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    ブラウン

    ラス為基本カラプラ。気楽にスタンプ押してください。感想など頂けると泣くほど嬉しいです。

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    ブラウン

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    カラ←プラ←アサ(現パロ、高等部3←中等部2.3)
    プラ様片思いシリーズ。
    騎士部のマネージャーをしているプラ様がカラ先輩を見つけて〜です。

    一方通行春、とても過ごしやすい気候だが中等部の騎士部は既に熱気が凄い。
    汗を流しながら模擬剣を振るう部員達の横で私もちょろちょろと動き回る。出来る限り邪魔にならないよう皆にスポーツ飲料と冷たいタオルを手渡ししながら「頑張ってたわね!」「お疲れさま!」と声をかければ部員達も笑顔を返してくれる。本当にいい人ばかりだ。
    部員と談笑しているとステイルとアーサーが今後の日程の調整やトレーニング内容の変更を終えて戻って来た。
    「アーサー、ステイルお疲れさま!これどうぞ」
    「お疲れ様です、ありがとうございます」
    「お疲れ様です!ありがとうございます!」
    2人にも渡せば笑顔と礼が返ってくる。
    「何か私に出来ることないかしら?」
    私もマネージャーだというのにそういう調整は2人が中心だ。申し訳ない気持ちから申し出る。私もここで役に立ちたいのだから。
    「でしたらこちらの変更届けを顧問に渡して来てもらえますか?」
    「分かったわ!」
    珍しく頼まれごとをされて嬉しい。
    「あ!俺付いて行きまンで!」
    「大丈夫よ、すぐそこだから」
    「いえ、アーサー頼む」
    「ああ!」
    だが、結局これだ。私はいまだに一人で行動を許されない。勿論私が王女であるからこそ護衛が必要な事は理解しているが、騎士の目がある学校内くらいは1人で出歩いても問題はないと思う。2人共に過保護過ぎる。
    実際ティアラは1人で歩いているのだから。護衛ならティアラの方に付けたほうがいいと思うのだけど……。



    「ごめんねアーサーも忙しいのに付き合わせちゃって……」
    「いえ!俺のことは気にしないでください!!」
    アーサーはとても優しい。それに人の目を引く見た目で、騎士団長の息子で、騎士部の部長で、エースで、男女どちらにもとてもモテる。
    だからさっきから私たちは生徒からチラチラ見られている。もしかしたら常に一緒にいる私に嫉妬の感情を向ける女の子もいるのかも?そう思うが一度もそういう目線に遭遇した事はない。みんなキラキラとした綺麗な目を私にも向けてくる。

    みんな嫉妬しないのかしら……?

    やっぱり私のような醜い感情なんて純粋無垢な天使のみんなにはないのだろう。
    無くなればいいのに……と思うがまだまだ子供の私には上手くコントロール出来ない感情だ。どんどん考えが暗い方に引っ張られそうになり、別の話題をアーサーに振る。

    「ねぇ、アーサーは次の中間テスト勉強はどう?進んでる?」
    「うっ……」
    「ふふっ部活が忙しいものね」
    3年に上がったアーサーは部長になりいつもの鍛錬に部長としての仕事も増えて忙しそうだ。だが私達もあと1ヶ月もすれば試験だ。
    「もし良かったら家に来て勉強しない?ステイルもティアラも喜ぶわ」
    「はい、喜んで!!」
    アーサーも喜んでくれて良かった。
    アーサーは騎士科、私達王族は社交科と分かれ年齢も違うが小さい頃から一緒に過ごすのが当たり前で今も一緒にいることが多い。
    特にステイルと一緒にいるアーサーは生き生きしているし、ティアラとも兄妹のようだ。ただ、私にだけは昔から距離を作られてしまっている。
    それが寂しいと言ってもこれだけは変わる事はなかった。

