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    バヤくん

    @413vucv

    バヤ逢小説まとめ お暇な時どうぞ

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    バヤくん

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    「Good Morning, Lazy Boy」👈チャットGPTがつけてくれたタイトル「……オレは……起きてる……」

    寝ぼけ声でそう呟いたバヤの顔に、冷たい手のひらがぽすんと落ちた。
    額に触れてきたのは、今日も整ったスーツ姿の、皇坂逢。

    「それは、起きてるとは言わない。いい加減、ちゃんと起きろ」
    「ん……今、まぶたが……準備中で……」
    「まぶたの話はしていない」

    窓のカーテンの隙間から、朝の光が差している。
    時計は7:33。あいちゃんの出勤は8時。
    オレのバイトは、今日のシフトが15時から。

    ――ということは、今はまだオレにとっては“深夜”だ。

    「オレの中では……まだ3時くらいの感覚なんだけど……」
    「勝手に時差を作るな」

    淡々とした声。だけど、指先はやさしくオレの髪を整えてくれてる。
    このギャップが、たまらなくて。

    「ねえ、あいちゃん」
    「何だ」
    「あと10分だけ……となり、来て」

    一瞬、逢の指が止まる。
    でもすぐに、あきれたようにため息をつく音がした。

    「……俺は出勤前だ。スーツが皺になる」
    「いいじゃん、誰も気にしないって……あ、でもあいちゃんは気にするタイプか……」
    「……くだらないことを言う元気はあるのか」

    そんなふうに口では突き放してくるくせに、次の瞬間、逢はゆっくりとベッドに腰を下ろした。
    オレのとなり。距離にして、5cm。

    「……10分だけだ。眠られたら、起こす」
    「へへ……やさしい」
    「優しくはない。面倒をかけるな」

    そう言いながらも、逢はオレの前髪を撫でるように整えてくれる。
    冷たい指先が、だんだんと体温を帯びてきて。

    「……オレさ」
    「何だ」
    「こうやって、あいちゃんの出勤前の時間、ちょっとだけ独占できるの……好き」
    「……そうか」

    逢はそっけなく返したけど、声が少し低くなった気がした。
    たぶん照れてる。いや、絶対照れてる。

    「……よし、もう時間だ」
    「えっ、うそ……10分たった?」
    「3分だ」
    「はやっ!!!」

    ベッドから立ち上がろうとする逢の袖を、オレは咄嗟に掴んだ。

    「今日、帰ってくる時間……教えて」
    「予定通りなら、20時。だが仕事次第だ」
    「じゃあ、帰ってきたら……一緒にレコード聴こう」
    「……考えておく」

    それはたぶん、OKって意味。
    オレがそう確信して笑うと、逢は最後に一言だけ残して部屋を出ていった。

    「……さっさと寝直せ。夜に元気を残しておけ、バヤ」

    「……はいはい、おやすみ〜あいちゃ〜ん……」

    扉が閉まったあとも、オレはまだ、あの冷たい指のぬくもりを覚えてた。
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