Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    🪦村川🪦

    twst中心二次創作用垢/20↑/twst→🌸監(男装♀)で文章書いたり妄想したり。🦁さんの夢女。🐚寮箱推し気味ですが皆大好き/おべいみにどハマり中。次男と🌸MCちゃん推しで四男六男の夢女/のんびりまったり/腐×ですごめんなさい/アイコンは@tunral様よりお借りしています/FRBご自由に/お友達募集中です

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    🪦村川🪦

    ☆quiet follow

    四男とMCの話。オチを見失っている。見直してないから口調違うかも。

    #おべみ小話@村川
    obemiSmallTalk@Murakawa

    サタンがMCに頼まれて媚薬を作る話


    期待か緊張か、或いはその両方か。
    珍しく顔を硬らせて、しかし瞳にだけはきらきらと生気を湛えながら、目の前の少女はもう一度同じ言葉を口にする。
    「サタンに、媚薬を作って欲しい」
    先程言われた言葉と一言一句違わない。脳に全く染み込まない、右耳から入って左耳から出ていくような感覚にサタンは思わず天を仰いだ。
    「ご、ごめん、こんなこと頼めるのサタンしかいなくて」
    少しだけ気分が上向く。頼られるのは悪くない。
    一番適任なのはアスモだ。何せ色欲の悪魔、気が向いたらその類の商品の監修もしているのは有名な話である。しかし、彼に頼んだら最後、使用用途から対象から事細かに訊かれるに決まっているし、なんだかんだと丸め込まれて自分に盛られた上にどうにかされてしまう可能性も十二分にあり得る。ーーそこまで考えて、過ぎってしまう想像。まさか相手はアスモなのでは? だからアスモには頼めなくてこちらに来たのでは?
    口の端が歪む。
    「……相手は人間? それとも天使? 悪魔? 動物?」
    「動物ではないけど……それ、言わないとだめ?」
    「だめだ。人間相手に悪魔(おれたち)用の分量で作ったら間違いなく廃人になるし、悪魔や天使に人間用の分量は全く効かないから意味がない」
    「そうか、そうだね。……人間ではない、かな」
    視線が迷っている。天使か悪魔かを明言するのは避けたいのか。
    脳内の抹殺者リスト、もとい相手候補からソロモンを含めた人間を消す。一応あいつは人間の括りでいいだろう。一応だが。
    恥ずかしいのだろう、紅く色づく頬が愛らしい。同時に、この紅顔を独り占めできる権利を有しているどこかの誰かへの憎しみと殺意を強めた。
    それら全てを臓腑へと塗り込め、あくまで優しく、親身に微笑んでみせる。
    「わかった。そうだ、これも聞いておかないと。性別はわかるか? 男か女か、無性か」
    「えっ、無性って選択肢があるの」
    「そうだな、悪魔は割と見た目のままの性だけど。相手、人型は保っているんだろう?」
    「うん。普通にしていると、人間のように見えるけど」
    「天使は無性、もしくは両性具有の場合もあるな。見た目から判別するのは難しいことも」
    「あ、あの。……男性、です。少なくとも、私にとっては」
    じり、と焼けるような衝動が体内で燻る。
    どこの誰ともしれない相手を想って輝くその瞳を今すぐ抉り取って、自分だけが見ることのできるディスプレイにしてしまいたかった。
    「いいよ、やってみよう。ただ、これだけ相手の情報がないと完璧なものを作るのはまず無理だ。それでもいい?」
    「うん、気休めでもいいから媚薬(それ)に頼りたかったの。引き受けてくれてありがとう、サタン」
    眼前に伸ばした手を、既の所で頭上に軌道修正し、柔らかな髪をさらりと梳いて離す。目の前にいる男が何を考えているかなど知りもしない少女は、嬉しそうに微笑んだ。
    「きみに頼まれたら、断るわけにはいかないだろ。何日かかかると思うけど、出来上がったらチャットするよ」
    「えっ、そんなに大変なの?」
    「例えば相手の身体の一部だとか、種族や背格好なんかがもっと正確にわかっていれば早いんだけど。でも、言いたくないんだろう?」
    「う、ううう」
    「なら、どんな相手にも最大限効くように、工夫してみるしかない。俺はそういうの嫌いじゃないから、ちょっと時間をくれると嬉しいな。それとも、早い方がいい?」
    「ううん、大丈夫。色々考えてくれてるんだね」
    早速文献を調べるから、と彼女を自室の外へと見送り、金の髪と緑の眼を持つ悪魔は仄昏い面持ちで自慢の本棚を眺めた。
    忙しくなる。生成したいのは、一時的に媚薬に似た作用が出るが、その後時間差で昏倒し死に至る劇薬。いや、これだと彼女が殺人犯になってしまう。相手が男だと明言しているなら、そうだ。
    「勃起不全になる薬にしよう」
    魅力的な彼女を前にして生殺しに遭えばいい。どこの誰に飲ませたのかわかるように、ごく微量の探知魔法も含めておこう。そうと決まれば参考文献探しだ。たとえ相手が魅了の効かないアスモやあのルシファーだったとしても、必ず媚薬の効果でめろめろにした後に勃起不全を起こさせてみせる。必ずだ。
    緑色に塗られた形の良い爪が、禍々しい表紙の本へと触れた。