    「あ!」
    「ん??」
    前方を見ていたアーサーの目が輝いた。何だろうと思えば職員室からカラム先輩が出て来たところだ。その隣には女子生徒、中学3年生の生徒会長だ。
    「では当日よろしくお願いします」
    「はい、ありがとうございます。カラム先輩!」
    互いに礼をして別々の方向へ歩き出すところまで見て私は目を逸らした。
    生徒会長は小柄で、可愛らしい見た目、まさに私とは真逆の女の子って姿をしている。クラスの男子も可愛いとよく話題にしているのを耳にするほどだ。
    目を逸らしたのはその彼女が頬を赤く染めてキラキラした目でカラム先輩を見ていたから。すぐに好きなのだと分かってしまった。

    (嫌なの見ちゃったな……)
    去って行くカラム先輩はソレに気付いていない。それだけが救いだ。あんなにも可愛らしい女の子に私が勝てるわけないのだから。いえ、そもそも私は勝負出来る立場ではない。騎士を目指すカラム先輩を好きになる権利も許されていないのだから。
    これから先カラム先輩が恋人を作り、将来は婚約をするのだろう。それを私はちゃんと笑いながら『おめでとう』と心からお祝い出来るのだろうか?

    いや、しなければならないのだ。
    その頃にはこの子供な心を大人にして置かなければならないんだ。


    でも。


    「アーサー追い掛けて来たら?」
    「い、いいえ!忙しいでしょうしッ!!」
    そう言いつつ本当は今すぐ駆け出したいとウズウズしているのは見れば分かる。カラム先輩も可愛い後輩のアーサーには会いたいと思っているだろう。
    「もう、行くわよ!」
    「ちょっ、プライドさま!?」
    アーサーの手を掴んで早歩きでカラム先輩の後を追う。これは私の我儘だ。でも少しぐらいいいじゃない、私に残された自由は学生の時間しか無いのだから。
    「ちょ、ちょっとプライド様、手っ手!!」
    「早くしないと行っちゃうわよ!」
    ブレーキを掛けようとするアーサーの腕を取りズンズン進む。
    アーサーを無理矢理巻き込んでいるのは分かっている、それでもカラム先輩と会いたい、喋りたいと思ってしまう気持ちを止めることは出来ない。私と、でなくていい。ただ少しだけ近くに居たい、それだけは学生の間は許して欲しい。

    「カラム先輩!!」

    私の声に振り向いたカラム先輩は私とアーサーだと認識すると笑顔で身体ごと振り向いてくれた。
    その優しい笑顔が、暗い廊下なのにとても輝いて
    、そこだけスポットライトが当たっているように見えてしまう。
    本当に自分はカラム先輩が好きなのだと再確認して頬が熱くなるも、出来る限り自然な笑顔を作る。
    「プライド様お久しぶりです、アーサーも」
    「お久しぶりです、お見かけしたので追い掛けて来ました!」
    落ち着いた大人の声に耳が喜ぶ。気を抜いたら溶けて崩れただらし無い顔になってしまいそうだ。必死に笑顔をキープする。
    「そうでしたか、それはわざわざありがとう御座いました。それで……」
    カラム先輩は私の後ろに目をやり、口に手を当てて珍しくクスクス笑った。
    「少しアーサーを離して頂けますか?」
    アーサー?と振り向けば真っ赤な茹でダコのような顔で今にも倒れそうに首をぐわんぐわん前後左右に揺らしている。
    「アーサー!?」
    「〜〜ぷっらいどさまぁ〜〜〜………」
    「キャーーー大変!?」
    突然熱を出したような真っ赤にしなっているアーサーの額に手を当てると、更に赤く熱くなる。そしてその場にぐでっと体育座りをするように顔を隠してしゃがみ込んでしまった。見えている耳と首根っこが赤い。
    「アーサー!?」
    大丈夫??とペタペタと身体に触れば服の上からも分かるほど、どこもかしかしこも熱くなっている。
    「大変!?保健室ッ!?」
    「プライド様大丈夫ですよ。な、アーサー」
    クスクスとまだ面白そうに笑いながらカラム先輩はアーサーの肩にポンと軽く手を置いた。するとビクッとアーサーの身体に力が入り背筋がビシッと伸びた。
    「大丈夫か?」
    「は、はいっ!?すンません!!」
    アーサーは慌てて立ち上がりカラム先輩に頭を下げた。心なしか、銀の髪も力無く垂れている。
    「謝らなくてもいい。これからもプライド様の護衛を頼むな」
    再び肩にポンッと手を置かれたアーサーはやはり同じく背筋を伸ばした。

