「なぁ。今日は2人で出かけようって言ってたよな」
「そうだな。なにか不満か」
「でっ、デート……って言ってたじゃん」
「うん。デートだよ」
「いやどこがっ!!?めちゃくちゃファミリー御用達モールじゃん!全然デート感ねえじゃん!」
「えー?楽しくないかショッピングモール。飯も食えるし買い物もできる、映画だって見れるんだぞ」
「そりゃ、そうだけど…(でもこれじゃ家族と変わんねえじゃん)」
「それに良守はまだ中学生だし、年相応な場所っていったらここしかないと思って」
「バカにしてんのか」
「あっはは」
「バカにしてんのか!???」
「違う、そうじゃない。年相応ってのは大事なんだよ?今しか出来ない今だけの思い出ってやつは大切にした方がいい」
「妙な兄心働かせんのやめてくれよ」
「兄心…なのかな」
「ちげーの?」
「ま、良守がもっと大人になったらそれ相応のところに連れて行きますよ」
「大人…」
「だから今日はショッピングモールで勘弁な」
「あっそ。じゃあそれはわかったけど」
「なんだよ。まだなんか不満あんの」
「いや。そこまで考えてくれたんなら何で着物で来た…?」
「えっ」
「年相応を楽しむんだろ?それでショッピングモールなんだろ?ならなぜ着物で来た…!周りみてみろ!めちゃくちゃ悪目立ちしてんだろーが!!視線が痛い!」
「……ごめんね?」
「ごめんで済むなら警察はいらねーんだよ」
「つい癖で」
「どんな癖だ!!」
「だってほら俺、しおりに私服集合って書いてあったら着物で行っちゃうタイプの子供だったからさ」
「大嘘をつけ!!てめぇ祭Tシャツで恥ずかしげもなく行ってただろ!!」
「いや、流石にあのTシャツでは行ってないかな」
「ってことは、ちゃんとまともなやつ選んでたんかい!なら今日も無難なの選ばんかい!」
「そう言われても。俺なりに1番カジュアルでいい感じのやつ選んできたんだけどな」
「それはありがとう!もういい!知らん!俺は来たからには楽しむ!!」
「そう来なくちゃね」
「もちろん兄貴の財布で!!」
「それは…程々に頼む」
このあとめちゃくちゃフードコートで飯食ってクレープ食べて映画見た