Down, down, downDown, down, down
アルハイゼンの執務室へ書類を届けに行くと、明日の予定を聞かれたので砂漠での仕事が終われば何も予定はないことを伝えれば、家に来て欲しいと言われた。
何も珍しいことではない。彼と付き合い始めてからはティナリやカーヴェ達との食事会とは別にアルハイゼンの家へ行く機会が増えた。
機会が増えたからといって何か特別なことをするわけではない。作りすぎたタフチーンを持って行ったり姉弟子から送ってもらった古書を届けたりすることはあるが、家に入ればアルハイゼンは気に入りのソファに腰掛けて読みかけの本を開き始めるし、俺も俺で彼の隣に座って新しいデッキの構築に没頭するだけ。互いに空腹を覚えれば、それを満たし、ごく稀に恋人らしい戯れを少々。
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