    肩ポンが何かのスイッチなのだろうか?と私は首を捻る。
    今までステイルや騎士部のみんなともしているのもよく見ているが、こんなにもガッチガチにはなっていない。
    不思議だと思い私もアーサーの肩に軽く手を置いてみる。

    ポン。

    「プ、プライドさまッ!?どうしたンですかッ!?」
    これ以上ない程大きく目を見開き、身体に力が入りカッチカチになってしまった。
    カラム先輩の時とは似ているようで違う反応だ。
    憧れの先輩とは違い私に対しては、怖がらせてしまったのかしら??

    「身体は大丈夫?無理させてしまってごめんなさい」
    「いッいーー、いいえッダィジョォォォブです」
    どこから聞いても大丈夫そうには聞こえないほど取り乱しながら言われてしまった。
    「ははっ、アーサーも元気そうで良かった」
    「し、失礼しました!!」
    カラム先輩が笑えばアーサーは、恥ずかしさからかまた耳まで赤くし髪を垂らして俯いてしまった。

    カラム先輩が言うなら大丈夫なのだろう、良かった。
    だけどそれ以上に、楽しそうに笑うカラム先輩が見れて良かったと言ったら怒られるだろうか。
    やはりカラム先輩はアーサーの前だと笑顔が増えている。
    私の前だと畏まってしまうから──。


    だいぶ頬の赤が取れたアーサーがカラム先輩へ身体ごと向けた。
    「あ、あの、カラム先輩は今日どうしたンですか?」
    「ん?」
    そうだ、高等部のカラム先輩が中等部にいるのはとても不思議だ。
    「生徒会の事で中等部の生徒会と話があったんだ。それが終わったから生徒会の先生に挨拶をしに職員室に。で、今は高等部に帰るところだ」
    「あー、そうなンですね……あの……忙しい、ですよね?」
    背の高いカラム先輩に上目遣いで伺うアーサーの目は子犬のようだと思ってしまった。カラム先輩もそう思ったのだろうクスクス笑う。
    「なんだ、部に来て欲しいのか?今顔を出すくらいなら大丈夫だぞ」
    さすがカラム先輩だ。アーサーの心を読んでくれた。
    パァァァと明るい顔をするアーサーの頭には銀色の耳、お尻には銀色の尻尾がブンブン振られているのが見える気がする。

    「是非ッ」

    喜ぶアーサーは本当に子犬のようにカラム先輩に無邪気な笑顔を向け、カラム先輩もそれが嬉しいようで、私も同じく笑ってしまった。
    「プライド様はどちらに行かれるおつもりだったのですか?」
    「私は職員室に、部活の顧問に予定表を渡しに行くだけです」
    「なら職員室に寄ってから顔出しに行きましょう」
    「「はい!」」
    私とアーサーが声を揃えて返事をすれば、またカラム先輩が可笑しそうに笑った。もしかしてカラム先輩から見たら私も犬に見えているのだろうか??


    道中2人は私も混ざれる話題を提供してくれる、本当に素晴らしい気遣いだ。それだけで嬉しくて、そしてどんどん身勝手にも惹かれてしまう──。
    自由な時間はずっとこうやって過ごしたい。
    身勝手にもそう思ってしまう程に。



