ケーキとか聞いた事ないぞ。


    「ちなみにこのケーキは誰が作ったんだ?」

    「お料理衣装持ってる
    ホセさんマイクさんリッパーさんと、
    美智子さんとアンさん、キーガンさんなの!」


    この荘園の七不思議のひとつ
    衣装によって性格や趣向が変わる
    それを利用したらしい。

    「味はちゃんと保証しますよ?」
    ヴァイオリンを弾きながらリッパーが近づいて来た。
    「この私がmgまで、正確に計ったのですから
    間違いなんてありません」

    「心配しなくても、おかわりも沢山ありますからね」

    「けど、流石に5段ケーキ作るんわ、疲れましたわぁ」


    敵であるハンター達まで協力してくれたのか。
    試合外では、仲のいいこの館の現住人達。

    いずれ
    別れがくるかも知れないのに、、、
    こんなに仲良くして、情を湧かせて
    良いのもだろうかと
    時々考える事がある。

    もっとも、ここから生きて帰れる保証の方が
    無いに等しいのだけれども


    それでも皆、少なからずここから出たら……と、
    考えた事はあるはずだ。

    ナワーブ自身も考えたことはある。

    置いてきた家族に、母に、兄弟に会いたい。
    家族の為に金になる傭兵になったんだ。

    その感情はごく当たり前である。



    当たり前なのだか、
    今この目の前の出来事を思うと
    複雑な気持ちにもなる。

    家族に会いに帰りたいが
    新しく出来た「家族」とも離れたくない


    そんな新しい感情が芽生えていた。


    中々ケーキに手をつけないナワーブを
    心配そうに見ていた美智子達。


    すると厨房からホセがやって来て
    大皿をドンッ
    とナワーブの目の前に置いた。

    これまたどデカい肉がのっていた。

    「やぁすまないね!焼くのに時間がかかってしまったよ!
    さぁナワーブ、今日は君の誕生日のお祝い会だ
    皆で楽しくはしゃごうじゃないか!!」


    そう言ってグラスをナワーブに渡し葡萄酒を注ぐ。



    そうだ、皆俺の為に時間をかけて用意してくれたんだ。
    辛気臭い顔してる場合じゃない。


    渡されたグラスを掲げ
    「っ皆、サンキューな!!ありがとう乾杯!!」

    「「「乾杯ーーーーー!!!」」」

    いつの間にかグラスを持ってた皆。
    ちゃっかりしてるぜ。


    上手い料理に
    最高の仲間たち。


    せめてここで暮らしてる間は
    ここが俺の居場所で、帰る場所。

    そしてここにいる仲間たちが俺の家族だ。


    改めて、大事なものを確認したナワーブ。

    誕生日の宴会は夜遅くまで続いた。











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