    そうして数日かけて完成させ、彼女が弾けるような笑顔で受け取ったサタン渾身の媚薬兼勃起不全薬は今、何故かサタンの目の前にある。
    厳密に言うと、サタンの目の前に置かれた、彼女から貰った手作りのチョコレートの中に混ぜられている。
    探知魔法なんてかけなければよかった。渡された瞬間己がどんな反応をしたのか全く思い出せない。探知魔法をかけておいてよかった。気付かなかったらきっと、嬉しすぎて全く無防備なままその場で食べてしまっていたに違いない。
    更に言えば、手作りチョコの向こうでは当の作り手がもじもじしながらちらりちらりとこちらの反応を伺っている。それはそうだ、媚薬が効いたとして、目の前にいなければ反応を見ることも惚れてもらうこともできない。
    ーーサタンに味見をして欲しい。
    バレンタインという人間界の行事のことは、本を読んで知っていた。
    他の皆には夕食時に振る舞う予定だからと、その前に味見をお願いしたいのだと、そんな理由を述べながらサタンの自室を訪れた彼女が小皿に取り分けた、生チョコレートの入った小さめのタルトカップ。
    他のものからは感じない気配。サタンの目の前にあるソレからだけ、数日間格闘して完成させたあの薬の気配がする。それに気付いた瞬間に、じゃあとっておきの紅茶をいれようか、などと口走った自分を褒めたい。口と頭を別々にフル回転させ、一秒間を永遠にも感じながらサタンはこの状況をどう切り抜けるかを必死に模索していた。
    最終目標は彼女からのチョコを食べた上で彼女の気持ちを聞き出すこと。そのためには時間稼ぎをしなければならない。慈悲を与えるつもりなど毛頭なかったので、解毒薬なんて元から用意していない。最善のシナリオとしては、食べた直後に解毒薬を溶かした紅茶を飲む、もしくは解毒薬を遅効性にして服薬しておく。どちらにせよ、まずは薬を作らなければ話にならない。ケダモノのように彼女に襲いかかった挙句に勃起不全になんてなってたまるか。
    脳内でいくつものパターンが現れては消える。口は勝手に人間界のバレンタインの風習の多様さについて語っている。彼女の国では好きな相手だけではなく、家族や友人、世話になった相手にも渡すらしい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢になる予定の前日譚。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※MCのデフォ名あり(伊吹)
    ※L20クリア済みの方向け
    ※村川本人は現在21-5あたり
    猫はただ、のんびりと暮らしていた。
    主人(あるじ)は平凡で人畜無害で心の優しい人間の女で、一人暮らしをするのだと言い出した時はどうついて行こうかと画策したものだったが、結果的に主人自ら猫を連れて行ってくれたので、のんびりとした二人暮らしをそこそこ楽しんでいた。
    主人は朝に出かけて夕と夜の間くらいに帰ってくる。留守の間は家を守っている時もあったし、気ままに散歩に出たり、主人の様子を見に行ったりもした。情報収集、縄張りの見回り、無意味に街を散策したりもした。そんな穏やかな日常は一変する。
    主人が帰って来なくなった。
    猫は待った。大人しく待っていたわけではない。探し歩いて、住処に戻って、探し歩いてはまた戻った。どこにも主人の足跡はなく、そうこうしているうちに主人の実家へと戻された。
    そこでの会話からすると、主人は留学をしたらしい。
    おかしい。主人は猫には何でも話す。その日あった出来事、自分の気持ち、今後の予定、楽しいことも辛いこともなんでもないことも何でも話す。その主人が、猫に何も言わずに留学などという一大事へと旅立つはずがない。そもそも、部屋の片付けも荷物のまとめも、猫をどこかへーーそれこ 2570