    カラムが高等部の鍛錬場に戻って来ると入り口で休んでいたエリックが立ち上がって頭を下げた。
    「お疲れ様ですカラム部長!」
    「エリックお疲れ。留守にして悪かったな」
    「いえいえ。それで何かいい事ありましたか?」
    「ん?」
    「楽しそうですので」
    「そうか?」
    カラムは不思議そうに顔を触る。いつも通りを心掛けた筈だが顔が緩んでしまっていたか?
    「いえ、表情ではなく雰囲気です」
    そう後輩に指摘されれば恥ずかしく頬を掻いてしまう。
    「帰りにアーサーとプライド様に会ってな、中等部の部活を覗かせて貰ってきた」
    「へぇ〜2人にですか」
    「私も数年前まであそこにいたんだと思うと、懐かしいものだな。みんな気合を入れて取り組んでいたよ」
    「そうですか!アーサーも部長頑張っているみたいですし、プライド様とステイル様もいらっしゃるから中等部も大丈夫でしょう」
    エリックも話を聞いただけで懐かしくなるが、だからといって戻りたいとは思わない。今目の前で話す先輩と部の中心で騒いでいる憧れの先輩の下で学びたい欲の方が大きい。
    「ああ、そう言えば。アーサーとプライド様は腕を組まれて歩いていたよ」
    「えッ!?」
    「アーサーは可哀想なほど真っ赤な茹でタコのようになってしまっていたが……」
    思い出して笑っているカラムにエリックも微笑ましい2人を想像して顔が笑ってしまう。
    「相変わらず仲がいいな」
    「そうですね〜」
    そして相変わらず容赦ないのだろうプライドの様子を聞けばアーサーに同情する。これが恋愛ならもっと微笑ましいのだろうに。


    「2人が付き合えればいいのだがな」


    「え?」
    思わず聞き返してしまうとカラムも自分の発言に驚き手で口を押さえた。
    「すまない。今の失言は聞かなかったことにしてくれ」
    「り、了解です……」
    突然核爆弾のような発言を残し、部活に戻って行くカラムの背中を見ながら今度はエリックが頬を掻いた。
    (相変わらず鈍いな、この人も……)
    人の心に寄り添い察する能力が誰よりも高いのに、自分に向けられる好意を何故こんなにも理解出来ないのだろうか不思議で仕方ない。
    エリックにとってカラムは騎士としても人間としても尊敬する先輩の1人だが、その鈍感さには飽きれてしまう。

    カラムからすればプライドは〝可愛い後輩〟の〝王族〟でしかないのだ。

    そしてそのプライドが見ている先が誰かも知っている。
    エリックが頭の中にプライド様を中心とした人物相関図を思い浮かべれば地獄の様相でしかなくゾッとする。
    政略結婚が当たり前の王族、恋が実る確率が低いならば好意に気付かないほうが幸せかも知れない。
    そう思いながらアランに捕まったカラムの背中を見た。将来この国の騎士団を背負って立つ騎士の背中を。


    エリックは空を見上げた。
    青い空に白い雲が浮かんでいる、日差しがぽかぽかとし、風が吹けば更に心地良い気候だ。火照っていた身体もだいぶ冷えた。

    「おーい、エリック!!」
    「あー、すみません、今行きます!!」

    尊敬する先輩に呼ばれて部活に戻る。
    「エリック!聞いたか?プライド様がアーサーと──」
    「エリックにはもう話した」
    「なぁ!今度会った時にからかってやろうぜ」
    「いえ、それはあまりにもアーサーが可哀想ですよ」
    「まったくだ。アーサーのことも考えてやれ」
    「えー、俺ならそのまま手繋いでダンス踊るけどな」
    「相手を考えろ!!」

    我々はまだまだ学生。
    今は全力で騎士になる事を目標に掲げる日々。
    騎士を目指す我々に〝恋愛〟をしている余裕は〝まだ〟ない。






    ■後書き
    片思いシリーズのプラ様のコマンドは常に『ガンガン行こうぜ猪突猛進』です。それに引きずられるアサくん、最初はもっと可哀想だったのでマイルドにしました。
    あと本当にカラ先輩の肩ポンに何があるのだ??

    私の中のアラン先輩は間違いなくダンスを踊ります。てか、踊ってくれ!!

    失言、絶対カラ先輩言わないと思いつつ言わせてしまった🤔
    プラ様の片思いを知らない人はアサ×プラを応援している設定です。(本当にごめんなさい)
    知らぬは当事者のみ。
    ステくんはあえて2人で歩かせてます。(策士!)

    最後までお付き合いくださりありがとうございました。気が向いたらまた書きます。





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