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    あおかぶ

    @ao_frnt_kbrr02

    パシナシ二次創作中心。
    Xにポストしにくいものやラクガキなど置いてます。

    ※R18作品は18歳未満の方は閲覧しないようお願い致します。

    🗝パスワード→パーシバルとナシエンスの誕生月を数字4桁で。

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    あおかぶ

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    パシナシ 小説
    魔界でパが消えてから~妖精界で復活までのパ独白。こんな感じで喋らなさそう…。
    まぁ妄想のひとつとして…。すみません…。
    文脈変なところ等は優しく広~い心で見て下さい。拙い文章なので…🥲
    6/30に実はXにこっそりupしてたものを加筆修正。誤字脱字等ありましたらすみません。

    Uninterrupted Hope becomes Strength and Courage. ─キミはいつだって僕を一番信じてくれた。
    それが「希望」となり、僕に強さと勇気をくれたんだ。

    16歳の時じいじが僕のせいで殺されてしまい、ひとりぼっちになった僕は神の指から旅出った。
    そしてランスロット、ドニー、ナシエンス、アン─僕にとってかけがえのない仲間達と出会えた。大切なじいじが死んでしまって悲しさと不安でいっぱいだった僕の心は、皆との出会いで救われた。
    そしてシスタナでのイロンシッドとの闘いの中で、僕を信じ想ってくれる事で「希望」の力を与えてくれたナシエンス、ドニー、アン─この三人が「心から信頼し人生を共に歩む大事な誰か」─最期にじいじが教えてくれた、ひとりぼっちになった僕がこれから生きていく為に必要な誰か…それが皆なんだと思った。皆の心が、気持ちが、いつだって僕を強くしてくれる。勇気を与えてくれる。僕は皆がいるから力を貰える。大切で大好きな皆を守ることが出来る。そんな力を君達は惜しみなく僕に与えてくれる。そして僕を心から信じてくれる。だから僕も同じようにキミ達を心から信じてる。僕達は信じ合える仲間だから。僕はそう思った。
    でも僕はそんな皆を裏切ってしまった。皆を守る為に"パーシバル"の中から消える事、それが僕に出来る唯一の事だと思った。
    僕が生まれなければじいじもきっと─。
    僕は本来生まれてくるべき"生命"ではなかった。しかし生まれてしまった。その事で大好きで大切な仲間達…ずっと一緒にいたいと思える皆を苦しめて傷付けて、もしかしたら─最悪な考えが過ぎった。生まれてはいけない"生命"がもたらすものは「希望」なんかではないんだ。それならば…。僕は慣れ親しんだ体に別れを告げて、本来の姿である精霊体へとなった。つらくないなんてうそになる。本当は皆と一緒にいたい。ずっとずーっと一緒にいたい。もっと皆とやりたい事だって沢山あったのに。でも僕はそれを望んではいけないんだ…。キミ達を守れるならば僕はきっと、ううん、絶対に後悔しない。これで良かったんだと心から思える。きっとそんな日がくる。絶対にくるはずなんだ。
    僕はそう信じて、流れるはずのない涙が頬を伝う感覚を体があった時のように感じながら、皆の幸せを願った。きっとこの涙のように感じるこれも「悲しみ」から「希望」を意味するものになる。体から離れたばかりだから感じるようなその涙に僕はただその願いを託す事しか出来なかった。

