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    sakuranko55

    @sakuranko55

    サークル「さくらんこ」
    創作BL「あなたのタマシイいただきます!」公開中です!
    小説 いるかとう
    イラスト ろめの

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    sakuranko55

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    左千夫誕生日ENDです。那由多の苦難は続きます。笑


    あなたまは次はたつなゆカップルが動きます!⁉︎
    ポイピクは暫く過去編予定。

    ##くきさち
    ##左千夫誕生日
    #あなたま
    you
    #創作BL
    creationOfBl
    #BL小説
    blNovel
    #らぶらぶ
    dizzy
    #一途
    earnest

    左千夫誕生日 2ー⑤END∞∞ nayuta side ∞∞

    来てしまった。とうとう来てしまった。
    マスターの誕生日が……!!
    昔、安物のお菓子を買って渡した記憶はある。マスターはそんなものでも喜んでくれていたがあれから時は流れた。
    マスターは喫茶【シロフクロウ】を経営し、お茶もお菓子も自らで揃え、しかも食も更に細くなって、もう思い付く限り渡せるものはない……ッ!
    晴生に聞いたら「千星さんに祝われるだけで十分ッスよ!俺も物は用意しないッス!」って言われて、そんなもんかとも思ったが、誕生日会当日になった今日、剣成によると二人で喫茶【シロフクロウ】の新メニューのレシピを考案してそれを発表するらしい。と、なるとそれを作るのは巽である。……自動的に俺だけなにもしない事になる。
    やっぱりせめてお菓子だけでも買って来ようと思ったときに宅配便が届いた。井上竜司いのうえ りゅうじ と言う名義で送られてきた箱はシロフクロウの1階を埋め尽くす程の量だった。

    「あれ〜、いのっちからじゃん。ナニナニ〜、〝神功さんお誕生日おめでとうございます。食べきれない分はお客さんへのサービスに使ってください〟だって、流石ボクの部下だネ〜気が利いてる!」

    九鬼オーナーが一緒に送られてきたメッセージカードを読み上げていた。井上さんは確かオーナーの世話係だった気がする。そして、送られてきた段ボール箱にはたくさんの花束と色々なメーカーのいろんな種類のお菓子が詰まっていた。もう俺がどのメーカーのお菓子を買ってこようがダブルし霞む。いや、誕生日は気持ちの問題である。金額や量ではない……!と、自分に言い聞かせてみるがやはり説得力が無い。
    悩みながら誕生日パーティの飾り付けをしていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。もう、残る手段はアレしかない。
    井上さんから届けられた花束のおかげで、喫茶【シロフクロウ】の1階が更に豪華になった。そして誕生日会の開始10分前にまず九鬼オーナーが玄関に向かって、そしてそれにつられるように他のキャストが玄関に向かい始めて首を傾げたときオーナーから声がかかった。
    「なゆゆ〜、ほらはやく!左千夫クン来るヨ!」
    どうやら全員マスターの気配を感じて動き出したようで、そんなものがわからない俺は慌ててクラッカーを片手に玄関の扉の側に向かった。と、言ってもだ。俺は気配の消し方とか分かんないし、マスターの気配を感じれるって事はマスターも俺達の気配は感じる訳で……待ち構えている俺達を他所に中々扉は開かなかった。

    「もうちょっとカナー…………あ、来るヨ、3…2……」

    それでもジッと待っているとマスターの方が諦めたようで扉のノブが動くと同時に九鬼オーナーが号令をかける。一般人相手には無いよくわからない駆け引きに俺は従うしか無いわけで、グッと大きめのクラッカーの紐を握った。

    「………1、……せーの!」

    「左千夫クン、お誕生日オメデトウ!
    マスター、お誕生日おめでとうございます!」

    九鬼オーナーお手製のクラッカーは激しく音を立てると同時にカラーテープではなく花弁が舞った。マスターは少しだけ目を丸くしたけどその後はいつもよりゆったりと柔らかい笑みを唇へと浮かべていた。

    「有難うございます」

    マスターはいつも笑っているけど今日はいつもよりも嬉しそうに見えた。整った笑顔を見つめていると、バサバサと梟らしからぬ羽根音を立てて、白梟のアンドロイド、ラケダイモンが唄いながら飛んできてマスターの掲げた腕に乗った。そして頭に乗せていたロウソクを消せと言わんばかりにマスターに近づけるのでマスターはふぅ…と息を吹きかけて消していた。