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※夢主はMCが人間界で飼ってた黒猫。正体は猫又
    ※猫を前にした四男のテンションを掴みかねている
    ※今作では次男の扱いが雑
    猫の日習作



    どこの世界でも、縄張り争いというのは等しく起こるものらしい。
    ひび割れたガラスのようなずれた音が煩わしくて、猫は不愉快げに目を細める。その態度すら気に入らなかったのか、猫を囲むように立っている黒い靄を纏った悪魔たちはまたぎいぎいと騒いだ。
    「なんだその顔は」
    「お前などが近付いていい場所では」
    「あの方々をどなただと心得るか」
    「テメーなんて引き裂いて食ってやっても」
    今は頭上にない耳をぴるぴると動かしたい気分だった。億劫そうに睥睨して、猫はあくまで穏便に済ませようと口を開く。
    「……つまり、あの屋敷に、あの七人に近付くなと、そう言いたいのだろう?」
    「そうだ」
    「物分かりがいいな」
    「その通りだ」
    不協和音が勢いを増す。どうしたものかと猫は考える。散歩から帰宅途中の突然の因縁。別にあの屋敷にもあの七人にも特に何の未練も感情もないのだ。そこに含まれていないただ一人を除いて。
    「あの七人に近付かないことはできる。ただ、あの屋敷に近付かないのは無理だ。主人(あるじ)がそこにいるからな。帰らねばならない」
    「主人だと!?」
    「どのお方に仕えたのだ!?」
    空気が一転して友好ム 3158

    🪦村川🪦

    MOURNINGレオナさん夢…10ヶ月前に書いたやつ…夢主のキャラもレオナさんのキャラもうまく掴めず挫折したやつ…リヴィエール(夢主)はちゃんとどこかで書き切りたいなあ…供養供養…
    しかし私の中の初期の監、こんな感じだったんだなあ笑
    「断る」
    事情説明後の冷たい第一声に、斜め前のジャックくんの耳がピンと伸びて毛が逆立つのがわかった。まあそりゃあそうですよね、とどこか他人事のように思う。纏めてきた荷物が地味に重い。そんなに入っていないはずなんだけど。
    薄ぼんやりした頭の中に「第一部屋がねえだろ。空いてる部屋は物置になってる。今から片付けてたら朝になっちまうぞ」というレオナ先輩の声が響いた。ねむい。今から片付けはちょっと無理そうだけど、この際物置でもいいから端っこで寝かせてくれないだろうか。というか本当に荷物が重い。目線をそちらに向ければちゃっかり乗っかっているグリムがいた。そりゃ重いわけだ。下ろそう。
    「じゃあレオナさんの部屋に泊めればいいんじゃないッスか?」
    この声はラギー先輩だな。レオナ先輩のお部屋なんて恐れ多くて眠れない。いやウソです今ならどこでも5秒で眠れる。大丈夫。ほんとこの談話室のソファー…いや贅沢は言わないのですみっこを、すみっこを貸してほしい。レオナ先輩とラギー先輩が言い合っている。グリムを下ろすにはまず床に荷物をおかないといけないんだけど怒られるかな。とばっちりは勘弁だな…。
    「レオナ、部屋に泊めて 1616

