丘を下りたら 最終話の別バージョン***別バージョン***
「あの、兵士長」
「なんだ」
「えぇと、リアクションに困るのですが」
正直この後どうしたらいいものか分からない。
「なら、さっさと済ますか。ミカサ、エレンはいない」
先ほどまでの穏やかな表情とは違い、真剣そのもの、調査兵団の「リヴァイ兵士長」そのものの顔。どきどきと音を立てていた心臓が一気に停止した。エレンがいない、とは…?
「誰もエレンの姿を見ていないらしい。だが、俺とお前はあの丘でエレンを感じていた。推測に過ぎないが、エレンはあの丘か、またはまだあの世界にいるんじゃないか」
「じゃあ、エレンにはもう二度と」
「分からねぇ。俺やお前と違って、あいつは『普通』の状態で死んだわけじゃない。何が起こっているのか、何が起こっていても、おかしくはねぇ」
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