飽和する泡、真砂の日々トレジェイ お題夜とユートピア 必須要素お湯
今にも雨が降り出しそうだった。放課後、ジェイわドは多重債務者たちの取り立てに回っていた。今日の仕事の内容をそう明かされても、誰もジェイドが悪魔の使いとは気づかなかっただろう。彼は教諭に授業のわからぬ点でも質問しに行くかのように方々の教室へ出向き、購買部で品揃えを聞くかのように、相手の過失を並べて、滞りなく徴収した。どちらかといえば、ジェイドよりもフロイドの方が取り立て人としてはパワープレイで校内に名を馳せ、名を聞くだけで震え上がる者もいたが、アズールはより契約者の状況が繊細微妙な時、つまり、まだ黒か白か判別がつかずどちらへも賽子が転がりそうな時、最後の一押しとしてジェイドを投入した。秘蔵っ子のお目見えはそうするのが常であった。
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