新ミケレオ+ラフドン前提の寒色「ドニー、今ちょっといいか?」
控え目な声に振り向くと笑顔で手招きをした。
礼儀正しく入室してくるのなんてレオナルドくらいだ。
言葉が言い終わるよりも先に入ってくる弟と、そもそも入口なんて飛び越えてくる弟しかいないもんで。
「何、どうしたのレオ」
いや、と珍しくまごついていて、レオナルドらしくない様子にピンときた。
基本的にきびきびしているレオナルドがこうやって言いよどんでる時は最近じゃひとつしかない。
でも特に助け船は足さずに眺めていた、だって面白いし。
「いや、その…何か、包帯とか余ってないか」
入った時から気づいていた、首元にくっきりと残った鬱血痕。
「うーん、その位置のキスマークは包帯じゃ無理じゃない?ちなみに大きな絆創膏は品切れ中だよ、どこかの誰かさんにこないだ全部使っちゃったから」
正確には誰かさんと誰かさんなのだけど、身に覚えのあるレオナルドは先ほどまで赤くなっていたのに顔を青くさせている。
過去の行いを悔いているのかなんなのかその表情の変りぶりに引き攣る口元はもう抑えられなくて、考える素振りで口を掌全体で覆う。
「嫌なら嫌って言わないと、どうせ言ってないんでしょ」
しかし、まあ、あのレオナルドについてるキスマークって結構背徳感が凄いっていうか。
そう思ってつけた相手の表情がすごくよく浮かんだ。
「…………嬉しそうにするから、つい」
蚊の鳴くような声は、まさかの相手援護ときたもんだ。
なんともいえない空気に、漏れるのは苦笑しかない。
それなりに浮かれている兄を見ているのは気分が悪いわけじゃないが、得てしてそれは恋愛感情なんだかただの庇護欲なのか外側から見てると判断が難しいところだ。