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    嗟弓@ A29393221

    @A29393221

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    嗟弓@ A29393221

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    カップリング要素皆無 死体を埋めにいく話 グロ目注意

    #腐ルーロック
    rotatedLubeLock
    #ブルーロック
    bluelock
    #黒名蘭世
    kuromeiRanshi
    #グロ
    grotesque
    #死体遺棄
    #二次創作
    secondaryCreation

    この度、死体を埋めに!街と田畑の広がる、片田舎の実家にて。
    4月の初めの日曜日。家に居るには勿体無いくらいの快晴だったこともあり、普段はしない散歩に出かけた。
    春嵐、春一番、春風、突風…なんて言うのだろうか。空のはるか上空では風の噴き上げる音がし、道脇の草花は折れそうなくらいになびき、街から外れた位置にある竹林ではミシミシと音がする。南に背を向け歩いていると、先を急げと言うように強い風が背中を押す。髪はすっかり乱れきっているが、気には留めない。ただ、気になった道に足を向け歩き続けていた、日曜日。
    こう書き出してしまうと、何か非現実的で不気味なことが起こりそうだが、いたってそうではない。人や車ともすれ違う。日曜日の日差しの良い午後だ。玄関先に車を停めて鼻歌混じりで洗車をする人もいれば、小学生くらいの二人組が自転車で颯爽と俺を通りこしたりもする。畑で作物の収穫をする親子や、井戸端会議をする中年女性だっている。いたって普通な日。
    自販機で飲み物を買って、ペットボトル片手にフラフラ道を歩く。知らない道があれば、とりあえず通ってみると意外にも知っているとこに繋がっていたりして面白い。前記で、非現実的で不気味なことは起きない、という趣旨の発言をしたが期待はする。
    少し、自分が特別になれるきっかけを探している様にも思える、好奇心と期待。
    しかし運命はそれを裏切ってくるのがテンプレート。その筋書きに自分も例外なく当てはまり、結局何も起こらず今折り返しにきていた。
    ある程度まで来ると、そこがどこなのか分からなくなり帰れるか少し不安になった。遠出するつもりは最初なく、スマホを置いてきてしまったのも一つの要因だろう。小銭が少し入った財布だけを持って、好奇心に忠順に従った結果。こうして知りもしない場所へ来てしまった。
    来た道を変帰ればいい、それだけは分かっていたため回れ右をして来た道を帰る。日は家を出た時より西に傾きはしているが、未だ地上を照らしている。来た道、と言うが来た時と比べてしまうほど、印象が変わったように思う。知らない道を進んだ結果の来た道。それを帰るとなると、見落としていた部分が浮き上がるように分かった。なぜだろう。散歩、と言ったら潔の趣味だったような気がする。今度聞いてみたら少し分かるだろうか。
    感覚は推理小説を2周するような感覚。わかりきった上で、隠されていた伏線の意味を知った上で、全てを見通した上で、もう一度読む。散歩ごときで、こんな感想が出るとは少々おかしい気もするが本当だ。
    平凡、普通、通常の日曜日。と言えるのはここまでだった。

