スラデ本冒頭娯楽地区の裏通り。カオストーンの目撃情報を受けて、スラムデイズの三人は足早に地図の指し示す方へ向かっていた。
「……これか」
「どーする?エージェントちゃん待つ?」
「まだ手が離せないと言っていたし……先に片付けてしまおう」
三人はそのまま赤く輝くカオスワールドの扉に飛び込んだ。
目をゆっくりと開いて、静流はきょろきょろと辺りを見回す。至っておかしなところは見当たらない場所だ、と思った直後、ルーイとランスの服装を見て素っ頓狂な声を上げた。
「うわ!ルーイとランス、ペアルックかよ」
「静流も一緒だよ」
「ほんとだ……これ、どーいう服?」
ネイビーとブラックのツートンカラーのジャケットを着込んだ自分たちを互いに眺めていたその時だった。
「おめでとうございます」
「わっ」
背後から聞こえた可愛らしい声に、思わずランスが声を上げた。
「今日から貴方達は仮面ライダーです」
「……パンダ?」
パンダのぬいぐるみが喋っている。子どもがギリギリ抱えられるくらいの大きさだ。毛並みの様に心なしか喋り方もふわふわとしていた。
「私はナビゲーターのミハル。これから貴方達には仮面ライダーとしてデザイアグランプリに参加していただきます」