15の君へ「場地。今年の誕生日、何が欲しい?」
思いがけないマイキーの言葉に、思わず驚いてしまった。
15歳まであと数日。
最早出会ってからの年月の方が長くなって久しいけれども、こいつからそんなことを言うのは初めてだった。明日はたい焼きの雨でも降るんじゃないだろうか。
目立ちたがり屋のマイキーが盛大に祝えと騒ぐのはともかく、オレ自身の誕生日なんて言うのは日常の延長にあるほんのちょっぴり特別なケーキが食えるだけの一日で、ある程度大きくなってからはホールの上に置かれたプレートの名前がオレかマイキーかに変わるくらいの差でしかないと思っていた。
だから本当にこの言葉は意外だったのだ。
「何、急に」
意外すぎて、こういう時、敢えてプレゼントと銘打つほど欲しいものも思いつかない。決して物欲がない訳じゃないがここ数年はせいぜいコンビニで500円分奢るとか、マイキーからだって小学生の頃、当時欲しがっていた食玩のミニカーを貰ったのが最後のような気がする。
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