    〝ハッピバースデー、サチオ〜♪ハッピバースデー、サチオ〜♪〟
    「ラケ……?歌えるようになったんですね」
    「歌えるどころか、喫茶店業務もなゆゆよりも出来るヨ!」
    「へ!?オーナー、それは言いすぎです!」
    「え?でもほら、この前の左千夫くんが休んでた日テキパキ動いてたでショ?」
    「休んでた日?……連絡グループには休むって入ってましたけどマスター居ましたよね……?」
    「……いいえ?」
    「はぁ!?居ただろ!千星さんに嘘吐くんじゃねぇよ!」
    「あー……そういう事な。違和感は感じてたんだけどよ…」
    「ラケちゃんが有能だから騙されてたね」

    一日だけマスターが喫茶【シロフクロウ】を休むと連絡してきた事があった。だけど俺が行ったときにはマスターは普通に業務をしていたので来れるようになったと思い込んでいたが、マスターの話によればあれは白梟のラケダイモンが幻術により、マスターの姿に見えていただけだったようだ。マスター的には喫茶店業務までやらせようとした訳ではなく、マスコット的に不在をカモフラージュする予定だったようだがラケダイモンは接客も見事すぎて俺達が騙されるほどだった。ラケは相変わらず歌を歌いながらマスターの肩にとまっていたがそのマスターをオーナーが引っ張っていく。

    「この色とりどりの花とお菓子はいのっちからネ〜、そんでもって〜」
    「はんっ、仕方ねぇから夏の期間限定メニューはもう考えてやったぜ!テーマ〝海の青〟!千星さんのカラーだぜ!!」

    そこはマスターのカラーで攻めるべきだろうっ!と内心つっこんだが晴生はそういう点においては言う事を聞かないので肩を落とした。マスターが連れて行かれたテーブルの上にはトルコ石の青色に近いカレーや麺類のスープが青いもの、青く透き通った紅茶、そして、宝石のような四角い形をした青いケーキが並んでいた。俺のカラーだと言うことを差し置いてもとても夏らしい凝ったメニューが並んでいた。マスターは品定めするように注意深く見つめた後、取皿に分けてから1品ずつ口にしていく。

    「カレーは見た目のインパクトはありますが味にあまり深みがありませんね、改良が必要かと。このラーメンはいいですね、トッピングをもう少し考え直せば夏のメニューにこのまま出せますね…後、こっちの───」

    晴生も晴生だけど、マスターもマスターだ。誕生日プレゼントと称されて渡されたメニューをきっちり評価して、誕生日会が一気に品評会になってしまった。ダメ出しされた部分に関しては晴生は図星だったのか反論せずに怒りに震えてるし、その横で剣成も分かっていた様子で頬を指先で掻いていた。作った巽の表情は変わらないので何を思っているかは分からない。
    そしてご飯系を食べたあと、最後に残ったスクエア型の青い宝石のようなケーキを一口食べた。

    「───!これは、完璧ですね……。美味しいです。青はどうしても食欲を減退させますがこれだけ美味しければ問題無いと思います。このままいきましょう」

    吐息を零すように美味しいと告げて微笑む様は映画のワンシーンを見ているようだった。俺まで息を溢してしまうほどマスターは柔らかく笑んで俺達を見つめていた。そしてそのまま皆で食べて、ああでもない、こうでもないと、誕生日会では無く、喫茶【シロフクロウ】の新メニュー開発会議になってしまったのは言うまでもない。
    机の上の料理が全て無くなった頃、他のキャストは片付けやら、レシピの記載をしている中、マスターは少し離れたところで井上竜司いのうえ りゅうじ さんから届いた花やお菓子を見ていたので俺はそっと近付いた。近づいて行くにつれて気付いたことだけど、なんかマスターが若返った気がする。いつも肌はキレイなんだけど、今日は髪の先から足の先まで更に洗練されている気がしてボーッと見つめてしまう。そうするとマスターの方が視線に敏感なので困ったように俺を見詰めてきた。

    「何か変な所がありますか?」
    「い、いえ……!な、なんか、なんて言うか、マスターが若返ったような?……歳を取っているとかそういう訳じゃないんですが…ッ!」
    「嗚呼……九鬼のせい、……いえ、おかげですかね」

    俺が両手を出して目の前で横に振っている姿を見つめてから、マスターは自分の三つ編みを触り毛先を見詰めていた。
    てか、九鬼オーナーにも中国から帰って来てすぐに何あげるか聞いたときは「今年はなにも貰ってくれそうにないカナ」とか言ってて元気も無かったので喧嘩でもしたのかと心配したんだけど杞憂に終わったようだ。絶っったいお高い化粧品とか渡したやつだ。
    毎度財力の違いを見せつけられて肩を落としたが本題はそこではない。俺が視線を逸らさないのでマスターは俺を見詰めたままなので更に一歩近寄るとマスターに封筒を差し出した。

    「え……と、マスターに何渡していいかわかないまま誕生日会が来たので、その、あの……!!つまらないものですがどうぞ……ッ!」
    「……開けていいですか?」
    「え、あ、はい!」