    ─精霊体になってから二年が過ぎた。
    僕の体は妖精界に安置されている。二年経ち成長した18歳の"僕の体"は髪がすごく伸びていて、体付きも変わり身長もすっかり伸びていた。
    まるで別人だ。不思議な感覚を覚える。そんな僕の体の世話をして診てくれているのがナシエンスだった。毎日僕のいる囁きのトンネルに来て、色んな話をしてくれる。今日は新種の薬草を発見したとか、珍しい鉱物があったとか…。興奮すると唇を噛み切る癖は全然治ってない。白い肌に伝う血が鮮やかで、キミと初めて出会った時の事を思い出す。
    …あの時僕はナシエンスが使い魔を噛んで出た血だと思ったんだっけ。…本当に変な子だよなぁ…。
    思わず二年前のあの頃に思いを馳せて小さく笑みが零れた。
    あれから共に旅をする仲間となったナシエンス。出会った時は変人だなぁと…まぁ今も変な所はあるけど、とても優しい子なんだなと思った。
    誰よりも僕を心配してくれたり、慰めて頭を優しく撫でてくれたり。一緒に必殺技名も考えてくれたなぁ。どれもいいですね、と言って中々決まらなかったけど、でもすごい楽しかった。…皆は全然参加してくれなかったけど…。
    あとうっすらとしか覚えていないけど、シスタナでのイロンシッドとの闘いで僕が心臓を刺されて死んだ時、僕は屍となった体からナシエンスの体温を僅かに感じ、そして僕に"英雄"と言ってくれてた気がしたんだ。そしてその優しい体温を感じながら、ナシエンスの痛々しい叫び声が聞こえた。何が起きているのかは分からなかった。でもナシエンスがイロンシッドに傷付けられ、その痛みで叫んでいる。体が死んでいる僕は、苦しむ声をあげ続けるナシエンスが僕を守るように抱き締めてくれているだろうという感覚をなんとなくしか感じ取る出来なかった。でもそんな時でもキミは、僕を信じる気持ちをいつものように強く持ち続けていてくれた。誰よりも、いつだってキミは誰よりも。…今眠り続けている僕にさえ。
    キミは僕を信じ続け、必死に薬を作っては僕に飲ませてくれている。
    …ごめんね、それでは僕は目覚めないんだ…。
    音にならない言葉をキミに紡ぐ。
    キミは嬉しそうに、今回のは自信があります!と嬉しそうに言ってくれるのに、僕はその期待には応えられない。何も反応しない僕にナシエンスの綺麗な顔は暗く淀んだ。
    ─いっそ諦めてくれれば楽なのに─
    そう思った事も何度もあった。キミ達を守るために消えたのに…なのに報われない事を必死にやり続けるキミを見ているのがすごくつらかった。僕は何度キミを裏切ったのだろうか。どうしてそんなに僕の為に頑張るの?僕はキミにつらい思いをさせたくないから消えたのに。キミが悲しんでいたら意味がないんだよ。どうして僕が皆の前から消えたのか─大好きなキミ達を守る為にずっと笑顔でいて欲しいからなのに。
    僕はずっとずっとナシエンスが諦めるのを待っていた。でもキミはずっとずっと僕が目覚めるのを信じ続けていた。
    …僕の気持ち…伝わらないのかな。
    伝わる訳がない。僕は何も言わずにキミ達の前から身勝手に消え去ったのだから。
    「その子もさぁ自分勝手だよね~ 。…こんなに自分を想ってくれるナッシーや他の友達のことも置き去りにして消えちゃうなんてさ!!」
    …ティオレーの言う通りだ。
    僕は信じてくれていた皆を裏切って消えたんだ。僕は皆の為だと思った。後悔しないと思った。間違いのない決断だったのだと。
    だけどそれは間違っていたのかもしれない。
    僕の心は揺らぎ始めていた。
    ナシエンスがトリスタンも同じような事を言って怒っていた、とティオレーに言った。
    きっと僕が予言の騎士としての責務をどんな理由であれ自分勝手に放棄した─と思われても仕方ない。僕が僕の生まれた理由や存在意義を否定されてつらくなり逃げ出したと思われても当然だ。
    僕達四騎士が守り救うべきものはブリタニアであり、その為に倒すべきはキャメロットでありアーサー王だ。僕は一番大事なキミ達を守りたい、その気持ちで独りよがりに決断してしまったのだ。信頼しているキミ達に縋っても良かったのに。僕はどうすればいい、どうしていけばいいのかと。
    人間ではない僕、人間と同じような感情を持ってしまい生命の精霊である自覚も記憶も忘れ去り、自分を人間と誤認し、"パーシバル"という人間として生きてきてしまったせいで死ぬべきではない人が死んでしまった事。幸せになる未来を奪ってしまった事。そんな罪を背負ってしまった僕はキミ達もそうなってしまうのが怖い。失いたくない。どうすれば…。
    …僕はキミ達にその思いを伝えれば良かったんだ。いつだって何があったって信じてくれたキミ達を、僕は…。
    信じてくれていたのにキミ達の言葉を聞くことも無く、結果としてキミ達の心まで裏切ってしまったんだ。心臓などある筈がないなのに抉られているような痛みを感じた。
    僕はどうしてこんな事をしてしまったんだろう。
    そう思っても時はもう戻らない。僕の時間はあの時から一秒たりとも進まない。時を刻む事はない。もう僕は"パーシバル"としての時計を動かす事はもう出来ない。どんなに強く望んでも─。
    「俺は…違うと思う。… 悪いのは俺たちが無力だったせいです 。彼は自分の存在が仲間たちを巻き込んでしまうことを恐れ…結果こんな決断を…。パーシバルは他人の痛みを自分の痛みのように感じることができる───…本当に心の優しい少年なんです…。」
    ナシエンスの声がトンネルに優しく響いた。
    …キミ達は悪くないよ。無力だなんて思ったことなんて一度もない。ナシエンスは僕が何故皆の前から消えたのか、分かってくれていた。そこまで僕のことをキミは分かってくれていたのに。
    …キミの方が優しいよ。だから僕が追い詰められて決断した時の気持ちが分かるんだよね。他人の痛み─。キミは僕の心の痛みを自分のことのように感じとれるから、僕の決断が分かったんだね。
