Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    #NUカーニバル

    nuCarnival

    toooocl8

    DONEぬかに(鰤)の100日アニバーサリーに便乗したSS。Xにもあげたもの。
    ある朝、エイトが目を覚めたときのこと。
    ※エイトの過去を少し捏造した描写あり。
    ※カップリング要素なし、使い魔二人が出てきます。
    Take my hand 早く大人になりたかった。
     大人になれば、自分の好きなところに行って、好きなことができると、信じていたから。
     先に貰われていく、歳の近い友達。新しい家族に不安もあるけれど、みんな嬉しそうな顔をして、きっと手紙を書くからと言って別れた。最初のうちは届いた手紙も、ぱったりと来なくなって、また、誰かが新しい家族に手を引かれていく。
     俺の番は、やってこない。
     誰か、この手を引いてくれる人は、いないのかな。
     そう思うのは、すごく、悲しくて、寂しくて。だから、そういう気持ちは出来るだけ、奥底に沈めていた。
     早く大人になりたかった。そんな悲しい気持ちで、誰かを待っているだけなんて、もう嫌だったから。


     目を覚ますと、うっすらと涙が浮かんでいた。なんだか、久しぶりに昔のことを思い出した気がする。天井は既に見慣れてきた屋敷のものだ。それをぼんやりと眺めていた。遠い昔のことのようで、つい、この間のことのような夢だ。胸の奥がぽっかりと空になったようで、大きく息を吐いた。
    1434