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    #マギ

    magi

    あもり

    PAST24年3月17日春コミで出した、無配ペーパーの小話再録です。そのに。
    2のこちらは、ムーとティトスです。新刊準拠の話ですが読んでなくても「本編最終章終了後、ジュダルが行方不明になったので単独で白龍がレームへ訪問しにきた後の二人の会話劇」とさえわかってれば問題ないです。
    私の割と癖が強く出た話となりました。こっちはしっとり目です。ノットカップリング。
    受け継がれるもの 練白龍が去った後、次の面談先へと元気よく歩くティトス様とは裏腹に、色々と考えあぐねてしまう自分がいた。練白龍は割合、裏表がない青年だ。今回の訪問もどちらかと言えば公人としての彼ではなく、私人としての立場に近いのだろう。だからこそ、あそこまでさらけ出したともいえる。しかし、自身が腹の内を掻っ捌いたようなものだからと言って、それを、同じだけのことを相手に求めさせるのはあまりにもリスクが高すぎる。落ち着いたと思ったが全くそんなことはない。やはり練家の男だと、かつての紅炎を思い出す。
    「ムー」
     くるりとティトス様が振り返った。丸い瞳をこちらに向けてじっと見、そして俺の顔に手を伸ばそうとしていたためすぐに屈む。なんでしょう、と言えば少しだけ笑って口を開いた。
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    あもり

    PAST24年3月17日春コミで出した、無配ペーパーの小話再録です。そのいち。
    アラジンと白龍、2人のデリカシーゼロな話です。
    カップリング要素は白龍とジュダルですが、この話にジュダルは直接出てきません。あとアラジンと白龍はカップリングではありません。2人は飲み友マックスハート!って感じです。そうかな?
    めちゃくちゃ楽しく、カラッとかけました。
    デリカシープラスマイナス お酒というものは、人が普段理性で押さえている様々な箍を外してしまいやすい。アラジンは滅法それに強かったが、対面に陣取る白龍はめちゃくちゃに弱かった。お酒の席はある程度まではご愛嬌。その中で繰り広げられる、馬鹿らしさも面倒くささも、味ではあるのだが。

    「白龍くん飲み過ぎだよ」
    「今日は全然飲んでませんよ」
    「後ろの空の酒樽みてから言ってくれる?」
    「大体こんなに飲みたくなるのはあいつが悪いんです」
    「ジュダルくん?」
    「そうです」
     また勢いよく杯を空ける。あーあーと思いながらも、アラジンは黙って眺めていた。ここまで勢いに乗った白龍の、お酒を止める方が面倒だと経験則でわかっているからだ。
    「俺はずっとアイツがいつ遠征から帰ってきてもいいように色々と準備をしていたんですよ、こっちは!それなのにアイツときたら勝手に色々と初めておいて、」
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    あもり

    DONE遅くなりましたが、Blackend世海征服2 開催おめでとうございます〜!!!夏に突然謎の狂いハマりをして勢いで参加させてもらいました。
    白龍とジュダル、第九補給基地での夜です。リリカル目指してたんですが、若干ホラー混じりました。ハッピーエンドです!!
    夜明けはまだ遠い 一人、暗闇の中を走らされていた。なぜ走っているのか、走らされているのか、いつからなのか、さっぱりわからない。幼い手足はすでにへとへとで疲れきっていて、本音を言えば今すぐにでも足を止めて休みたかった。けれど、止まることは出来ない。走って、走って、白龍を追いかけてくる何かから逃げないといけないことだけは、わかっていた。周りは真っ暗でやさしい兄上も姉上も、だれもいない。一人きりだ。でも、走らないといけない。足を止めた瞬間に、追いつかれた瞬間に、呑み込まれる。もっと早く、早く逃げなければ、でないと。
     白龍の必死な願いが功を奏したのか、小さな手足はいつの間にかどんどんと成長して、歩幅も走る勢いも伸びていった。それだというのに、後ろから迫る速度はどんどん増している。ひたひたと、ずるずると、ごうごうと、ぱちぱちと、様々な音を立て、重量を増してついてくる。追いかけてくる。
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    あもり

    DONEマギの二次創作、まさかのユナンとウーゴくんの話が出力されたのはさすがに書いてる本人が1番の予想外でした。ユナンは聖宮でのあの姿(ルフ)だと話せない、と言ってたけどもし話せてたとしてもウーゴくんってさぁ…まぁお喋り権限与えてあげるのも、神様だから容易なんだよなぁ…となってたら書き上げてました。

    別名、若かりしころのユナンの神様へのちょっとした八つ当たりです
    聖宮問答、あるいは存在しない幕間「おかえり、ユナン」
     何度目かのマギとしての命が終わり、再び聖宮に召し上げられた時のことだった。連続した記憶の中と変わらぬ番人が、悲しそうに微笑みながらも出迎えてくれた。これもいつものこと。
    「今回は長かったね」
     ルフだけの存在になって初めて会える番人がそっと僕のルフに手を差し出した。手のひらにのって、感情を一度落ち着かせ、暫くの後また送り出させれる。これもいつものことだった。けれど。
    「……初めて他のマギにもあったよ」
     驚いたようにパチパチと瞬きをして、番人はこちらに視線を合わせてきた。ルフの状態で言葉を使うことは、特に聖宮の中では酷く疲れる。それでも口を開いたのは理由がある。そんなことを知ってかしらずか、彼は嬉しそうに僕に語りかけてきた。
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