飲み干すには甘すぎる(カドぐだ♀) 普段なら馬鹿にして近寄らない列に並んでいる。絞られた光量の店内は独特の単語が飛び交っていて、飲み物一つ頼むだけだと言うのにハードルが上がっていた。英語とイタリア語か? なんで混ぜるんだ? って言うかコーヒー店なのにだいたいの客が持ってるカラフルな飲み物はなんだ? 気付かれない程度にげんなりと辺りを眺めていると、袖を軽く引かれた。
「カドックは何にする?」
「は? 僕は飲まないぞ」
「えー!? せっかくだし飲もうよ! 私こっちの期間限定のやつにするから、カドックはもう一つの方ね!」
「なんでだよ!」
見せられた画面には見るからに甘そうな飲み物が映っていた。客が持ってるのはコレか。どうやら今日から販売開始のようだし、皆こぞって並んでいる理由も納得できた。だからって僕が飲まないといけない理由にはならないが。
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