やきもち「あ~みかん食べたいなぁ。普段頑張ってる俺のために誰か剥いてくれないかなぁ」
「よぉし! おれに任せろ! 一筋残さず綺麗に剥いてやるからな~」
「うむ。苦しゅうない」
なんだろうかこれは。いや、これといって珍しいわけでもなく、よく見る風景だ。凛月とレオがあったかいこたつに潜り、呑気にみかんを食べている、いつも通りといえばそうなのだけれど。
「ほら、剥けたぞ。あ~ん」
「あ~ん。うん。おいしい~」
「ほっぺがおちそう」などとぬかしながらみかんを咀嚼する凛月。そのどこのスーパーでも売ってるみかん、いつも食べているやつでしょ。「おれが剥いてやったからな! 当たり前だろ!」なんてしたり顔をしているレオもよくわからない。なんなのだろうかこの二人は。みかんの白い筋なんててんで気にしなさそうなレオが、凛月のために綺麗に筋を取り尽くして、おまけに口にまで放り込んであげている。二人が仲良いのは今に始まったことじゃないけれど、最近は少し距離感が近すぎるのではないだろうかと思うことが、最近よくある。
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