    何となくこの場で開けられるのは気乗りしなかったが帰ってから一人で楽しめるような大層なものでもないので頷くしかなかった。色気のない茶色の封筒から少し分厚めの紙をマスターは取り出した。そこには〝お手伝い券〟と書かれた紙が綴られているわけで。小学生が親にやるような誕生日プレゼントなんだけど、こんなもの何でも出来るマスターが必要な筈ないのもわかっているのだが身を削る以外のプレゼントが思い浮かばなかった。

    「……那由多くん有難うございます」
    「い、いえ、なんか、こっちこそ、すいません。必要ないですよね……」
    「いえ、大切に使わせて貰いますね。僕は君の字が好きなのでかなり得点の高いプレゼントですよ」

    そう言って笑ったマスターの笑顔はとても静かだった。気を使って笑ってくれたのかとも思ったけど想像以上に自然に嬉しそうに笑っていて渡してよかったんだとホッと胸を撫で下ろした。するとどこからかひょっこりと現れたオーナーがマスターから封筒を取り上げた。

    「え?ナニナニ〜お手伝い券?なゆゆ、小学生じゃないんだからどうせ作るならもっと豪勢なので作りなよ!下僕になりますよ券とか、パトロン券とか♪」
    「オーナーは見ないでください……ッ!」
    「え〜ケチ!ボクも左千夫クンから一枚貰ってなゆゆこきつかおうかナ〜」
    「絶っったい嫌ですからね!オーナーの手伝いはしません……ッ!」
    「九鬼、此れは僕のものですからあげませんよ。それに、僕は人目を惹きながらや全く誰にも知られずの潜入は得意ですが中々那由多くんのように紛れる潜入は難しいんですよね」

    九鬼オーナーが来て話がややこしくなったが更にマスターがややこしい事を言い始めた。俺的には喫茶【シロフクロウ】についての手伝いをするはずだったんだけど。
    オーナーが取り上げた〝お手伝い券〟をマスターが奪い返して顎に手を起きながらなにか思案していた。

    「忙しくなりそうですね。次はおとり捜査にしましょうかね?」

    そう言って綺麗にマスターは笑っていたけど俺は嫌な予感しかしなかった。頭に巡るのは地下闘技場での乱交と性感マッサージ店への潜入捜査だった。もしかして、とんでもないものを渡してしまったかもしれないと思ったが既に後の祭りだ。喫茶【シロフクロウ】は夏の準備に向けて忙しく動き始めた。


    END

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    sakuranko55

    PROGRESS【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ⑤

    残りはアルファポリスで上げることにします!
    11月中はBL小説大賞に集中しますのでよろしくお願いします。
    九鬼が変態じゃないバトルはないです。笑
    【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ⑤「ねぇー、イロハちゃん。どれだけ姿を消してもニオイを消さないと〜。怖い怖い〜♡ってあまーいニオイがクッサイんだよネ〜」
    「ヒィッ!やめっ……!」
    「この髪って黒く出来るの?あーでも、水色のままでもいっか〜、顔だけ見てたら一緒だし、色違いもアリだね!」
    「い、いだあぁぁあっ、髪っ、引っ張るでなぁっ!」
    「はぁ……♡声が違うのがちょっとアレだけど、やっぱりイイヨ、イロハちゃん、その顔が歪むの最ッッッッ高!今までは黒い髪の赤い瞳の子をたくさーぁん殺してきたけど、顔が似てて色が違うっていうのもまたイイナァ……」
    「ひっ………ぅっ!?」

    逃げる間もなく伸びてきたてがイロハの首を掴んで地面へと抑え向けた。そのまま喉を押しつぶし、九鬼の指に力が入るとともに首が閉まっていく。イロハは色々な能力を有しているのに目の前の男に与えられる恐怖に屈服し、それ以上は能力が切り替わらなかった。喉を押し潰している手を必死に引っ掻いて、引っ張って足をばたつかせるがびくともせず視界が霞んでいく。
    1762

    sakuranko55

    PROGRESS【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ③
    神功VS薬師河の続き!
    アルファポリスでも

    ■巽×那由多
    【俺のこと愛してる幼馴染が彼女持ちだった件聞く?】
    ■九鬼×左千夫
    【美麗な彼氏の男の潮吹き講座(R18+)】更新中!
    【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ③「…………交渉決裂ですね、仕方がありません。
    それでは僕の用事が終わるまで眠っていてください」
    「左千夫こそ、ゆっくりしていってよ。悪い様にはしないからさ」

