【夏五】七夕ですね あるところに、とても強い力を持った少年がいました。少年の家はずぅっと昔から続く有名な呪術師の家系で、少年はその中でも400年ぶりだという稀有な双眸を持って生まれた特別な存在でした。
幼い頃から呪術師となるべく育てられ、呪術界のために生きることが定められていました。少年の強い力を警戒する敵も多く、生まれたときから賞金首、10歳になる頃には大人に混じって呪霊退治にも出かけていました。
少年にとっては、それが普通の日々でした。
大きな屋敷の中だけで過ごしてきた少年には、外の世界で同い年の子供たちがどんな生活を送っているのか知らなかったのです。
だから、特に疑問に感じることもなく、限られた世界の中で呪霊退治の日々を送りながら、すくすく育っていきました。
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