スーツスーツ
伊地知を俵のように担いで高専の廊下を歩いていく五条をすれ違う術師や補助監督たちが一歩引いて見送る、そんな視線を気にして肩の上で暴れる伊地知の尻を叩くといっ、と呻いて大人しくなるが五条さんと連呼は止まらない。
黒いスーツでわからなかったがよく見るとあちこちが切り刻まれていてボロボロで所々血が滲んでいた。
「五条さん!」
「なに?」
何度目かの叫びに漸く反応を示すと、
「下ろしてください動けます」
「嫌だねこんな伊地知を他人に見せたくないから部屋に急ぐよ」
見せたくないってこんな目にあうの今日が初めてじゃないですし、と足をバタつかせてなんとか解放してもらおうとするがガッチリ腰を捕まれて体力を無駄に消費していることに気が付いていない。
「こんな目に合わせたくないんだよ!」
ピリッとする棘に身体が強ばるが、
「そんなの無理に決まってるでしょ」
わかってる、除祓が簡単なことでは無いことも同行する補助監督を専任に出来ないのも全てわかってるけど、伊地知が僕の見てない所で怪我させられるの耐えられないんだよ!
伊地知は僕の我儘だっていうけどさ。
「はぁ、大人しくしてよ」
「五条さんが悪いんです!」
延々と続く言い争いだったが五条の部屋の前に到着した時には諦めたのか黙ってダラりとしている伊地知に、
「生きてる?」
「心臓は動いてます」
ははっなにそれ冷たいなぁと文句をつけると
こんな格好させられて怒ってますからと少しばかりくぐもった声が背中から聞こえてまた笑ってしまう。
「機嫌直してよ僕も悪かったと思ってる」
そう伝えてそっと伊地知を肩から下ろしてやると安心したのかよろめいて五条にもたれかかって心配かけさせてすみませんでした、と謝る伊地知の頭を撫でてうんでも無事だったから良かったと告げる。
「で、この姿をなんとかしないと」
「替えのスーツはロッカーにありますから」
シャツとかはここにも置いているし問題ないねと言うと再び伊地知を抱き抱える。
「え?ちょ」
「全部綺麗にしてあげる」
行先は風呂場。
「いっ」
「やっぱり染みる?」
ザアザアと伊地知の頭上から降り注ぐシャワーがスーツに染み込んでいくのと布を伝い足元に流れ出すお湯は血液混じりその光景が艶めかしく五条の目に映る。
「服脱がせて、んっ」
言葉を遮る深いキスにクラクラする、んっはっと角度を変えて貪りあうキスに兆し始めるペニス。
シャワーを浴び続けるスーツが濡れ羽色になるとようやく上着を脱がされ張り付いたワイシャツ姿にさせられペニス同様透けた乳首もピンと張り詰めて妖しく誘う。
「エッチな乳首」
シャツの上からジュッと吸い付いて片方の指でカリカリと引っかいてやると弓なりなってそこばっかりやめてと喘ぎが漏れだす。
「次はどこを触って欲しい?」
乳首を愛撫している間両足をモジモジ擦り合わせているのをわざと放置していた五条が意地悪く聞く、
「もう、我慢出来ない、ここに」
五条の手を掴んで自分の股間に挟んで窄まりに指が当たるように誘導させる。
「いやらしい子」
スラックスの上からぐっぐっと刺激を与えてやると恍惚した表情で、
「んっ直接触ってくださいごじょぉさん」
「我慢の限界だったし脱がすよ」
体制を壁に手を着くように反転させて固定
ベルトを外しスラックスとパンツをどうにか下ろすと日に焼けてない白肌に水の粒が弾けて落ちていく。
置いてあったローションを手に取って垂らす水とローションが卑猥さを醸し出す。
窄まりの周りを丁寧に解し終わるとつぷりと指を挿入させるとはぁん、と声が上がる。
抜き差しを繰り返しているとぷくりとした前立腺に当たる、ここ気持ちいいところでしょとグッと圧迫すると立ち上がっていたペニスから精液が迸る。
「あっ、はっんっ」
肩で息をする伊地知が振り返っておちんちん挿入てくださいお願いします、奥まで突いてくださいと尻を広げて誘う。
「誘い方どこで覚えたの」
「んっ、五条さんに気持ちよくなって欲しくてその」誘い文句を調べて...
もう!そんな所まで勉強熱心にならないでよ
恥ずかしくなるじゃん!
だって、私ばっかり気持ちよくなってばかりなので五条さんもなって欲しいから。
伊地知が気持ちいいのと僕が気持ちいいのは同じなんだよ、幸せ感じてるから大丈夫。
「でもさ、折角のお誘いは遠慮はしないから覚悟してね」
「はひっ」
ん♡おっ♡らめぇ~♡
どちゅどちゅといやらしい水音と肌のぶつかる音。
お♡うぐっ♡イッてりゅ、かっ、はぁん♡
気持ちいいね伊地知~もっと頑張ってほら!
伊地知が覚えているのここまで。
ぐったりどした伊地知を抱いてベットに寝かせて身体を確認すると任務での切り傷に加えて歯型と鬱血痕。
「やりすぎたなこれ、硝子に治療してもらうつもりだったけどしてくれないね」
治療法聞いてくるか、と部屋を出ていった五条なのであった。