    静かだが殺気を含んだ言の葉が交わされた後二人の姿が消える。目にも止まらぬ速さで動いた二人の衝突音が所々で轟き、空間を震わせた。
    神功はリーチの長さを活かして槍を何度も突き出す。油断すれば蜂の巣にされそうなほど的確な急所狙いを薬師河は掌と膝から下を使って器用に受け止めた。神功は一際大きく後ろに肘を引くと小細工なく真っ直ぐに槍を突き出した。すると薬師河は槍の柄の部分を掌で滑らせて減速させ、足裏を前に突き出すようにして矛先を真っ向から受け止めた。
    〝ガギンッッ〟と鈍い金属音が響きわたって神功が眉を顰める。そのまま、ぐぐぐぐぐッと押し込もうとするが脚力と腕力の違いから押し切る事は出来ず。また、靭やかな優男の割には薬師河のウエイトは重く、ちょっとやそっとでは動く事は無かった。神功が薬師河の瞳から貫通した靴底の更に奥を見つめる。衝突で靴底は無惨にも穴が空いてしまったがその奥の足の指の付け根の辺りに硬い鉱石がプロテクターのようにはめられていた。
    1939

    sakuranko55

    PROGRESS【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ②
    神功VS薬師河です。
    ろめと、やっくんやっくんと言ってるのはこの人の事!むかしの名前は〝サチオ〟です。
    九鬼とは三角関係?になるんですが、さっちんがやっくんのことサチオって言い出したらややこしくなるやつだなーと思いつつもうどうもできない!!笑
    【過去編】神功・九鬼VS薬師河・イロハ②「7193……いや、左千夫とこうやって手合わせするのはいつぶりかな」
    「……………ッ!?……それはッ」
    「あ、そういう意味で言ったんじゃないよ。
    僕を殺したことなんて、もう忘れてくれていいからね」
    「────────ッ!!」

    神功の脳裏に記憶が蘇る。
    神功は幾度と無く繰り返された実験により記憶が断片的に欠けているが。九鬼との幼少期の出会いを思い出した時に同じく薬師河悠都やくしがわ ゆうとのことも思い出していた。
    更に脳が刺激を受けた事により、当時は“サチオ”と名乗る少年とのでき事が今また鮮明に蘇っていく。神功は“サチオ”、今は薬師河悠都やくしがわ ゆうとと名乗る男を確かに殺した。自分が実験体であった頃、研究員のお遊び紛いの同士討ちの相手が彼であった。神功は自分の殺し合いの相手が薬師河と最後まで気づく事なく、突き出したナイフが彼の首を切り裂き、彼と気づいたときには既に亡骸であったのだ。
    1440

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    sakuranko55

    PROGRESS左千夫誕生日の表バージョン!(通常話)裏のどぎついのはファンボへ(笑)九鬼のシアワセの瞬間ー。九鬼は天真爛漫攻めだよね、と相方と言ってます!
    左千夫誕生日 2ー③〝ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ────〟

    左千夫くんの携帯のアラームの音で目が覚めた。
    そもそも彼はアラームの前に起きるのでアラームが鳴ることも珍しいし、そのアラームを鳴りっぱなしにすることも珍しい。アラームをオフにして寝起きの回らない頭で髪を掻いた。いつもなら無くなっている体温が今日はまだ横にあって、自然と抱き寄せて髪に顔を埋めてから気付いた。
    なんで横で寝たままなのかと………。
    起こさないように注意して顔を上げると横で左千夫くんは寝ていた。ただ、呼吸や心拍は最低限で体も少し冷たい。死にそうとかそういう訳では無いけど気絶している訳でもないのに寝ている事は珍しいのでマジマジと見てしまう。きっと、今ならセックスしても起きない。あわよくば最後まで出来るかもしれないけど、そんな事をしたら左千夫クンはもうボクの横では寝ることは無くなるだろう。そう考えると目先の欲よりも左千夫クンとの今の関係を大事にする事にした。今回やらなくてもずっと一緒に居るなら幾らでもチャンスはあると言うか、いつかは絶対ヤる。……ふにっと肉が殆ど無い頬をつついてみたがやっぱり起きなくて、ふにふにと控えめに感触を楽しんだ。そしてふと前から考えていた事を実行に移す事にした。左千夫クンを抱き上げると浴室に向かい、バスタブに抱き抱えながら入るとボクの能力で水を作っていく、その最中に小指に嵌っている指輪を鋭利な刃物に変えると腕を切り裂く。ブシュといい感じに血液が流れると水の中に紛れていきボクと左千夫くんを充たしていく。属性化の〝水〟の能力と〝創造〟の能力が相俟って左千夫くん全体を包み上げると肌理細やかな肌の細胞に水分が浸透していき彼の体内の細胞を全て新しいものへと作り変えて行く。アンチエイジングと言うべきか、抗酸化作用を強くすると言うべきか。細胞分裂のテロメアも気にしてボクが憶えている左千夫くんに戻していく。小さな傷も、少しの肌荒れも、髪の先のパサ付き、爪の薄皮さえも全て無くし、デトックスして行くと血色の良くなった唇に口付けた。
    1060

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