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    肴飯のポイ箱

    @sakana2015414

    pkmnでkbdnとか、kbnとdndがわちゃわちゃしてるような話を書いてます。時々ホラーなものをあげるのでそこだけ注意です。

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    肴飯のポイ箱

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    リクエスト「食べ物」
    食べ物とkbdnの組み合わせは私も大好きです☺️✨🍽🍎どちらが料理得意なのかな?とか、どんな食べ物好きかな?なんて考えているとあっという間に時間過ぎちゃいます😌
    ※結婚後2人が大分一緒に生活している設定

    #kbdn
    #キバダン

    やっぱり甘いね 青々とした街路樹はすっかり葉を落とし、冷たい風と共に本格的な冬が今年もやってきた。結婚してからとうに片手以上の年数を一緒の家で過ごし、互いの好きな事、苦手な事を知ることも熟知してきたこの頃。寒さが苦手なキバナは毎日気温計を見ては溜息を吐きながらジムへ出勤している。寒さが比較的平気なダンデは、毎朝少しだけ早めに起きてリビングのヒーターの電源を入れ、ナックルジムのユニフォームをヒーター前で温めるように置く事が習慣になっている。
    「うぅー。あったか…。」
     なんて大きな体を縮めながらヒーターの前を陣取って着替える姿が何だか可哀想だが可愛いとダンデは思っている。

     さて、二人が暮らす家を決める時、ダンデが日向ぼっこが好きなポケモン達の為にとリクエストして作ったヴィクトリアンモデルのコンサバトリーは、日差しが暖かい日は多角形の窓から惜しみなく太陽の光を招き入れてくれる。今日は繁忙期の中では珍しく二人揃っての休み。そしてこの時期には珍しく気温も高く、風もない。最高の日向ぼっこ日和ということで、日向ぼっこ好き代表であるリザードンは午前中のトレーニングが終わった後からはいそいそとコンサバトリーへと向かい、一番日当たりの良い場所にお気に入りのラグを引きぐっすりと眠っている。
     そして、その横には同じように大型ポケモンにも引けを取らないチョコレート色の大柄な体をのびのびと伸ばし、ウエストが緩めのルームウェアを纏ってぐっすりと眠っているキバナがいる。太陽から注がれる熱は、ふたりを優しく暖めている。余程気持ちが良いのか、どちらも柔らかな表情だ。
    「(好きなものと好きなものが並んでる姿は、いつ見ても良いな。)」
     ダンデはそんな幸せそうなふたりの姿を目の端に入れ、緩む口元を隠す事もせずに、コンサバトリー内に設置したラタンソファに座り、一人読書に勤しんでいた。静かな呼吸音と紙の擦れる音。庭先から時折聞こえる遊んでいるポケモン達の声だけが聞こえる室内はとても穏やかだ。

    暫くそうして読書を楽しんでいたダンデだが、キバナが二回寝返りを打ち、リザードンが腹這いからへそ天へと寝相を変える頃にパタリと本を閉じ、キッチンへと足を運ぶ。

    「ナナナ?」
    「おや、どうした。」
    最近生まれたばかりのナックラーがキッチン前の扉前でダンデの事を待ち侘びるように声をあげた。見た目よりもズッシリとしているその体をダンデはヒョイと抱え上げ、目線を合わせる。抱っこされた事に喜んでニコニコとするナックラーだが、直ぐにお腹から空腹を示す音を響かせて項垂れる。
    「そろそろオヤツの時間だって分かって待ってたのか?」
    そう優しく声をかけるダンデに対して大正解!とでもいうように元気いっぱい答えるナックラーの姿が可愛らしく、ダンデは破顔した。
     ナックラーを片方の腕に抱えたままキッチン奥の扉を開けて、パントリーへ入る。収納箱から食べ頃のきのみを見繕うと足元へ置いたくるぶしまでの高さがある、幅広の籐籠へと次々入れていく。好きなきのみでもあったのか、抱き抱えられたナックラーが期待を込めたように甘えた声を出す。クスリと笑いながらナックラーを一旦床に下ろし、籠を両手で抱え直す。
    「みんなにオヤツだって伝えてこような。」
    抱っこが終わってしまった事に寂しそうにしていたナックラーだったが、そこから続くオヤツという言葉を聞くと途端に満面の笑みとなりトコトコとご機嫌にダンデの後をついて庭先までやってきた。
     籐籠を見てポケモン達はすぐに喜色を浮かべて寄ってくる。ダンデはそんなポケモン達それぞれに平等にきのみが行き渡るように配り、まだ小さなポケモン達にはナイフで小さく割りながら食べさせる。ポケモン達は空腹が消えると、そこからは遊びを再開する子と昼寝をする子などに分かれて思い思いの時間を再び過ごすようだ。
     一仕事終えてキッチンからコンサバトリーへと戻ると、より暖かい陽射しを求めたのか、ふたりがさっきまで寝ていた場所から少し移動して、抱き合うように眠っていた。その様子を見ながらダンデは本の続きに目を通すのだった。

