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    rainno🐌

    @shamisembrella

    かたなとさにわ中心。一次創作農家出身。
    絵と字を描くかたつむり。雑食で偏食で悪食。

    drawing / writing
    fanarts mained Touken Ranbu / my originals
    they might contain immorality and palaphilia.

    website ◆ http://unohanakutashi.dreamlog.jp/#top
    pixiv ◆ https://pixiv.me/5amidarainn0
    Tumblr ◆ https://unohanakutashi.tumblr.com
    form ◆ https://forms.gle/JAPrqFZMKqb2dxP27

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    POIPOI 64

    rainno🐌

    MAIKING一次創作。
    小説のようなシナリオのような。

    歌を忘れた少年と声を失くした少女が音の無い世界で出逢う話。


    『ルートヴィヒとクラリネット』


     ― 1 ―

     高校に進学した春、木菅美鈴(こすがみれい)はひとり校舎の廊下を歩いていた。新しい担任が不要な気を利かせて、吹奏楽部の定例演奏会には出なくていいと言ったのだ。いくら自分が出席すると訴えたところで、無理しなくていい、内申には響かないようにする、の一点張りだ。声を荒らげられたなら気迫押しもできたのだろうが、手話や筆談では伝わるものにも限度がある。向こうは一応厚意のつもりなんだろうし、あまり無下にするのも悪い気がして、結局はその提案を呑む事にした。
     昨年のちょうど今頃、美鈴は高熱を出し倒れた。原因ははっきりしなかったが、おそらくは感染症の類だろうとの事だった。命に別条は無く、昏睡状態から醒めたあと二週間程度の療養で体調は快復した。耳と声を失った事を除いて。
     長時間熱に浮かされ続けた影響で聴覚神経と声帯に障害が残り、音を感じる事も発する事もできなくなってしまった。幾ら楽観主義とて、それにショックを受けなかったといえば嘘になる。しかし、かといって塞ぎ込んでしまう柄でもなかった。友達と話すため、同じ学校に通うため、必死に手話や読唇術を身 3975

    rainno🐌

    DONE※独自解釈、捏造設定
    ※イベントストーリーなど未読あり

    けーくんと仮面カプ演じてカフェ巡りしたり辛いラーメン食べに行ったりしたいだけ。
    ケイ監未満。監督生の性別は伏せています。ふわっと書いたので粗だらけ。


    『振動ファントム』


     目が覚めて、端末を覗く。そこに特に意味は無い。
     着信を知らせるバイブレーションが聴こえた気がしたが、どうやら錯覚だったらしい。携帯電話やスマートフォンが普及した現代人には――特に常日頃から通知の有無を気にしている若年層にはよくある事、そう、いつもの事だ。


     放課を告げるチャイムが響く。予定の無い日ならば席につき直してゆるりと最新の投稿を浚うところだが、今日は約束があった。教科書をてきとうに机に突っ込み、財布とスマホの入った鞄を引っ掴んで教室後方の扉へと向かう。置き勉は推奨されないが校則違反ではない。近くテストも無いし、厳格な女王様もすぐさま首を刎ねたりはしないだろう。
    「おうケイト、今日部活?」
     敷居を跨ぐ寸前の背中にクラスメイトの声が掛かり、一瞬面倒に感じつつも、違うよ、と振り向きざまに笑顔を繕った。
    「じゃあ今からカラオケ行かね?」
    「ごめん、オレこれからデートなんだよねぇ」
     顔より上に両手を合わせてみせるケイトに、周りの数人を含めたクラスメイトが納得半分、呆れ半分といった顔でああ、と頷く。
    「オンボロ寮の監督生だっけ。お前らほんと仲良いよ 4123

    rainno🐌

    MAIKING明石くん×まんばちゃん (リバ)
    縁もゆかりも脈絡も無いセフレな刀剣男士。独断と偏見だらけの顔カプ。
    女審神者と刀剣男士の関係描写あり。
    R18になるかは未定。


     何がきっかけだったかといえば、とても些細な事だ。この本丸に来るまでは、縁もゆかりも無かった相手だ。美術品として飾られた時代に場を共有する機会くらいはあったかも知れないが、特段印象に残っているでもない。
     偶々。そう、偶々だ。屋敷が手狭になって、建て増しする際の仮住まいで、偶然、相部屋になっただけ。偶然、持て余していた欲求を互いの躰で慰めただけ。広く新しい部屋に越して尚続いてしまっている、謂わばなあなあの関係だ。それ以上でも、それ以下でもない。
     山姥切国広は、こう思い返す。


     この本丸の主は女だった。刀剣男士の中に懇意にする者が現れる事は、他の本丸を例に挙げても然程珍しい事ではないだろう。
     だが、であればこそ、それ以外の者はどうするのか。曲がりなりにもヒトの――男の躰を模しているのである。個体差はあれど、そこには欲求が存在する。腹が減ったり眠くなったりするのと同様に。
     中でも打刀は刀剣全体からして比較的歴史が浅く、精神的に若い場合が多い。何よりヒトでいえば最も血気盛んな年頃の躰を模している。それゆえか単独では処理しきれず、城下の花街に出掛けたり、本丸内で男色に染まる事例 1302