未定とある施設内、緑色の長髪をゆらゆらさせながら、1人の男が“仕事場“へ向かって歩いていた。
「巻島、ちょっといいか。」
巻島と呼ばれたその男は足を止め、声の主の方へと視線を向ける。
「なんショ、金城。」
そこには金城と呼ばれた眼鏡をかけた坊主頭の男と、これまた眼鏡をかけた小柄な見知らぬ少年が立っていた。
「彼は新人の小野田。昨日研修を終え、本日から現場へ出ることになった。今日1日行動を共にしてくれ。」
「お、小野田坂道といいます!ほほ本日は、よろしくお願いします!」
小野田と名乗った少年は酷く緊張した様子で、小柄な体が更に小さく見える。
「あー...小野田、くん。巻島だ。よろしくショ。」
「は、はいっ!よろしくお願いしますっ!!」
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