     パタリと本を閉じ、目線を上げるとふたりは先程よりもまた少し移動してきている。ラグを移動する時に眠気が勝ったのかぐちゃぐちゃになっており、少し狭くなったその上に折り重なるようにして転がっている。その姿を見てから壁掛け時計を見て、ダンデはまたキッチンへと歩き始めた。そろそろ自分達の小腹が空いてくる頃。先程と同じ様にパントリーへと入り、手に取ったのは小振りだが赤みが強い林檎を数個。手に持っただけで瑞々しい爽やかな香りが鼻をくすぐる。

    「「うん、やっぱり良い香りだ。良いパイになりそうだぜ。)」

    甘い物が好きなキバナの反応を想像して顔を綻ばせながら、ダンデは早速人間用のオヤツ作りに取り掛かるのだった。
     ざく切りにした林檎をバター、シナモンと一緒に小鍋で火を通していくと、瑞々しかった香りが、やがてトロリとした艶のある香りへと変化していく。白っぽかった見た目も濃い黄金色へと姿を変えた。ダンデはその香りの変化を楽しみながら、小皿へと一欠片林檎を移し味見をすると、途端に口いっぱい広がる甘酸っぱさとシナモンの香り。これだけ美味しければ後はレモン汁をサラリとひと回し入れてアップルフィリングの完成だ。
     では次に冷凍パイ生地の解凍をしよう、と鼻歌混じりにコンロから後ろを振り返るといつの間にか背後にミネラルウォーターのボトル片手にのっそりとキバナが立っておりダンデは思わず声を出して飛び上がる。
    「びっ、びっくりした…せめて何か一声かけてくれ。」
    「…それ、林檎?」
    「また寝ぼけて…。そうだぜ、味見するか?」
    「んー…。」
     小皿の上に林檎の欠片を乗せてやろうとコンロへまた振り返る前に、ダンデはグイッと首の後ろを暖かな手で押さえられ、そのままキバナから啄むようなキスをされた。
    「……甘い。美味しい。」
     突然の奇行に顔を真っ赤にしながらはくはくと声も出せずに驚いているダンデに向かって瞼をトロンと半分閉じながらそう呟いたキバナは、満足そうにキッチンを後にする。
    「…味見というか、つまみ食いされた気分だ。」
     この後フィリングの粗熱を取るために出した保冷剤を、全く熱が引かない自分の頬にも当てたことはダンデだけの秘密となった。

