さよならは本当になった2 暖かな日差し、温かな人たち。そして綺麗な海。東京にいるとなかなか味わえない空気は最高で移住するのもありかなと思ってしまう。
あの日、悟たちと別れてから硝子から一度連絡が来ただけで悟からは未だに何もない。新聞やテレビに露出することもなくなって、少し心配になって事務所へ連絡しようとしたがやめた。何を考えているかはわからないが、悟の邪魔をするべきではないだろう。
そう思いながらいつものように車に乗って買い物へ出掛けて家へ戻ると数ヶ月は離れていた筈なのに、やけに見慣れたと感じる白く輝いている髪と同じように輝く瞳をサングラスで隠した元相方の姿があった。
「見つかるのはもう少し先だと思っていたんだけど」
「傑がここに住んだ日から知ってるっての。帰るぞ」
798