純愛.22
最近、どうにも何かがおかしい。
いつもの宵の口に起きると妙に体が怠かったり、打った覚えのない身体の痣であったり、着た覚えのないビキニが洗濯にでていたりと、些細なことではあるが、己の記憶と整合性が取れない気持ち悪さがあり、ひどい違和感を感じている。
はじめはただの気のせいであると思った。兄に言わせると繊細である自分は神経質なきらいがあるようで、些細なことにもこだわってしまう為、何でもない日常の度忘れに敏感になりすぎているだけだと。
しかし、そう思い過ごすにはもはや無理がある程何かがおかしいと感じ始めたとき、ある種決定的な違和感を見つけてしまった。
末弟と妹との記憶違いだ。
不調和を抱え、それが日常にも支障をきたし始めた時、御殿へと遊びにきていた義妹の心配の言葉に「昨日、飲み過ぎたせいだ。」と答えれば、「珍しいね。誰と?」なんて、昨日一緒に居たはずのトオルが言うのだ。
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