ぼんやりと考えていたこと『虚の庭に咲く』
【本編に入るまで】
世界は魔王こと愛之介の父が支配していた。
忠の父は魔王の配下だった。ナーガとして天気を操り人々から畏怖と感謝の入り交じった信仰を集めていた。
しかし、世界が自由を求め魔王と敵対、そして魔王と忠の父を含めた軍勢は倒される。
残された忠と数人の部下は幼い愛之介を連れ山奥の城に隠れる。
そこで息を潜めて次代の魔王を育てていた。
【本編軸/幼少期】
愛之介の父が残した遺産を切り崩し、忠が麓の町で食料などを調達していた。
町では引きこもり貴族と数名の使用人が居ると説明し、魔王の子がいることは隠していた。
数年が過ぎ、周辺地域が干ばつに。町で食料が調達出来ないと困るため忠が天気を操る。
そのことを人々に感謝され、ナーガの生まれ変わりとして信仰されるようになる。
最初は戸惑うものの、これを期に人々と友好を築くことで主人である愛之介様が心から笑っていられる世界に繋がるのではないかと考え、人々に尽くすようになる。
元々買い出しで人々と関わる内に、再び魔王の支配をと企む古老衆とは意見が合わなくなっていたため忠にとってこれが唯一の望んだ未来への道筋だった。
と同時に忠の屋敷にいる時間が少なくなり、愛之介がお忍びで抜け出すきっかけにもなった。
【題名について】
『虚の庭に咲く』
厨二病っぽい…と思いつつ、決定しました笑
『虚の庭』は忠と愛之介が住んでいるお城のことです。
愛之介は次代の魔王にと望まれて育てられてきました。そこに健全な愛情はなく『虚』のような箱庭だったと思います。
しかしそこで共に幼少期を過ごした忠愛はお互いに特別な感情を向けました。
見せかけの箱庭の中でも二人の愛は育ち花のように咲いた、そんなニュアンスを込めました。