。その日は、とても暑かった。
まるで皮膚にまとわりつくかのような空気が、私の周りを満たしている。
淡々と読み聞かせられる、その声は酷く喪失感を覚えさせるようで、やけに...弱々しく感じた。
いつも通り。
いつもと違う。
何かが、違う。
指名先は、私を超えて次の生徒へ、...。
ぼーっとしていると、チャイムが鳴った音がした。
授業が終わるなり、騒音が鳴る。クラスメイトは、クラスメイトへ。
私の中は、空っぽだった。誰も、何もいない。
私も、クラスメイトも、誰もいるようでいない、この世界が、つまらなかったわけでは無い。この世界は、ただ空っぽで....意味など、無かった。
唯々並べられる、言葉を読んだ、そんな気がした。
放課後、いつも通りに私は足を運んだ。
重く、ずっと私にのしかかる、何かはもう、すぐそこまでやって来ていた。
『 』
「.......。」
一番最初は何を話したか。
私は、私には、何もわからない。
「アンタはさ、なんで死にたいの。」
『...私は、死にたく無いよ。』
「じゃあ、なんで...、」
『意味なんてないよ、何も。』
差し伸べられた、手はただ、虚無を掴んだ。
私は、まだあの時の返事を知らない。