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    mee30232362

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    mee30232362

    ☆quiet follow

    君と未来 4ビューティハリーの外階段で。
    2人で静かに過ごす、最後の夜。

    「私に伝えたいこと?今更何?」

    ハリーは私の想いを受け入れてはくれなかった。

    悔いはない。
    でも、やはりまだ忘れることは出来なくて。

    そんな複雑な気持ちを、勘のいいハリーなら気付いているんじゃないだろうか。

    けれど、話は全く違う所にあった。

    「俺たちは…ここから6年先の未来から来たんや」

    予想外の告白に、ほまれは驚くいてハリーを見た。

    「何…言ってんの?だってハリーは、ずっと遠い未来から来たって…」
    「言うてない。前にパジャマパーティーしたやろ?あん時、俺は具体的に言うた。でも…」

    ハリーはどこか遠くを見ているようだった。

    「でも、みんなはすぐにそれを忘れよった」

    言われても尚思い出せない。

    「わからんけどやっぱり、未来を知り過ぎるんはあかん言うことなんやと思う」

    ハリーは少し俯いてから、ほまれを見た。

    「せやから、ほまれは今日のことをきっと…忘れると思う。けど、どうしても伝えておきたかったんや」

    まっすぐにほまれを見る青い瞳。

    「俺は必ず、未来の世界でほまれを見つけ出す。何があっても…必ず」

    驚きと、嬉しさ。
    でも、きっと忘れてしまう寂しさ。

    色んな感情が溢れて、涙になる。

    「そん時は…もう一度、俺の想いを聞いて欲しい」







    ほまれはハリーの腕をそっと握って、静かに降ろした。
    一歩後ろに下がって俯き、一呼吸置く。

    やはり思い出せない。
    けれど、思い出せない思い出があることを、思い出した。

    「そっか。また、会えた。嬉しい…」

    顔を上げる。

    嬉しいのは本当。
    でも、たぶん…私は笑えていない。

    ハリーはそんなほまれをただ見つめていた。

    「はぐたん…キュアトゥモローは?ちゃんと想いは伝わったの?」

    聞きたくなかった。
    本当はそんなこと知りたくない。

    これを聞いたらきっと、今度こそ本当に終わる気がする。

    ハリーは少し驚いた顔をしたが、すぐに優しい笑顔に戻って答えた。

    「トゥモローには、ちゃんと伝えた。ありがとうって伝えて、アイツと仲間の幸せを…ちゃんと見届けて来た」

    今度はその笑顔をほまれに向ける。

    「せやから、次は俺の番や。俺が、ほまれに想いを伝える番」

    ハリーは少し目を瞑る。
    はぁ、と深呼吸をして、ほまれを見た。

    「俺は、ほまれが好きや。ずっと、伝えたかった。ほまれが俺を好きや言うてくれて、本当はすぐにでも…抱きしめたかった」

    ほまれをまっすぐに見る。
    それは、あの日と変わらなかった。

    「それが出来んかったんは俺が弱かったからや。俺だけが幸せになるなんて…出来ん思った。本当は諦めるつもりでいた」

    ハリーはもう迷いのない顔をしていた。
    ほまれもそんなハリーから目を逸らすことが出来なくて。
    ただ、静かに言葉を聞く。

    「でも、まっすぐなほまれを見て…やっぱりあの日、決めたんや。俺も、ほまれに…想いを伝えようって…」

    少しだけ笑顔が見える。


    「俺は、輝木ほまれが大好きです」


    何度も拭った涙が、また溢れ出す。

    「…遅いよ…」

    小さく呟く。

    忘れようと思ってた。
    何度も思い出しては、悲しみを乗り越えて来たのに。

    「何年…経ったと思ってるの?もう…待ってる訳…ないじゃん…」

    終わった恋なんだ。
    甘酸っぱいただの初恋。

    何度自分に言い聞かせたかわからない。

    「あの日から覚悟はしとった。でも、」

    ハリーは笑った。

    「何度でも、何度でも、惚れさせたる」

    涙でもうくしゃくしゃの顔。
    ほまれも笑う。

    手を伸ばして、一歩前に踏み出した。

    その背中に腕を回して、ぎゅっとしがみ付く。

    何度も夢見た、この瞬間を。

    「待ってなかったけど…。
    ずっと、ずっと大好き…でした」

    ハリーもほまれの背中に腕を回す。
    もう一度、その頭を優しく撫でた。
    耳元でそっと囁く。

    「ありがとう。遅くなってごめんな。
    愛してる」





    End***

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