    「美味い!」
    「それは良かった。」
     少しずつ西陽が入り始めてきたコンサバトリー。日向ぼっこ同盟は気温が低くなると共に自然と解消となったようで、リザードンは現在リビングの給水機でのんびりと水分補給中だ。残ったキバナは、ダンデが持ってきた皿の上に置かれたアップルパイを見ると途端に目を輝かせて起き上がり、テーブルセットまでダンデの後ろをウキウキとついてきた。その姿が昼間に見たナックラーと重なり密かに笑う。
    「この林檎、甘酸っぱくて美味しいな。」
    「母さんが親戚から沢山もらったからと分けてくれたんだ。後で感想伝えとくぜ。」
    「サクサクのパイ生地と、林檎のしっとりさが一緒になると堪んないよなぁ…。」
     キバナは沢山眠ったからか大分すっきりとした顔で大口を開け、まだ温かさの残るアップルパイをざくりと口に入れて咀嚼する。つまみ食いされた照れ臭い気持ちをパイ生地を伸ばす麺棒へと叩き込めた事で、土台となる生地が少し、いや大分薄くなったが、逆にそれがサクサクとした良い歯触りを生んでいて結果オーライとなった事を心の中でガッツポーズしながら、ダンデはキバナからのストレートな賛辞を受け止める。
    「パイの模様?編み目の所が花になってるの面白いな。どうやったんだこれ。」
    「クッキーの型でパイ生地を抜いただけだぜ。型抜きは俺がやったが、型を選んでくれたのはポケモン達だぜ。」
    「えっ!マジかよめっちゃ見たかったなそれ。」
    「そう言うと思ってロトムにお願いして動画は撮ってある。データ送っておくから後で見ると良い。」
     やった!なんて弾けるように笑いながらキバナはまた一口食べる。唇についたパイの欠片を舌でペロリと舐めとるその姿を見て、ダンデは先程キバナからされた事をまた思い出して顔に熱が集中しそうになり慌てて目線を手元のティーカップへと移す。
    「ねえダンデ。」
    「っ…なんだ。」
    もう一度目線をキバナへと戻すと、ニンマリと笑いながら「そっちのも味見していい?」
    なんて聞いてくる。
    「いや、どちらも同じアップルパイだぞ。味見もなにも…。」
     型抜きの花も同じだよな。なんて自分の分をしげしげと確認しながら首を傾げるダンデに、キバナは自分の唇を指先でゆったりと触りながらもう一度「味見していい?」と笑う。意味を正しく理解したダンデは、今度こそ顔を真っ赤にしたが、それでも小さな声で是と答える。
     西陽によってテーブル越しに二つ並んだ影が、ゆっくりと一つになった。暫くその影は離れる事はなく、恥ずかしそうな、それでいて嬉しそうな二人の声をコンサバトリーの端に丸められたグシャグシャのラグだけが聞いていた。

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    肴飯のポイ箱

    DONEお題「相棒」
    変わらないものと、変えたいものについて。これからキダになる。そんなお話。
    変わらない、変わりたい 夜の帳が下りてから大分時間も経ち、今や空の天辺には艶やかに月が光り輝いている。月明かりによって漸く足元が見えるような部屋のさらに奥。窓も無い物置部屋は橙色の小さな室内灯によって照らされている。
    「あれ…やっぱりねえな」
     物置部屋からあちこち物を引っ張り出しては首を捻る長身の男は、最後に諦めきれないようにザッと散らかった部屋の中を見回す。が、お目当てのものは見つけられなかったのだろう。心なしかガックリと肩を落としながら部屋の電気を落とす。
     パチリ、と音を響かせてスイッチを押せば部屋の中はたちまち薄白い光が差し込むだけとなる。
    「ゴーキン」
    「おっジュラルドン。どうした?月光浴はもう良いのか?」
     ベランダに通じるガラス戸を器用に開けて、のっしのっしと音を立てながら自分の方へと歩いてくる白銀の相棒に、長身の男の正体であるキバナは、優しく笑いながら話しかける。いつもならもう少し月夜を浴びて楽しんでいる筈なのに、体調でも悪いのだろうか。そう、少し心配になってじっとこちらを見つめてきているジュラルドンのボディをチェックしようとした瞬間。
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    肴飯のポイ箱

    DOODLEワンドロ
    少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
    ※先天性女体化です。
    心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
    お題『初恋or意識し始め』
    まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
    「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
     少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
     ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
    2021

    肴飯のポイ箱

    DONEワンドロ
    お題「駆け引き•取り引き」
    立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
    ※イズオーバー後同棲設定
    すっごい…難産でした…でも楽しかった!
    よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
     まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
    「…ふりゃ」
     撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
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