このまま愛し 殺されてしまえればなんて幸せ僕の狂った世界の中は皆醜かった
救いを求めて向かった荘園も、醜人達の集まりだった。でも、その人達は化け物の僕にも親切に接してくれた。そこは不思議な場所だった。
そんな中でも、一際醜い男がいた。
囚人服に、首には鎖を身に付けていかにも罪人といった見た目の男は、化け物の僕よりも醜くて、誰よりも綺麗だった。
罪人に対してそう思ってしまう僕は、もしかして狂っているのだろうか。
人とは違う見た目の僕を、あいつは笑い飛ばした。
そして、こう言った。
「この世界を蝕んでいる昔からある病気の名は「偏見」だ。
たまたま君は人と違う見た目に生まれてしまっただけで、誰しもが起こりうる事。
つまらない優越感で人を罵る言葉に、傷つく必要なんて無い。そんな奴らを相手にする時間も勿体無い」
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