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    pon69uod

    @pon69uod

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    pon69uod

    MOURNING2018年に書いたお話、ぷらいべったー再掲
    お電話をするほづかな「大変大変~~~っ!火積先輩、かなでちゃん、どうやら倒れちゃったらしいですよ!」
    部室の扉を開けるやいなや、慌てた様子で叫ぶ新に、火積は盛大に顔をしかめた。新が騒がしいのも、走ってはいけないと言われている廊下を放課後になると全力で走ってくるのも、部室の扉を明け閉めする勢いで表に掛けてある看板を落としてしまうことも日常茶飯事だ。だが、叫んだ内容と、眼前に突きつけられたスマートフォンの画面に映し出された写真が、まずい。
    「水嶋ァ……これ、どうやって手に入れた、あァ?」
    「痛い痛い痛い!!も~、先輩ったら短気なんですから!ハルちゃんから送られてきたんです!」
    おでこに熱を冷ますシートを貼り付け、写真に写るかなで。心なしか頬は赤く、目はとろんと眠たそうだ。薄い黄色の襟のついたもこもことした素材のパジャマに身を包んで、ベッドの上で力なくVサインをしている。風邪だ。言葉を交わすまでもなく、確信する。よく見れば、新の従兄であるハルからのメールには「火積さんに連絡するのが先だと思ったのですが、先輩がメールを打つ元気もなさそうだったので、新経由で僕からお伝えすることをお許しください。先輩は心配させまいとこんなポーズをしていますが、恐らく今、学院で大流行している風邪なのではないかと思われます。大体一週間くらいで完治するようですが、きちんと治るまでは学校はもちろん、部活にも出させませんのでご安心ください。」と、彼らしい丁寧な文面で書かれていた。
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