    🪦村川🪦

    MAIKINGイド監に挑戦しようと思って躓いてる書きかけ三人は「なかよし」


    立てば上品座れば紳士、歩く姿も擬態済み。お触り禁止の確信犯、咬魚の片割れジェイド・リーチ。
    立てば気紛れ座れば暴君、歩く姿は破壊神。誰が言ったか愉快犯、咬魚の片割れフロイド・リーチ。
    決して善良とは言えないNECの生徒が口を揃えて唱える言葉。
    『リーチ兄弟(あいつら)には関わるな』
    脅しに暴力なんでもござれ、証拠隠滅どんとこい。気に入られても疎まれてもどちらも末は地獄行き。厄介極まりないこの兄弟に最近捕まった運のない人間といえば、誰もが口を揃えてオンボロ寮の監督生の名を挙げる。
    弟のリーチに後ろから抱きつかれ「小エビちゃーん!」と絞めあげられているその姿。おやおやフロイド、手加減しないと監督生さんも苦しそうですよ。と口を出すものの手助けをする気配は微塵もなくにこにこと眺めているだけのリーチ兄。男子校で唯一の異性である彼女を双子が気に入っておもちゃにしていることは誰の目にも明らかだった。同情はすれど助けはしない。弱肉強食が世の常だ。それは監督生にとって数少ない味方である友人達にも適用される。一学年上で腕力も魔力も優れているリーチ兄弟にとって、彼らは紛れもなく弱者だ 634

    🪦村川🪦

    MAIKING四男とMCの話。オチを見失っている。見直してないから口調違うかも。サタンがMCに頼まれて媚薬を作る話


    期待か緊張か、或いはその両方か。
    珍しく顔を硬らせて、しかし瞳にだけはきらきらと生気を湛えながら、目の前の少女はもう一度同じ言葉を口にする。
    「サタンに、媚薬を作って欲しい」
    先程言われた言葉と一言一句違わない。脳に全く染み込まない、右耳から入って左耳から出ていくような感覚にサタンは思わず天を仰いだ。
    「ご、ごめん、こんなこと頼めるのサタンしかいなくて」
    少しだけ気分が上向く。頼られるのは悪くない。
    一番適任なのはアスモだ。何せ色欲の悪魔、気が向いたらその類の商品の監修もしているのは有名な話である。しかし、彼に頼んだら最後、使用用途から対象から事細かに訊かれるに決まっているし、なんだかんだと丸め込まれて自分に盛られた上にどうにかされてしまう可能性も十二分にあり得る。ーーそこまで考えて、過ぎってしまう想像。まさか相手はアスモなのでは? だからアスモには頼めなくてこちらに来たのでは?
    口の端が歪む。
    「……相手は人間? それとも天使? 悪魔? 動物?」
    「動物ではないけど……それ、言わないとだめ?」
    「だめだ。人間相手に悪魔(おれたち)用の分量で作っ 2685

    🪦村川🪦

    MAIKING監のためにラップバトルをするジェの話。ぺとりさんへのお題作品。収集がつかねえ。始まる 拍動 怒涛


    監督生はスマホを所持していなかった。オンボロ寮にテレビなどはなく、この世界のあれこれは図書館で借りてきた本から情報を得ていた。なので最新のヒットチャートや流行りの服やトレンドなどは全く知らず、ケイトやエースから話を聞いたりたまにスマホを借りて映像を見るなどするくらいであった。
    そんな生活が、学園長からスマホを支給されたことで一変した。
    まずはケイトから是非にと勧められたマジカメの登録。次いで学園生活で縁ができた人物をフォロー。大まかな使い方を教わり、数件の投稿や検索なんかも少しだけ自分でできるようになってきた頃、その衝撃的な出会いは訪れた。

