熱が出た話 暦の上では新緑の季節で暑い夏も間近という頃だったが、木ノ葉の里では寒暖差の大きい日が続いていた。汗ばむような日と肌寒い日が交互に訪れ、天気も雨が降ったり止んだりと不安定で体調を崩す者も多かった。
夜中に激しく雨の降った翌朝、ベッドで目を覚ましたカカシは仰向けに寝たまま、まずいなと思った。体温が高い気がしたのだ。
のろのろと体を起こすと案の定怠くて、頭が少しふらふらした。(あー、これは熱あるな)
カカシはそう思ったが体温は計らずに、いつも通り着替えてキッチンへ向かった。足取りは覚束なくて、思うように体が動かない。
でも頭はすっきりと冴えていてちゃんと空腹も感じている。それならまあ大丈夫だろうと判断して、出勤前に軽い朝食を摂った。今日は大した予定もないし椅子に座ってるだけだから、多少体調が悪くても平気だろうと思ったのだ。
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