    ---------

    前文では省略したが、帰り道には川を跨ぐ橋があった。田舎と言うこともあってか、光ったりも色が綺麗でもない、都会のようなオシャレではない、無機質なコンクリートの橋。その下には、ゴウゴウと音をたてて流れる水。透き通っていて、チラホラ流れに逆らうように泳ぐ魚も見える。夏場はこの川で泳いだらさぞかし気持ちがいいだろうと思う。
    この河原では許可を取ればキャンプやバーベキュー、イベントが開催できた。しかし、日曜日の気持ちのいい午後にも関わらず、河原には珍しく水切りをする子供の姿や、バーベキューを楽しむ団体の姿はなく、変わりに、一人の男の姿があった。
    男は、何か大きな袋を河原に置き、近くに腰を下ろしている。少し前に話題になったソロキャンプでもするのかと思ったが、それにしてもはカジュアルな服装であった。Tシャツに緩めのズボンと言うコンビニにでも行くだけの最低限の服。オマケにサンダルときた。田舎でのキャンプを舐めない方がいいよ、と心の中で呟き帰路を辿ろうと足を向ける。が、I、2歩進んで足を止めた。
    男に見覚えがあった。男…と言っても歳の近い高校生、言わば少年。綺麗な顔にスラリと高い身長。それを活かしモデル活動も行う少年。うねった髪に、優しい目元が大人っぽさを演出する、穏やかな印象の高校生。愛称で呼ばれるほど、誰とでも親しくでき、U-20戦でコートに上がり、1on1最強王子とも言われるほどの実力者で、監獄のメンバー。雪宮剣優。
    てっきり休日の彼は、都会で小洒落た服装でスタバにいると思っていた。しかし現実は、片田舎でTシャツにズボン、そしてサンダルという冴えない格好で河原で川を眺めていた。ボーっと。石も投げず、何かを食べる訳でも、撮るわけでもなく。ただただ河原に腰を下ろし川を見つめる。
    声をかけるか少し迷った。同じ監獄メンバーというだけで、俺との面識は少ない。試合でぶつかったり、そうではなかったり。ましてや俺は、U-20戦で一緒に戦ったわけでもない。しかし、どうも彼を見て見ぬふりをすることができないのだ。
    なんか、緊迫感があった。今にも彼は川へ飛び込み、命を絶とうとしているようなそんな感じの。全く気のせいだろうが、どうも見過ごせない。
    偶然を装い近づこうとも思ったが、早足になってしまい不自然極まりなかった。こちらが近づくことにも気付かない雪宮。とりあえず「こんにちは」と声をかけてみる。しかし、彼の頭部がこちらに向くことはなく、ただただ川を眺めていた、もう一度同じように声をかけると、やっと返事が返ってきた。しかしそれは非常に弱く、こちらをやっと向いた二つの目は虚で顔はどこかやつれていた。
    そして彼の第一声。
    「誰ですか?」
    その言葉には酷く心をえぐられた。確かに他人であった、間違ってはいない。しかし、その対応はなんだ。腹は立つが、さておき簡単な自己紹介をする。彼、雪宮はそれをどこか疲れたように聞くと「…あぁ」と思い出したように呟いた。そして力無く笑い、「ごめんね」と認識を謝罪する。流れで雪宮の隣に腰を下ろす。ずっと川の唸る声だけが俺と雪宮の時間をかけて行った。一言も喋らず、ただ隣に座っているだけで時間は過ぎていく。しかし、気まずさはなく、過ぎる時間に勿体ないとも思わなかった。妙に落ち着く。
    どのくらいたったのだろう。太陽が本格的に傾き始め、空が赤く染まる。ふと、雪宮は口を開いた。
    「黒名くん、俺がなんでここにいるが。疑問だよね」
    そう、俺に笑いかけた。薄暗くなり始めた屋外でも、まだすぐ近くの彼の顔は目視できた。確かに笑っていた。コクリと頷くと、雪宮はどこか嬉しそうに俺に言った。
    「その袋、見てみなよ」
    と、袋を指差しまた俺に笑いかけた。
    なんとなく嫌な予感はしていた。彼…雪宮の状態から察するに、意識が虚になる程の、彼は取り返しのつかない事や大事をおこしたのだろう。そして袋の中には、その鍵となる物体や被害物が入っているのだろう。
    いずれにしろ、何か凄いものが入っていて、疾しいのかそれを隠しに、又は捨てに。こんな田舎に、ここにきたのでは、と。それが盗んだ物でも、動物の死骸でも、なんでも良かったが、彼をどこか信じていた。彼とは面識も薄かったのに。どこか信じていた、彼が狂人でない事を。
    巾着がそのまま大きくなったような袋。キャンプ道具で言ったら、テントの針金なんかが入っている様な袋。言いたくないが、映画とかで死体が入っている様な袋にも見えた。
    そっと、口を開いてやると。
    もわっと嫌な匂いがした。読者の皆様はゴミ箱の匂いを嗅いだことがあるだろうか?ゴミ箱と言っても、生ごみのゴミ箱を。そんな吐き気のする鼻が曲がりそうなほど強烈な腐った匂い。そう、死体だ。
    死体を見るのは初めてであったが、叫びも泣きもせず、どこか他人行儀に捉えてしまったが故に、キョトンとしていた。強いていうなら、死体から腐った匂いがしたのは意外だった。もっとも、死体は切り刻まれ肉の破片となってはいたが、うじ虫は沸いていなかった。日にちが経っている様にも感じられなかったし、ましてや今日は猛暑でもなかった。ハエも飛ばず、なぜか腐った嫌な匂いだけのする新鮮な死体。
    変な方向に曲がった腕や、所々肉を貫いて見える骨。皮は全て年老いた物でシワが目立つ。これは老人の死体か、とここで気づく。袋の口を閉じ、雪宮を見る。そして
    「これで共犯だな」
    と笑って見せると、力無く笑いが返された。
    俺は、共犯、と言った。この時点で大体分かった。この死体は雪宮自信が殺した人物のものだ。この老人とはなんらかの関係があり、この監獄からの外出許可の出た休日を使って殺した。そう目星を立てた。