    「エース! デュース! ヒプノシスロッドって知ってる!?」

    会うなり顔を紅潮させてスマホを突き出してきた監督生に、顔を見合わせてマブの二人はそれぞれ口を開く。
    「そりゃー知ってるに決まってるっしょ、今一番勢いあるグループだもん」
    「僕はあまり音楽は聞かないが、名前はよく聞くな。母さんが好きだと言ってたのは確か…Snディビジョン? とかなんとか」
    「何枚かMD(ミュージックディスク)持ってるけど、貸してやろうか?」
    「本当 1764

    related works

    🪦村川🪦

    MAIKING四男とMCの話。オチを見失っている。見直してないから口調違うかも。サタンがMCに頼まれて媚薬を作る話


    期待か緊張か、或いはその両方か。
    珍しく顔を硬らせて、しかし瞳にだけはきらきらと生気を湛えながら、目の前の少女はもう一度同じ言葉を口にする。
    「サタンに、媚薬を作って欲しい」
    先程言われた言葉と一言一句違わない。脳に全く染み込まない、右耳から入って左耳から出ていくような感覚にサタンは思わず天を仰いだ。
    「ご、ごめん、こんなこと頼めるのサタンしかいなくて」
    少しだけ気分が上向く。頼られるのは悪くない。
    一番適任なのはアスモだ。何せ色欲の悪魔、気が向いたらその類の商品の監修もしているのは有名な話である。しかし、彼に頼んだら最後、使用用途から対象から事細かに訊かれるに決まっているし、なんだかんだと丸め込まれて自分に盛られた上にどうにかされてしまう可能性も十二分にあり得る。ーーそこまで考えて、過ぎってしまう想像。まさか相手はアスモなのでは? だからアスモには頼めなくてこちらに来たのでは?
    口の端が歪む。
    「……相手は人間? それとも天使? 悪魔? 動物?」
    「動物ではないけど……それ、言わないとだめ?」
    「だめだ。人間相手に悪魔(おれたち)用の分量で作っ 2685

    recommended works

    🪦村川🪦

    DONEおべみ四男中心夢。
    ※がっつり個性あり夢主&MCがいる
    ※夢主はMCが人間界で飼ってた黒猫。正体は猫又
    ※猫を前にした四男のテンションを掴みかねている
    ※今作では次男の扱いが雑
    猫の日習作



    どこの世界でも、縄張り争いというのは等しく起こるものらしい。
    ひび割れたガラスのようなずれた音が煩わしくて、猫は不愉快げに目を細める。その態度すら気に入らなかったのか、猫を囲むように立っている黒い靄を纏った悪魔たちはまたぎいぎいと騒いだ。
    「なんだその顔は」
    「お前などが近付いていい場所では」
    「あの方々をどなただと心得るか」
    「テメーなんて引き裂いて食ってやっても」
    今は頭上にない耳をぴるぴると動かしたい気分だった。億劫そうに睥睨して、猫はあくまで穏便に済ませようと口を開く。
    「……つまり、あの屋敷に、あの七人に近付くなと、そう言いたいのだろう?」
    「そうだ」
    「物分かりがいいな」
    「その通りだ」
    不協和音が勢いを増す。どうしたものかと猫は考える。散歩から帰宅途中の突然の因縁。別にあの屋敷にもあの七人にも特に何の未練も感情もないのだ。そこに含まれていないただ一人を除いて。
    「あの七人に近付かないことはできる。ただ、あの屋敷に近付かないのは無理だ。主人(あるじ)がそこにいるからな。帰らねばならない」
    「主人だと!?」
    「どのお方に仕えたのだ!?」
    空気が一転して友好ム 3158