「で、この地点に[[rb:亡者 > ゾンビ]]どもを集めて連れて来て欲しいんだ。最悪、逃げ切りギャンブルにできる」
地図を指差す指は、無骨なただの男の指。節だってはなくてさらりとまっすぐ伸びている。球技をやってる指ではない。
意思の強いきれいな動き、その爪先を見る。
普通の平づめ、サバイバルの積み重ねで少し伸びた爪先が汚れている。
「やりますって簡単に言うけど、お前本当にその怪我で出来るのか」
こちらを射抜いてくる鋭い眼光。
真っ黒な瞳の中に赤い光が見える気がする。
声音にわずかににじむ心配は、成功の心配ではなく、本当に傷を心配してくれてるのだろう。
「おまじないって何だ?」
気がちょっと抜けた時の、この声が僕は好き。
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