    キミの優しさがつらい。苦しい。それなのに僕はキミを悲しませ続けることしか出来ないんだ。
    キミは今でも二年前と同じように僕を信じてくれている。
    …僕が苦しいのは、キミが諦めてくれない事じゃなくてキミの想いに応えられない事なんだ。
    ─大切なものを扱うように僕に触れるキミ。
    ─じいじがしていたような、優しくて暖かい眼差しで僕を見てくれるキミ。
    今だけじゃない、キミはずっとずっと、木霊の谷から一緒に旅立った時から、その眼差しを僕にくれていたんだ。その小さな白い手はいつも優しく僕の頭を撫でてくれて、急に抱きつかれてびっくりする事も多かったけど、その行動は僕のことを本気で心配してくれているから。その気持ちがとても伝わっていたからキミの気持ちが、その温もりが嬉しかった。
    体のない今の僕には感じられないもの。
    体があったからこそ感じられたもの。
    そして今も感じるキミが僕を想う心。
    ─僕はキミと出会ってから暖かい想いを沢山貰っていたんだね。
    なのに僕は…。
    誰かに想われるのがこんなに嬉しくて幸せで心が暖かくなって、そして心を強くしてくれるなんて思わなかった。
    …じいじもそうだったな。
    いつでも僕をいっぱい愛してくれたじいじ。じいじの温もりも優しさも幸せで嬉しくて心地よかった。大好きだった。
    もしかしたらそれに似ているのかな。キミが僕にくれる想いは…。
    「ナッシーは大好きなのね。パーシバルのこと!!」
    ティオレーはナシエンスに言った。
    「は…はい。」
    顔を赤くしてナシエンスはそう答えた。
    「かわいいねぇ。なーに恥ずかしがってんのよ~?」
    「や…そう言われても…。」
    ティオレーにペンッとはたかれたナシエンス。
    ドニーやアンと離れ、見知らぬ場所で一人で僕と共に来てくれたけど、仲が良い子が出来て良かった。明るくて楽しい子だね。あと他のティオレーの兄弟達も。…一番上の子とは上手くいってないみたいだけど…早く仲良くなれたらいいのにな。ナシエンスは頑張り屋で優しくて心配性で変なところもあるけどすごくいい子なんだよ。
    僕の大好きな仲間。一番僕を信じてくれる人。
    …戻れなくてごめんね、ナシエンス。
    滅多に泣かないキミが一人でこっそり僕の体の元へ来て、声を抑えるように泣いていた事もあった。
    ごめんなさい。許してください。
    そう言いながら。
    それは僕の言葉だよ。
    僕はキミの想いを何度も踏みにじっているのに。僕を信じてくれるキミを何度も傷付けているのに。
    キミの体をそっと抱き締める。空気のように実体のない透き通った存在の僕をキミは感じ取る事は出来ないだろう。僕はキミに謝りながら強く抱き締めた。…だけど僕はキミに謝って許しを乞うのか。それでいいのだろうか。そんな簡単な事じゃない。許してなんて、そんなの僕が楽になりたいだけじゃないか。キミの優しさに甘えてるだけじゃないか。違う、謝って救われるものなんかじゃない。何度もキミを苦しめて傷付けきたのに。信じるその綺麗な心を裏切り続けたのに。踏みにじり続けたのに。その姿を黙って見続けてきた僕はキミに許されるなんて思っていいのだろうか。
    僕の目から涙は流れることは無いけれど、まるで流れたように目頭が熱くなり、喉の奥が焼けるような感覚がした。
    ─あぁ、僕は、僕を一番信じてくれるキミを、その温もりを感じられなくなってからやっと…やっと惜しみない想いを沢山注いでくれていた事に気付けたんだね。
    当たり前のように貰っていたキミの想いを16年間共に生きてきた体を失ってからやっと…。
    もし、もしも僕が再び体に戻る事が出来るのなら、僕はキミの元に一番に行くよ。
    許してくれなくてもいい。僕を信じて、なんて言わないよ。 この想いをくれたキミのところへ。誰よりも信じるてくれるキミのところへ。…もし守ることが出来るのならばキミを命を懸けて守りに行くよ。
    キミは僕にいつだって「希望」を与えてくれていた。その僕もキミにいつも「希望」を感じていたんだよ。信じる合える心、固い絆、互いを想い合える事、それが僕の強さになる。それが「希望」。僕の想い。
    もしもその願いが叶い、体に戻れるなら僕は一番最初にキミのところへ還りたい。
    …大好きで大切な仲間─そして特別なキミの元へ。

    ─キミの心臓の鼓動が止まりそうになったその時、僕は二年ぶりに自分の体"パーシバル"に戻ることが出来た。止まっていた"僕"の時計の針がやっと動き出した。

    許さなくてもいい。それでも僕はキミと一緒に闘うよ。闘わせて欲しいんだ。今度こそ大切なものを守る為に。
    大事な人々、その人達が平和に暮らせるように。その人達の笑顔を守る為に。ブリタニアを絶対に救う。
    僕の大好きな仲間達が幸せに笑顔で生きていける世界にする為に。
    いつだって僕を信じ続けて「希望」をくれたキミが、あの優しい笑顔でずっと幸せにいられるように。
    そしてもうキミを傷付けて悲しませない為に。
    沢山のぬくもりをくれた優しいキミを僕は絶対に守るよ。許してくれなくても。それでも。それでもいいんだ。
    ─大好きで大切な仲間。でも何だかちょっと違う、不思議なキミ。
    それが何かはよく分からないけど、僕にとってすごく大切な人…特別な人なんだってことは分かるよ。
    だから僕はキミの為に闘うよ。
    ─キミの笑顔を守る為に。

    Uninterrupted Hope becomes Strength and Courage.

    END




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