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    海老(小説)白玉(絵)

    スタゼノ好きの海老(小説)とゲン千好きな白玉(絵)の二人です。管理は海老がしてます。

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    POIPOI 27

    スタゼノハマって二本目に書いた作品で、以下文章はpixivに貼っているままです。
    石化前の二人です。
    25巻まで読んでないと、ネタバレ含むかもです。
    五年ぶりの創作なんで温かい目で見て頂ければ幸いです。
    とりあえず、ファンブックでるまでにピクシブ登録出来てよかった。

    #スタゼノ
    stazeno
    #小説
    novel
    #ドクスト
    docsto

    ナニモナイヨル 深夜、解錠の音と共に玄関扉が勢い良く開くと、部屋に一人の男が入って来た。
    「よっ、久しぶり」
    「来る前に、何故一言連絡を寄越さない。僕はこれから寝る所何だが」
     暗がりの中、男は家人に構わずソファー横の間接照明を灯す。
    すると、誰もが息を飲むような美しい顔が浮かび上がり、さらに鍛え上げられた肉体は服の上からでもわかる。ラフな黒シャツとカーゴパンツだが、それすらも絵になる男だ。
     ただ家人であるゼノは既にパジャマ姿で、上掛けをめくり正にキングサイズのベッドに入ろうとしていた為か、苛立った様子だ。
     普段オールバックにされた前髪は、両サイドに軽く流され誤魔化しているベビーフェイスを際立たせている。
     ムスリッとして相手を睨むも、彼は涼しい顔で合鍵をカーゴパンツのポケットへしまいソファーに腰掛けた。
    「何だよ。帰って来たから会いに来たのに、冷たいねゼノ先生」
     すかさずタバコを吸おうと口に咥えた所で、近づいて来たゼノによってソレは取り上げられた。
    「僕はこれから寝るんだから、毒ガスをこの部屋に撒き散らさないでくれたまえ」
     スタンリーを見下ろすゼノは、この上なく不機嫌な様子だ。
    「どうしたんよ?何怒ってんだよ?」
     スタンリーはタバコを取り上げたゼノの手首を、そっと握り彼を見つめる。
    「だって、スタンはいつも遠征から帰ったら直ぐに僕に会いに来るだろ。なのに今回は、一週間も会いに来ないし…恋人が出来たなら、出来たと報告位したまえ」
     ゼノはそう捲し立てプイッと外方を向くも、スタンリーはその言葉にポカンとし、次の瞬間思わず吹き出してしまった。
    「何だよスタン!何がおかしいんだ」
    「いっいや、悪い悪い。何?ゼノがよ、存在すらしない恋人に嫉妬してると思うと可笑しくて…て、悪かったな。遅くなって、ただいまゼノ」
     優しく微笑みかけると、ゼノの表情もやっと緩んだ。
    「おかえりスタンリー スナイダー。しかし、今回は何故一週間会えなかったんだい」
     手首を解放すると煙草を返されたから、胸ポケットのケースに仕舞った。
     ゼノはそのままスタンリーの隣に座り、幼馴染の顔を改めて覗き込む。
     まだ、少し訝しんでいる様だ。
    「悪かったな。今回は、色々手続きがあって帰ってからも忙しかったんよ。その代わりに、詫びにコレ持って来てやったから」
     スタンリーは、そう言ってゼノに缶ビールが入った袋を差し出す。
    「明日はオフだろ?ガンガン飲もうぜ」
    「良いだろう。どちらが、先に潰れるかな?」
    ゼノは不敵な笑みを浮かべた。


    「おーい。ゼノ、ゼノ先生?」
     いつも通り高尚な科学の話を延々としてスタンリーに絡んでいたゼノだが、3本目を飲み干しすと真っ赤な顔でソファーに突っ伏し寝てしまった。
     缶ビールを飲みつつ、ゼノを優しく見つめるスタンリーの表情からやがて笑みが消えると、彼の首元に指を三本添えた。
     空間には、ゼノの寝息だけが響く。
    「…寝ちまったか」
     そう寝るに決まっている。
    3本目のビールには、彼がトイレに席を立った際に睡眠薬を入れた。
    今回処方されたヤツで、大概の奴なら一発で落ちる。
    お陰で俺も良く眠れる様になったんだが…
     ゼノの頬を両手で包むと、愛おしさに心音が高鳴る。
     目元のくま、また酷くなってんな。
    NASAの仕事で神経をすり減らしてっから、眠剤を処方されてもいいレベルだ。
    純粋過ぎるが故にいつも心を痛めている、科学馬鹿で可愛いゼノ。
    俺はそんな彼にずっと恋している。
    だが最愛の人は、俺を無二の親友だと信じて疑わない。
    だから、これからする行為は彼の信頼を裏切る事でしか無い。
     ゼノの唇にそっと唇を近づける。
     心音が更に高鳴り、自身の早鐘に耳を塞ぎたいほどだ。
     今すぐにでも唇に触れたい、彼の服を取り払いゼノを…ゼノをずっと奪いたかったーーー
     だが、結局顔を背けた。
     この気持ちに気付いた時に決めたんだ、ゼノの一生の親友でいる為に、恋心を悟られる訳にはいかない。
    側から見れば、意気地なしだろうと、彼の隣にいれるならそれで構わない。
     ただ、睡眠薬を処方されて 魔が刺した。
    これを使って一度だけでもいいゼノをーーー
     結果、一週間悩んだ挙句彼に会いたいのに足が向かなかった。
     ゆっくりとゼノを抱き上げると、キングサイズのベッドへ向かい、そのまま彼を寝かせると上掛けを掛けた。
    「おやすみ…ゼノ」
     穏やかな寝息を立てる頭を優しく撫でると、踵を返し玄関扉を開けた。
     外に出ると当たりの家々の灯も消え、満天の星空が広がっていた。
     施錠すると煙草を咥え、ジッポの火を着ける。
    「意気地なしでいいんだ…誰でも無い、ゼノの為に」


     目を覚ますと、既に昼の12時を回っていた。
    「んぅ…っ僕とした事が、寝過ごし……あれっ、スタン?スタンリー?」
     当たりを見回すも彼の気配は無く、ゼノは目を擦りながらベッドサイドに置かれて点滅する携帯に手を伸ばす。
    『ゼノ寝たから帰んぜ』
     簡素なメッセージを見て笑った。
     やはり軍人である彼も、流石に動揺したのか。
    三本目のビール、缶の側面に付いていた僅かな滑りが少し気になり、気づかれぬよう自然な所作で掌を舐めた。
    睡眠薬だと、直ぐに気づいた。
    だから、一気に煽って飲んだのに。
    「…本当、いくつになっても意気地なしだね。僕らは」
    ゼノは一人寂しげに笑った。






    ☆☆☆☆☆
    約5年ぶり、久々に書いた小説ニ作目だったので 荒が目立ちますが、4月に手直ししたそのままの感じにしました。
    一作目は、流石に目も当てられない内容なんでお蔵入り。
    あと、個人的にスタンリーの顎クイはゼノの脈をとってる説を推したい。ただし、オタ友曰く 脈拍は1日数回は取らないと掴めないらしい。
    えっ?そんなに首触る中!?
    より、唆るやん笑
    つか、この小説書いてた時期ってまだ「ゼノが合法ロリ過ぎてエロ書けないよーこれが限界」って言ってた頃や笑
    今は、この頃よりゼノ先生にエッチぃ事してニヤニヤしてます。
    とりあえず、スタゼノ小説マイペースにアップしていきます。
    海老茶衣丸

    2022 4/16
    ブログup7/11
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