無題「サンズ、じぶんと結婚してください。」
引っ掛かったものの正体を掴もうとして顔を傾けたとき、もっちりとした顔にそう言われたのは突然のことだった。
「……あー……」
目を泳がせてからふとこどもの手を見ると、服の端が固く握り込まれていた。あぁ、これか。と納得してから、子供の指を優しく解かせて、「あぶないから突然掴むのはやめてくれよ」と頭を撫でる。
「結婚しよう」
「聞こえてるって」
フリスクは鈴がなるような、しかし強かに声を上げ、バッと突然腕を持ち上げた。その剣幕に押されて、その手に握られたものとフリスクの顔と見比べる。
サンズは服を整えてから、差し出されたクローバーを受け取った。まじまじと眺めて、そしてその視線をフリスクに移す。
2047