    --------------------

    「俺、目、元はよかったんだよね。」
    そう雪宮は自分の目について話し出した。
    病名は長くて忘れたが、サッカー選手としての時間制限のある目の病気を患っていること。監獄内でも最寄りの医者と特別に健診を受けていたこと。外出許可をきっかけに、本格的な健診のため最寄りの眼科で行ったところ、悪い知らせをされたこと。思ったよりも進行が速くなっている、と。監獄でも同じ医者で定期的に健診を受けていたにもかかわらず、その原因を全て監獄のせいにされたこと。もう一度言うが、監獄に入る前とその後も同じ眼科の先生に診てもらっていたにも関わらず、だ。ということ。
    気づいた頃には、医者の職場である病院からの帰宅を出待ちし、持参した果物ナイフで胸を突いていたそう。その後はキチガイ、狂人、イカれた人間の如く、切り刻み袋に詰めていたと。この田舎とはさほど遠くない都会に住んでいて、死体の処理に田舎に来たそうな。
    あらかた聞いていると、こちらまで気が狂いそうな気さえもした。そのくらい、イカれた話。しかし、嘘だとはもう言えない。袋の死体、それが何よりの証拠。最後にいい隠し場所は無いかと聞かれた。現地の人間なら、少しは思い当たる節はないかと。
    ここでこの質問に返してしまったら、俺は本当に共犯になってしまう。しかし、反対の意思はなかった。そう、犯罪に加担するのだ。抵抗も、後悔もない。むしろ、誇らしい。人を殺した雪宮を俺は今から救うんだ。そう考えると、矛盾の中に正義を感じ取れた。
    そうだな、といくつか思い当たる節を上げていく。
    辺りはすっかり闇に染まり、犯罪者の活動時間となった。
    家の裏の竹林は滅多に人が来ない、目の前の川に流せば高確率で海に行き着く。小高い山の道中なんかは車しか通らず穴を掘ってもバレにくい。枯れ草なんかを燃やす休日早朝の爺さんに焼いてもらう様とりあう、など。
    雪宮の目には少しずつではあるが、光が宿っていった。ハイライトじゃない。黒い部分がさらに黒くなり、黒くなりきれなかった部分が浮き上がり、光っている様に見えるだけだ。
    結局、山に埋めることにした。田舎なことだけあり、防犯カメラなんて探してもない。時代はずれな外飼いの番犬がこちらを見る。
    雪宮が死体、死骸の入った袋を引きずりながら道を進む。目的地まで100メートルもない。通行人もおず、目撃証言がないことが保証される。齢は高校生という青春謳歌の10代。青春を棒に振ってまでも俺は死体を埋める手伝いをする。
    山、といっても岡に近い。コンクリートで舗装された一本道を進むと、小学校が岡の上にはあった。
    コンクリート道路の傍に、ひっそりと、入口は最低限の足場だけ設置された、獣道があった。これを登れば滅多に人の来ない山中続く。
    カサッ、コト、コトッ…ガタッ、ガッ。雪宮の引きずる袋からは地面をする音や、道に転がる石に当たった音がこまめにきこえた。すっかり固まったはずの血が、今にも溶けて、袋の繊維の隙間から溢れる想像をすると、悪寒がする。
    しかし現実を察するのは簡単で、悪寒も恐れもなかった。おそらく袋の中ではバラバラになった死体の、痛々しい切断面が擦れ合い、固まった血が固形物として破片となっているのであろう。

    こっち、と獣道から外れた草木の生い茂る道なき道を進む。進んできた獣道がなんとか目視できるくらいにまで離れると、素手で土を掘った。雪宮も俺に続き、二人で土を掘った。何も言わず、ただひたすらに。
    肥えた良い土だ。程よく湿り気があり、途中昆虫の幼虫が出てきたりもする。それら成虫となる夏に備えて力を蓄えるべく眠る若者。その隣に一生起きない老いぼれを置くのは少々罪悪感があるがまぁ、よしとしよう。
    袋についた雪宮の指紋を心配するのは、今更だが袋から死体を穴に投げ込む。無造作極まりない行動。死体に怒られてしまう。
    袋から掴んでは投げ、掴んでは投げ。腕の関節部分や、なんとか指がいくつか繋がった手。頭(首はカット済み)なんかが出てくると、驚いたがすぐに忘れた。
    最後に穴に土をかぶせ、踏み固め近くの雑草を植えてやると、完成。
    これで立派な殺人鬼と共犯者だ。
    これで俺は特別になれた。
    もっともそれが目的ではないが。

    こうして。平凡、普通、通常の日曜日。と言える人間ですらなくなった。

    日も経たずひどく匂う死体となった原因や、雪宮が死体をバラバラに刻んだ意図など、分からないことを多々残した今日。

    この共同作業があったからか、後に同じフィールドに立てっても、他選手よりかは少しは理解し合えたプレーができたのかもしれない。
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